奥田祥子『等身大の定年後 お金・働き方・生きがい』は去年刊行されたばかりの本です。
この本の興味深いところは、男女問わず、会社で働き続けて再雇用を選ぶ人、転職や起業を選んで会社を離れていった人、ロールモデル不在の中で女性管理職として道なき道を歩んで来た人、そして挫折した人、などさまざまな立場の人に何十年に渡りインタビューを重ねたところです。
この本の登場人物たちはとても優秀な人たちばかりでした。
日本の未来も正確に予測していた人もいて、その観察眼の鋭さにとても驚きました。
そんな優秀な人たちばかりなのに、うまくいった人とうまくいかなかった人がいます。
その明暗を分けたものは何だったのか?
うまくいかなかった人たちの原因は、社会の価値観や組織の変化に自分の価値観を合わせきれなかったからではないか、という印象を受けました。
年齢が上がるほど第一線で活躍することが難しくなります。
管理職として後輩育成や後方支援で活躍できるのか、それとも専門性を極めてプレイヤーとして活躍することを選ぶのか。
当事者たちはたちの戸惑い、悩み、その後についてとても丁寧で生々しい声を届けてくれる本です。
是非色んな方に読んで欲しいです。