渡部伸著「障害のある子の住まいと暮らし 親なきあとの準備」は親が亡くなった後の障害者支援で必要なことは、①お金の準備、②生活の場の確保、③日常生活支援、の3つの課題を解決することだと説いています。
以前、この著者の別の障害者支援の本を読んでとても興味深くて勉強になったのですが、実際に障害者がどのように施設選びや住居選びをし、それに付随する生活支援を受けているのかがイメージできませんでした。
本書は実際に運営されているさまざまな施設の利用者と運営側の視点から描かれています。施設の外観、内観の写真もあり、わかりやすかったです。高齢者と障害者の共生施設もあり、従来だと障害者が高齢になると高齢者施設に移動しなければならなかったのですが、その問題点を解消した施設も少しずつ増えているそうです。
昔だと障害者は何もできないからと、周囲が障害者の意見を聞くという考えすらもっていなかったんですが、親は先に亡くなるし、障害者本人が施設や社会資源を利用して一人でも生活できるようにしておかないと、親が病気になった時に一番困るのは障害者なのだという考えも普及してきました。
グループホームだったり、1人暮らしでヘルパーの力を借りて自立したり、費用のことも助成金がつくのかつかないのか、各施設について丁寧に解説してくれています。
特に、障害者本人の写真とインタビューがたくさん載っていたのが印象的でした。
どういった障害があって、どうゆうことが苦手で、どんな支援が必要なのか。
障害者支援はオーダーメイドで、周囲の思い込みではなく、本人の希望と実際に利用可能な社会資源との折り合いをつけていくことなのだと感じました。
手話の勉強をし始めて本当に色んなことを考えるようになりました。
将来的にどんなことができるかはわからないけれど、勉強を続けて自分にできることを探していこうと思います。