今日は、彼の実家でBBQ。
「せいかちゃん来るの
楽しみにしてたよ〜!」
なんて、
お母さんが大きく手を
振って出迎えてくれた。
その瞬間、
胸の奥がじんわり
あたたかくなった。
初めて訪れたときは緊張して、
何を話していいか
分からなかったのに
今ではこうして
笑顔で迎えてもらえる。
名前を呼ばれて、
「楽しみにしてた」なんて
言ってもらえる関係に
なれたことが、
うれしくて少し照れくさくて
でもすごく幸せだった。
庭にはもうテーブルが
用意されていて、
お父さんは
炭の準備をしながら
「今日は肉、奮発したぞ〜」って
嬉しそう。
私はエプロンを借りて、
お母さんと一緒に
野菜を切ったり、
サラダを盛りつけたりした。
彼は、お父さんと一緒に
ビール片手に焼き担当。
ちょっと焦がしちゃって
「おいおい、焦げてる」って
お父さんに
ツッコまれてる姿が、
なんだかほほえましかった。
途中、お母さんが
私の耳元で
「せいかちゃん、なおやは
ちゃんと優しくしてる?」って
小声で聞いてきて、
私はちょっと笑いながら
「はい、すごく」って返した。
日が暮れて、
ちょっと涼しくなってきた頃、
ふたりで並んで
ベンチに座りながら、
私は彼に言った。
「今日もほんとに楽しかったね。
ありがとう」 って。
そしたら彼は、
「せいかが、
うちの親とあんなに
仲良くしてくれてるの
見ると、ほんと嬉しくなる。
いつもありがとう。
感謝してるよ」 って
言ってくれた。
そして彼のご両親にも
「いつも本当に
ありがとうございます」って、
ちゃんと伝えたら
ご両親ともに 笑って
「こちらこそ」って
返してくれた。
そのやさしさが、
またすごくうれしかった。
私は今、この場所で
生きてることが
しあわせだと思えた。

