彼と一緒に人生初の
投票に行った。
本当の投票日は、
ふたりでお泊まりの
予定があるから期日前に。
少しだけ背伸び
するような気持ちで、
でもちゃんと大人の一歩を
踏み出すような気持ちで、
投票用紙を手にした。
彼はもう何度も
経験しているから
「ここにこう書いて……」って、
横でそっと教えてくれる。
その言い方がやさしくて
私はふふって小さく笑った。
でも、そんなふとした瞬間に、
胸の奥でざわっと
することがある。
私はまだ18歳。
なおやさんは33歳。
15歳も離れてるって、
やっぱり大きい。
人生経験も
見てきた景色も全然違う。
将来のこと、周りの目、
彼の過去にいた人のこと
「気にしてないよ」って
言えるけど本当は時々、
少しだけ怖くなる。
そんな気持ちが
顔に出ちゃったのかもしれない。
投票を終えて並んで歩くとき、
彼がふと私の名前を呼んだ。
「せいか」って。
その声がなんだかやさしくて。
彼の目を見たら
やさしく微笑んでた。
その瞬間、
胸の中のざわざわが、
無くなっていく感じがした。
誰よりも、
私をちゃんと見てくれる。
小さな変化にも気づいてくれる。
受け止めてくれる。
そんな人が私の隣に
いてくれることが、
うれしくて仕方ない。
たしかに私はまだ
子どもかもしれない。
でも恋だけは、
ちゃんと本気でしてる。
彼のそばにいたい。
守りたい。
ずっと笑っていてほしい
心からそう思う。
これからもきっと、
不安になる日も、
揺れる瞬間もあるかもしれない。
だけど私は逃げない。
だって、私はこの人と
一緒に生きていくって、
ちゃんと、心に決めたから。
明日からの三連休。
楽しみで仕方ない。
付き合って2年のお祝い。
たっぷり甘えよう。