ろう者といえば手話。それなら手話の勉強をしようと考えましたが、手話だけでも限界があるし、全員に手話を覚えさせるのは難しいとも思います。

 

「色んな人と会話したくて手話を覚えたのに、手話が使える人が少ない。覚えるのが大変だったから、手話を覚えて欲しいと言えない。」

 

去年の11月のオフ会で聴覚障がいのあるオフ会参加者にそう言われて、そうゆうことなら、私が勉強してみんなに教えようかな、と考えたのが手話を勉強し始めたきっかけでした。

私はガリ勉だからわかりやすく教えることには自信があるし、もっと日本に手話を普及させることができると思いました。

 

でも、勉強を続けるにつれて、手話だけではいけないと気づきました。

最近は文字起こしも発達してとても便利だと思いますが、誤変換などもあるし万能ではない。手話とパソコンテイクとノートテイク、色々な角度から情報保障を考える必要があると感じ、この本を手に取りました。

 

この本を手に取った時に、そういえば私が大学生の時にノートテイカーを募集していたことを思い出しました。大学在学中から法律の資格取得の勉強をしていたので、「ノートテイカーを集めるの大変そうだな」と思いつつ、その時は何もしませんでした。

 

高校までは教科書や黒板に丁寧に板書きをするので、授業に全くついていけないということはないのですが、大学ではそれが一変します。レジュメは簡単なものだけで、あとは教師がひたすら話すというスタイルなので、ろう者にとって大学で勉強するということは容易ではありません。

 

この本を読んで、情報を伝えることの大切さと大変さを学びました。

教師もノートテイカーもノートテイカー利用者も全員で協力して、情報保障について考える姿勢が大事だということがよくわかりました。

 

【ノートテイク支援の具体例】

・ノートテイカー養成講座の準備、受講生の募集

・予算の確保(謝礼の準備、消耗品の購入・ノートテイカーのテキスト代)

・グループワークの際の注意点(司会を決めて進行、同時に話さない・場をまとめてから進行、レポート発表の場合はノートテイカー利用者とノートテイカーの両方に文字資料を提供)

・ビデオ教材を使用する場合の注意点(ナレーション担当、映像音声担当に分かれて分担して書く、ビデオ上映中は先生は話さないようにお願いする、見る前に教材の説明をしてもらう、字幕・パソコンノートテイクや手話など即時性のある情報保障を確保)

・レジュメは前日までに教師からノートテイカーにメール送信するようにしてもらう

・実際に授業が終わった後の情報を共有する

 

などのようにこの本に書かれてあることのほんの一部を紹介しましたが、正直、ここまで考えていなかったので、すごく参考になりました。

ろう者の学ぶ機会を支援するために、教師もノートテイカーもノートテイカー利用者も最善を尽くす。こういった姿勢が本当に大事なのだと感じました。

 

ノートテイカーも聴覚障がい学生が履修する科目を履修していた上級生をなるべく充てるようにするなど、色々な工夫がされていて、これは色んな分野に応用ができると感じました。

講習会などの時は手話ではなくパソコンテイクの方がいいこともあるし、パソコンテイクの知識と経験が普及すれば、手話よりも簡単に情報保障を聴者側からしやすくなる。

 

パソコンテイクの本も見つけたので、今度こっちもまとめてみようと思います。

その前に、10月に手話検定試験だと思っていたら、実際は9月だったので試験勉強も頑張ろうと思います。