うれしはずかし恋愛生活 (1)うれしはずかしあたしの父兄との初対面 | 超自己満足的自己表現

うれしはずかし恋愛生活 (1)うれしはずかしあたしの父兄との初対面

 あたしは初恋一目ぼれを成就してなんと総理大臣の次男と付き合うことになったのよ。あたしよりも二歳年上の高校3年生弐條雅和。わけあって東京の首相公邸には住まず、神戸の超セレブな学園に通っているのよね・・・。弐條さんのおうちは政治家一家で、お爺様も総理大臣経験あり。叔父様も国会議員。お父様は戦後史上最年少での総理大臣って言うことですごく話題になっていたらしい。お兄様は政治家になるのが嫌で、学校の教員になるために一生懸命勉強しているし、頭のいい弐條さんは後援会の人たちに後継者として期待されているんだって・・・。(本人は嫌がっているけど・・・。)偶然の出会いからあの転落事故まであたしは片思いだと思っていたんだけど、なんと両想いで、恋愛でも定番の体育館の裏で初キスしちゃったの。



 朝ちゃんと起きられるように目覚ましをかけたの。ちゃんと起きられたわよ。だって今日から弐條さんと一緒に登校するんだもん。朝6時に起きてお風呂入って・・・。パパはすっごく驚いてたわよ。



「あれ、綾乃。今日は早いじゃないか?夏なのに雪が降るかもしれないね・・・。」
「いいじゃない・・・。たまには・・・。学校があるときはこの時間に起きるから起こしてねパパ。」
「いいけど・・・。」



パパは不思議そうな顔して身支度をしていたのよ。



「パパ急がないと遅れるよ。阪神高速渋滞だってテレビで言ったたし・・・。した道走ったほうが早いかもね?」
「そうだね・・・。」



すると玄関ブザーが鳴ったの。



「綾乃~~~。弐條さんよ。」



っておばあちゃんがあたしに言ったからあたしは急いでカバンを持って玄関に向かったら、丁度パパが扉を開けたところだったの。パパと弐條さんは目があっちゃって弐條さんは苦笑しながらパパに言ったの。




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「おはようございます。はじめまして。山の手学園高等部三年の弐條雅和といいます。」
「おはよう。君は綾乃の何?」
「僕は綾乃さんとお付き合いをさせていただいています。よろしくお願いします。」
「そうか、私は急ぐから・・・。」



パパは不機嫌そうな顔をしてガレージに止めてある自家用車に乗って出勤していったの。そりゃ自衛官の制服を着たパパに睨まれたら誰でもビビルわね・・・。特にパパの制服は幹部の制服だから結構厳つい。まあ弐條さんなら見慣れているかもしれないけど・・・。



「おはよう弐條さん。あれ?今日は車じゃないの?」
「初めて電車通学をしたよ。阪急芦屋まで送ってはもらったけどね。三宮で降りてここまで歩いてきた。結構きついねここの坂・・・。」
「SPなし?」
「うん、自分の身は自分で守ることにしたから・・・。他に守らないといけないものも出来たしね・・・。2学期に入ったらきちんと定期買って電車で通学するよ。さあ行こうか。」



あたしはそっと弐條さんの手を握ったら、弐條さんは握り返してくれた。本当にこんなに楽しい通学は初めてよ。色々話していたら、あっという間に学校についたわよ。学校のみんなは弐條さんが歩いて通学しているのを見てすっごく驚いていたし、側にあたしがいるでしょ。それも手をつないでいるもんだから・・・。



「みんな見てるよ・・・。」
「いいよ。僕が好きなのは綾乃だけだから。」



ホントに恥ずかしいやら・・・相変わらず視線が痛いよ・・・。弐條さんはわざわざ教室まで送ってくれて、一緒に帰る約束もしたのよね・・・。堀川さんはすごく驚いて、あたしに話しかけてきたわよ。



「やっぱり本当だったんだ・・・。お兄様がね、弐條さんは綾乃さんの事が好きでどうしたらいいか色々相談していたらしいのよ。弐條さんは初めて女の子を好きになったらしいし、お兄様はいろんな女の子と付き合いあるから・・・。すごいじゃない!あの弐條さんと付き合っているなんて!私も彼氏欲しいよ。ねえ、あの清原さん紹介してくれないかな・・・。」
「清原三等陸佐でしょ。10歳も上じゃない。」
「なんかね大人って感じがして・・・。素敵じゃない?」
「まあ、将来うちのパパみたいに出世コース間違いなしの人だからね・・・。でも私連絡先知らないよ。パパの部下ってだけだから・・・。」



へ~~~堀川さんって清原さんが好きなんだ・・・。まあいい人だけどね・・・。するとね変な集団があたしめがけて近づいてくる。その先頭を歩いているのは土御門桜。一部上場企業で元財閥の上、元華族の超お嬢様。そういえば初登校の日、弐條さんを引っ張って行ったあの子ね・・・。後ろにいるのは取り巻き?弐條さんとは幼馴染で、お父さんは弐條さんのお父さんの後援会長。



