手話の勉強を始めてもう少しで5か月になります。

勉強を続けてきたからこそ、悩むことやわからないことがたくさんありました。

その答えはなかなか見つからなくて、歯がゆく感じていました。

 

この「手話でいこう ろう者の言い分 聴者のホンネ」はそんな手話を勉強し始めた聴者、ろう者と関わっていくことなど、当事者のありありとした本音が綴られています。こうゆう本をこの5か月ずっと探していた気がします。

この本は聴者の夫とろう者の妻の日常を描いた作品です。是非、手話の勉強を始めた人に読んでもらいたいので、詳細を語っていこうと思います。

 

【手話に対する誤解】

・手話は世界共通じゃない、どうして手話を世界共通にしないの?

 

これ私もめっちゃ訊かれた!

あまりにも同じことを色んな人に聞かれすぎて、ちょっとイライラしました。

手話は国や文化によって違うのは、その地域の人たちが身振りから言語を作っていったからであって、世界共通なものに作るとかそうゆう次元のものじゃないんですよ。

 

私も大学で言語学を学んでいた時に手話は世界共通じゃないと知ったので、自分もそう誤解していたんですが、誤解を解くろう者や聴者が辟易とするのも納得します。

だって、本当に色んな人に同じこと言われましたから。

しかも、誤解を解くために色々話すと講義っぽくなるのも共感しました。

 

【ろう者、聴者という表現について】

 

手話の勉強をし始めた時に一番最初に驚いたのがこの表現でした。

えっ、人間をこんな風に分けて表現するんだ!?と思ったからです。

言語の壁が心の壁になってしまう。単純な表現のしやすさだけではない、色んな壁がこの表現につまっているような気がします。

 

【補聴器をつければ、聞こえるようになるわけではない】

 

音声は耳介で集められ、外耳道を通って鼓膜に達し、鼓膜からの振動は耳小骨から蝸牛へ伝わり、そこから電気信号に変換されて、大脳の聴覚野で処理されます。

耳介から鼓膜・耳小骨までに障がいがある場合を「伝音性難聴」、それ以降の内耳に障がいがある場合を「感音性難聴」、両方に障がいがある場合を「混合性難聴」と言います。

 

補聴器は振動を伝える「伝音性難聴」の場合は効果がありますが、「感音性難聴」にはあまり効果がなく、重度の聴覚障がいはこの「感音性難聴」にあたります。

補聴器をつけても雑音のような音の塊が聴こえるだけで判別できないこともあります。100%聴こえないものが95%聴こえないように変わるだけでも聴こえるようになりたい。補聴器は必要だけど万能ではない。こういったことを知っていくことが、ろう者に寄り添っていくということなのかなと感じました。

 

当事者のホンネが聞ける貴重な本なので、興味がある方には是非お勧めします。