うれしはずかし恋愛生活 (2) うれしはずかし彼のおうち | 超自己満足的自己表現

うれしはずかし恋愛生活 (2) うれしはずかし彼のおうち

 終業式が終わった週末、あたしは弐條さんの家に行くことになった。初の訪問です。弐條さんは一緒に勉強しようっていってくれて、あたしは最近買ったお気に入りの服を下ろしてお気に入りのカバンに宿題一式を詰めて、おばあちゃんが手土産にもって行きなさいって言ったから、その包みを持ってお迎えが来るのを待ってたの。だって調べたら家の場所くらいわかるけど、パパは早々すねてどっか行っちゃったし、お兄ちゃんは朝早くから、新しく住む自衛隊官舎に行って電化製品とかを揃えに走り回っているし・・・。


 弐條さんの家まで送ってくれる人は誰もいないのよね・・・。するといつもの運転手さん(SPじゃない人)が迎えに来て、あたしを乗せて行ってくれたの。


「おはようございます。源様。」

「おはようございます。藤原さん。お久しぶりです。」


藤原さんはあたしに微笑んで、そっと車を走らせた。ホントに運転上手いのよ、藤原さんって。一度テレビで見たけど、運転席の前にコップを置いてこぼれないように運転する練習をするんだって、こういう人は・・・。無駄な動きはだめってことよ。だから動いていても止まってもあまり無駄な動きがないの。席に物を置いていても落ちるって事がない。何時間乗っていても疲れないって感じ。


いつの間にか弐條さんの家の前に着いた。ホントでっかい家。周りの家も結構大きいけど、ここの家は一番でかいかも。門にはやはり総理の自宅だからか私服警官が護衛していて、門が勝手に開いて、車が入っていくけど、まだ玄関が見えない。生い茂った森を抜けるとやっと玄関にたどり着いた。玄関前には弐條さんが待っていた。弐條さんの私服、はじめて見たんだよね・・・。ホントに普通。ジーンズにポロシャツ。でも着こなしは抜群・・・。モデルさんのようだった。弐條さんってホントモデルになれるよ。


弐條さんの家族はお父様、お兄様、お爺様、弐條さんの男ばっかり四人家族。でもお父様は東京の公邸住まいでしょ。後はお手伝いさんがいて、こんな大きなお邸に静かに暮らしている様子だった。お爺様って元総理大臣でしょ。どんな人かなって結構緊張したけど、すごい人当たりのいい気さくな人だったの。あたしの訪問にすごく喜んでくれたの。おばあちゃんから預かった手土産を渡すとすごく喜んでくれたのね。


弐條さんはあたしの手を引いて弐條さんの部屋を案内してくれた。部屋はきちんと整頓されていてやっぱり二部屋くらいになっているの。やっぱり男の子の部屋って感じで、ダークなイメージで揃えられていたの。


「雅和坊ちゃま、お茶をお持ちいたしました。」

「光子さんか・・。そこに置いておいてよ。」


やっぱりばあやって言う人がいるんだね・・・。ずっと生まれた頃から弐條さんの側で働いていて、母親代わりをしていたらしい。とても品のある初老の女性。運転手の藤原さんとご夫婦なんだって。


あたしたちは出されたお茶菓子をつまみながら、夏休みの宿題をはじめたの。わからないところは弐條さんに手伝ってもらっちゃった。もちろん弐條さんの教え方は上手だから、宿題がはかどっていくのよ。弐條さんはもう今日までに夏休みの宿題を終えたらしい。今は受験勉強をしている。あたしの真横で黙々と勉強している姿はホントにかっこいいよね・・・。



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「もう夏休みの宿題終わったの?早いね・・・。」

「うんまあね・・・。進学クラスは期末が終わったら夏休みの宿題を配られるし、受験勉強が宿題のようなものだから・・・。」

「やっぱり東京行っちゃうの?第一志望は東大?」

「もうどこでもいいよ。一応推薦で慶応の法学部と早大の政経は受けるけど・・・。滑り止めに明治かな・・・。東大文一は一応受けるけど、センターとか受けるの面倒だから、慶応が受かったらもう受けないかも・・・。」


やっぱり受験生らしく、赤本なんか買ってせっせと勉強している。まあ弐條さんは今月の模試でベストの成績を出したらしくって・・・。私学で一番難しい慶応の法学部もさすがのA判定・・・。やっぱりすごいわ・・・。私は偏差値60そこそこだからね・・・。おんなじ学校なんて行けないよ・・・。