「あなたが源綾乃さん?あなたわたくしの雅和様を盗らないでくださる?」
「はい?」
「ちょっとあなた、外部から来たくせに生意気よ。雅和様とわたくしは親同士が決めた仲なのよ。将来私は雅和様の良き伴侶になるんだから・・・。あなたのようなどこの馬の骨かわからないような子なんておじ様は相手なさらないわ!身を引きなさい!」
「何いってんの?あたしんちは代々源家として宮中に近衛の武官として仕えてきた家よ!曾お爺様は陸軍大将にまでなったのよ!お爺様は戦時中近衛軍の若き総長として皇居をお守りしていたし、パパは陸上自衛隊中部方面総監部で幕僚副長しているんだから!うちのお兄ちゃんは陸上自衛隊幹部学校にいるのよ!うちは筋金入りの軍人一家よ!あなたんちは元華族かも知れないけど、なんだって言うの?弐條さんはあんたのことどう思っているのか知ってるの?」



家柄ではうちは負けるけど、口では勝てるわ!所詮お嬢様。半泣き状態で教室を出て行ったわよ。



「すご~~~い!綾乃さん見直したわ・・・。」
「そんなことないよ。家のこといわれるのが一番むかつくのよ!ホントにうちは筋金入りの軍人一家よ。」
「ええ!お兄様がいたの?今度あわせて・・・。」
「今目黒にいるの。幹部学校はパパも卒業してるし、清原さんもよ。来年当たり戻ってくるよきっと・・・。清原さんより1歳年下。写真もあるよ・・・。」



丁度持っていたお兄ちゃんが防衛大学入学式の写真を堀川さんに見せたの。丁度あたしはその頃東京に住んでいたから、一緒に写してもらってたの。亡くなったママも写っている思い出の写真。ママはこのときとびっきりの着物を着て、パパは通常礼装に白手袋、お兄ちゃんは礼装制服、あたしたちは学校の制服を着て、防衛大学の前で取った写真。このとき、お兄ちゃんは新入生代表で挨拶をしたっけ・・・。この頃が一番幸せだったな・・・。もちろんお兄ちゃんは主席で卒業して、久留米の幹部候補生学校も主席、配属先の上官に推薦されて今幹部学校に行っている。この前会ったのはいつだったかな・・・。防大2年の時?ママが亡くなったときだ・・・。お兄ちゃんは全寮制だから許可を得て、実家に戻ってきて、パパもお兄ちゃんもきちんと制服を着てママを見送ったっけ・・・。それ以来会っていないな・・・。あの後パパは防衛庁に願い出て特別に防衛駐在員として派遣されてこの春まで海外を転々としてた。



「やっぱり綾乃さんのお兄さまもかっこいいね・・・。ご両親も素敵な方ね・・・。」
「パパもママも駆け落ち寸前までいった仲だったからね・・・。すごく仲がよかったんだよ。」
「理想の家庭って感じだね・・・。」
「そうかな・・・。(ママが生きていればだけど・・・。)」



まあ湿っぽい話はこれくらいにして、あのうっとうしいお嬢様をぎゃふんと言わせてすっきりしたわよ。



 放課後の部活の後、あたしは弐條さんと一緒に帰って、家まで送ってもらったの。すると家の前に一台のタクシーが止まって、人が降りたの。なんとそれはおにいちゃん!!!何年ぶりに会うんだろ・・・。あたしはお兄ちゃんが大好きだから、お兄ちゃんに飛びついちゃったの!



「お兄ちゃん!」
「綾乃か!女の子らしくなったな!」



弐條さんは驚いた表情であたしたちを見ていたんだ。お兄ちゃんは陸上自衛隊の通常制服を着て、いつもどおりの笑顔で笑ってた。お兄ちゃんはちょっとシスコンっぽいところがあるから、弐條さんを見て少し嫌な顔をしていた。



「どうしたのおにいちゃん!」
「学校を卒業して、こっちに配属になったんだ。総監部じゃないけど、第3師団の中隊長さ。で、あの男は誰?」
「あの人は弐條雅和さん。あたしの彼よ。同じ学校の3年生なの。」
「そう・・・。」



お兄ちゃんは弐條さんの前に立つと、弐條さんの前に手を出したの。



「はじめまして。私は綾乃の兄、源博雅です。今日から陸上自衛隊中部方面第3師団中隊長として派遣されました。よろしく。弐條だなんて珍しい名前だね・・・。お父さんは何しているの?」



弐條さんはおにいちゃんと握手して微笑んでいったの。



「はじめまして。僕は弐條雅和です。父は・・・内閣総理大臣をしています。」



お兄ちゃんはさすがに固まっていたわよ!内閣総理大臣は防衛庁のトップみたいなものよ・・・。上下関係に厳しくて、権威に弱いうちの家系はびっくりするわよね・・・。お兄ちゃんは態度が一変して弐條さんを家に招きいれようとしたんだけど、弐條さんは今日車じゃないからって、丁重に断って、帰って行ったのよ・・・。もちろん後メールでフォローしておいたわよ・・・。もうおにいちゃんったら変なとこ嫉妬して・・・。馬鹿じゃないの?



あの後お兄ちゃんは色々弐條さんのことを聞いてきたけど、付き合って日の浅いあたしは困ったわよね・・・。まだ弐條さんについてわからないことだらけなんだもん。家にさえ行ったことないし・・・。でも今度の週末にご招待を受けたから、何を着ていこうか悩んでいるのよね・・・。