『贋作水滸伝』を終えて、
今回スタソンさんに初めて参加させてもらったんですが、
お芝居以前に作品に対する思いが熱い人達の集まりで、小道具、衣装、全てが手作り。
自分達で作るというホームメードな部分があり、
作品作りという部分で本当に一から勉強になりました。
今まで私がどんなに甘やかされている場所に居たか…
いやっ、居させてもらえたのにはどれだけの多くの方の支えがあったからなのかと考えさせられました。
そういう事だけでも、初心に返る事が出来ました。
そして実は体調を崩してしまい、皆様に心配や迷惑をかけてしまったのです。
病名は急性浮腫性声帯炎。
声が突然出ないんです。
しかも場当たりの日に。
でもそんな私を全力で支えてくれた多くの人がいてくれました。
すぐに病院を探し、どうするべきか行動に移しサポートしてくれた事務所スタッフ。
ゲネプロを見に来てくれて適切なアドバイスをしてくれた社長。
毎日劇場に入り、声が出やすい様にと一緒にヨガをやってくれた共演者。
出番を終え楽屋に帰ると『良かったよ』と声をかけ続けてくれた仲間達。
毎回私の喉に手を当て気を送って下さった大先輩。
本当は毎日生きた心地がしなかったんです。
今まで当たり前の様に声を発し、当たり前の様に芝居をしていた中で、声が出ないなんて事があるわけない…。
夢なら覚めてほしいと心から願いました。
でもそんな時、共演者の方から『声が出なくても心は伝わるから』と言葉をかけてもらいました。
でもそれじゃ舞台は成立しないからダメなんですが、
表現者として一番大切な『心』で伝えるという事がどんなに繊細で重要な事か痛いくらいに思い知らされました。
こういう状態だったから、ちゃんと相手に伝えなくてはと思えたし、しっかりぶつけなければといつも以上に思えました。
私はこの作品に、私の全てでぶつかり、全てを捧げ、魂で演じました。
これで声を失っても本望だと思いながら、一言一言を発していました。
素晴らしい才能に溢れた大先輩方と同じステージに立て、
こんなにも幸せな気持ちになれる秀玲という女性として生きる事が出来、
生きる事・演じる事の喜びを毎日感じる事が出来た時間。
幸せでした。
毎日のお客様からの拍手が本当に幸せでした。
役者をやっていて良かったと心から思えた時間でした。
なので、全てを終えた千秋楽のカーテンコールは色んな思いが込み上げて気持ちがまとめられず、失礼しました。
全てが終えてからの撤収作業。
これも自分達でやるスタソンの皆さん。
私たち女子はみんなで衣装をたたみ、
楽屋の掃除をし、
その流れで自然と『ありがとう』という言葉が出てきました。
みんな衣装を片付けながら自然と口にしていました。
こんな風に自然と言葉に出来るって気持ち良い。
演じるだけでは無く
作品作りに対する姿勢を一から学ばせてもらったスタンダードソングの皆さんに心から感謝をしています。
今回も宇治川さんから沢山の熱い言葉を頂き、その全てが私の実になっています。
その全てをしっかり吸収し、私はまた次のステージに上がります。
また絶対にスタソンの皆さんとお仕事したい!!
一回りも二回りも成長した姿でスタソンの皆さんと一緒の舞台に立てる時まで走り続けます!!
『贋作水滸伝』に関わった全ての皆様。
共演者の皆様。
ご観劇してくださった皆様。
本当に、本当にありがとうございました!!!!
『贋作水滸伝』ここに完結です。
このブログを読んで心配をかけてしまった方もいるかもしれませんが、申し訳ありません。
先ずは安静にして一刻も速い回復を目指します。
どうか温かく見守っていて下さい。