「やっぱり政治家を目指すの?」

「わかんないよ。小さい頃から政治家の英才教育をされてたから、当たり前に思ってたけどね・・・。父も政経関係に行けって言ってたし・・・。慶応はお爺様も、父も出身大学だから・・・。まあ兄さんがならないって言ったら僕しかうちを継げないだろ・・・。嫌でも政治家かな・・・。」

「勉強好きなんだね・・・弐條さんって・・・。」

「嫌いじゃないよ。でも好きでもない。もう習慣っていうのかな・・・。響貴みたいに遊んでばっかりって言うのも嫌いだし。毎日綾乃と会って話したりするのが今一番楽しいかな・・・。」


そういうと弐條さんはあたしの顔を見つめて、微笑んだのよ。


「こんな気持ち初めてだよ。綾乃と出会ってから勉強もはかどるし、目標が出来たからかな・・・。」

「目標?」

「内緒。また頃合を見て話すから・・・。」


弐條さんは真っ赤な顔をしてあたしを見つめてた。そしたら弐條さんったらあたしに顔を近づけてきて、キスしてきた・・・。その後押し倒されて・・・・。


「綾乃、いいかな・・・?」


ちょっと待ってよ!まだ気持ちの整理が・・・弐條さんの唇は徐々にあたしの唇から耳元、首筋に・・・。ちょっと待ってってば!!!あたし達また付き合って数日しか・・・。


「弐條さん・・・。まだあたし達・・・。高校生だよ・・・。」


そりゃ世間では高校生で初体験をしている子っているけど、あたしはまだまだだった思ってた・・・。やっぱり厳格な家に育ったから、結婚するまではって言うのが普通だと・・・。今時珍しいかも・・・。


「ご、ごめん・・・。綾乃の事が好きだから・・・。いいかなって思ってたから・・・。」


その後気まずい雰囲気が漂ったけど、弐條さんは黙々と勉強をしだした。あたしはそれどころじゃなくって、張り裂けそうな胸をなんとかするのに精一杯だった・・・。もちろん弐條さんの気持ちは嬉しいけど・・・正直怖い・・・。


「ごめん・・・本当に・・・明日から夏休みいっぱいまで東京に行くから会えないと思うと、いてもたってもいられず・・・。綾乃の気持ちを考えないで・・・。」

「会えなくなるの?」

「うん・・・。父と約束したからね・・・。昼間は党本部とか、総理官邸でバイトして、夜は受験勉強。今から後継者見習いってことかな・・・。」

そっか明日から会えないんだ・・・。寂しくなるな・・・。 結局今日だけで結構宿題が出来て、あともう少しで終わる。夕飯もご馳走になっちゃって、お爺様と一緒に食べたの・・・。


「雅和、明日の準備は出来たのか?」

「ん、んん・・・。」

「スーツは?着替えは?」

「必要最低限以外はもう送っておいた。」


男のみの家庭の食卓って、こういうものなのかな・・・。お兄さんはもう夏休みに入っているから、東京にいったんだって・・・。お爺様はあたしのこととても気に入ってくれたらしくって、色々と家のこととか家族とか聞いてくるし・・・。まあいいんだけど・・・。 食事のあと、あたしはお爺様にお礼を言って、帰る準備をしたの。弐條さんは同じ車に乗って、家まで送ってくれることになったの・・・。


「一緒に来てくれると嬉しいけどね・・・。また遊びにおいでよ・・・。」

「う、うん・・・。何時発の飛行機?」

「JAL1348便、神戸空港16時35分発 羽田行き・・・。」

「じゃああたし空港にいくね。三時に出発口に待ち合わせね・・・。」

「3時だね・・・。わかった・・・。」


なんとなく黙ったまま家まで送ってもらって、そのまま別れたの・・・。




ホント私の想像で書いているので、もし現実的に無理があっても突っ込まないでくださいね^^;

あくまでもフィクションですから・・・。

初めてのおうちです。ホントドキドキものですよね・・・。それも個室だし、雰囲気が良くなれば流れ的に・・・・

綾乃も結構奥手な子なので、まあこれでいいかも?もちろん今までがりべん君の雅和も初めての女の子ですので、ドキドキ・・・。もちろん雅和君は遊び人の堀川響貴君に恋愛のレクチャーを受けているので、ちょっと焦ってる?

さてこの二人はどうなる?書いていてわけわからなくなったので、読み手もそうかもしれませんね。

ではでは・・・。