彼の存在の大きさを、
心から感じた一日だった。
正直、不安だった。
年の差のことも、
同棲してることも。
親戚にちゃんと受け入れて
もらえるか、
自信なんてなかった。
でも控え室で彼は、
落ち着いた声で、
一人ひとりに丁寧に
挨拶をしていた。
静かだけど、
まっすぐに目を見て、
言葉を選んで話す姿が
すごく誠実で。
叔母さんがそっと耳元で、
「本当に礼儀正しくて
素敵な人ね」って
微笑んでくれた。
おじさんが
彼のところへ来て、
「せいかのことよろしくな」
って言ってくれた。
それだけで、
胸の奥がぎゅっと熱くなった。
彼のことを、
ちゃんと見てもらえて。
受け入れてもらえたことが、
なによりも嬉しかった。
母の法要の日に、
彼がそばにいてくれたこと。
その場に、
ちゃんといてくれたこと。
それが、私の中で
いちばんの救いだった。
帰宅して、
気が抜けたのか、
私はソファから
動けなくなってしまって。
彼はお茶をいれてくれて、
「今日一日、頑張ったね」って、
私の頭を撫でてくれた。
そのやさしさに、
涙がまた溢れた。
彼の胸の中で、
声を出さずに泣いてた。
「ありがとう」って何度も言った。
「そばにいてくれて、
ほんとにありがとう」って、
何度も。
彼は優しく笑って、
そっと私の頬に
手を添えて言った。
「俺はね、せいかの涙も、
笑顔も、全部、
大事にしたいと思ってるよ。
ずっとそばにいるから」
その言葉がうれしくて、
私は、彼の首にぎゅっと
腕を回して
「ずっーとだよ」 って
言ったら
彼はすぐに「もちろん」
と笑って私の唇に
キスをしてくれた。
とんでもなく「好き」が溢れて
私からも何度も
彼の唇にキスを返した。
この人と出会えたこと、
心からよかったって思える。
忘れたくない、
今日という日だった。

