7/1(月)
7月になった。
7月は好きな時季、というか月、のひとつだ。
3月、5月、7月、が、
昔から私は好きだ。
特に深い理由はない。
というより浅い理由もない。
(3月はたんじょうびがある月だから、ということが
うっすらとした理由かも知れないが)
だから7月はうれしい。
7月になった。
朝のさんぽは短めに
近くのコンビニエンスストアまで行く。
往復する道に、清掃車の戻り待ちをしている作業員の方がいつもふたり座っている。
子どもが好きな方々なのだろう、
龍晴が通るたびにおーいとか、バイバイとか言ってくれて、
もともとひとなつこい龍晴は
その方々がとても好きだ。
今日も道の途中で石や木の葉をひろっては
その方々にあげる、といって持って歩いている。
かわいらしい。
1時間ちょっと眠り、
スイム。
今日もとても張り切って泳ぐ。
くるくるとまわるのが楽しいらしく
おおきなこえで笑いながら
もっともっととひとりで回転している。
観覧席でお昼ごはんを食べ、
マルイへ。
時計コーナーを2度ほど時間をおいて見に行くと
2度目に行ったときに売り場の若い男性の方が
時計が好きなんですか?と話しかけてくださり、
龍晴にぜんまい時計の中身?などを見せたり触らせてくれたり、
掛け時計の音を鳴らしてくれたりする。
ありがたい。
龍晴もとてもうれしそうである。
今日は食器洗いのほかに
にんじん9本と葱6本を洗うことも龍晴にしてもらう。
さいしょはまるのにんじんと葱を洗ってもらい、
料理用に切ってから、余った部分(にんじんのあたまのところなど)を
龍晴にはい、と渡したら、
「おおきいよ~」「ちいさいよ~」などと言いながら
おたまですくったりざるに入れたりを繰り返していた。
なかなかよい勉強?になっている様子。
7/2(火)
朝のさんぽは城山公園へ。
友だちたちと待ち合わせ。
龍晴は今日は久しぶりにストライダーに乗って出かけたいという。
そういってもたいてい最初の5分くらいで乗り捨ててしまうのだが
今日は公園まで20分近く、ずうっとストライダーに乗って(というよりもまだ足がぴったりつかない高さなので、またいで歩いて)行った。
なかなかの体力である。
公園には近くのスポーツジムが経営する幼稚園の子どもたちが3学年ごっそりやってきていてものすごくにぎやかである。
友だちたちはまだ誰も来ていない。
龍晴はたいちゃーん!だいちゃーん!!しゅんくーん!!!
と呼びながら公園に入っていったので
誰も来ていないのがわかりちょっと拍子抜けの様子。
それでも幼稚園の子たちに混じって
滑り台を滑ったり、アスレチックをしたりする。
10時過ぎになり友だちたちが三々五々集まってくる。
暫く遊び、龍晴は不意におうち!と言って
いえに帰りたいとリクエストしたため
帰宅。
疲れたわけではなく、いま手に持っている外用の新幹線のおもちゃを
いえのなかにある踏切で走らせたい、だけなのだが。
お昼寝後はポーコアポーコさんへ。
今日は最初のうちだけユウちゃんがいたが、
すぐに帰ってしまったので
久しぶりに龍晴だけの貸し切り状態。
のんびりと遊べてとても楽しかったようで
そとに行こう!とまったく言わず、
そろそろ晩ごはんの準備だしいえに帰りたいなあ、と思いはじめたくらいにやっと
こうえん!と言いはじめた。
平和の森公園ですこし遊んでから帰宅する。
ところで今朝、公園で一緒になった幼稚園は、
龍晴が通っているスイミングスクールの入っているジムの経営する幼稚園である。
私はとても保育園が嫌いな子どもだったこともあり
保育園や幼稚園は2年保育でじゅうぶん!!と強く思っていたのだが
しかし私が住んでいるあたりは3年保育が圧倒的に多い。
私が2年でじゅうぶん!!と思っていても、
まわりが1年早く幼稚園なり保育園に進み、
できることが増えていくなかで、
ぽんとひとりだけ2年保育で園に入ったときに
戸惑いやつらい思いをするのではないかと危惧し、
やはり3年保育にしようと思い直している。
となると、あと2年弱でもう入園なのである。
さらにこのあたりはプレ保育といって、実際に入園する1年前からならし保育を名目に親子を囲い込むことが一般的である。
「プレに通わせないと、“落ちて”しまうことがある」って、
そんな大仰なこと、ああ面倒くさい・・・というのが本音。
だって3年なら3年、2年なら2年、で、そのときに入園すればいいじゃない。
なんで1年も前から、週に何度も園に行かなくてはならないのだ。
まわりの友だちたちで、保育園ではない親子たちも
そろそろ入園を考え、早いひとはもうプレのプレ、とやらに通いはじめているし、
幼稚園の情報交換、が最近の話題としてよくのぼる。
のんびりと構えているのは私くらいになってしまった。
たまたまわが家の近くに、
このあたりでは評判がいい(私にとって通わせてもいいな、という意味での評判ですが)幼稚園があり、しかもそこはプレに通わなくても100%入園できる。
ので、そこにしようかな、といまのところゆるやかに考えている。
一方で、その、通っているジムの経営する幼稚園にも
多少なりとも興味はあった。
しかし先日、同じスイムのクラスの、1年年長の子のお母さんが先日その幼稚園の説明会に行ってきた、と教えてくださったのだが。
その幼稚園の教育方針のひとつに「不介入」というのがあるのだそうだ。
おおきな怪我をするようなこと以外は、保育士は子どもたちに介入しない、
喧嘩をしても放っておく、多少擦り傷ができたって、
というようなことらしく、その方針自体は私も8割くらいはいいねいいね、と思うのだが、
残りの2割が違和感だ。
さすがスポーツジムが経営する園だけあって、
毎日スイミングや体操の時間があり、子どもたちは毎日へとへとになって帰ってくるらしい。
それもそれでいいのだが、
つまり運動ができて体力があって腕力があって、そういう子どもが礼讃されて、
たとえば一歩引くタイプの子、おとなしい子、運動は苦手だけどうたがうまい子、お絵かきが好きな子、あるいはなにもまだ得意ではない子、は、常に弱肉強食のたたかいに敗れ、フォローすらない、というのはどうなのだろうか。
そういうことを知るのは、まだ人生の先のほうでよいと私は思う。
そんなことを考えて、その幼稚園はやめよう、と決めた。
ああそれにしたってまだ2年あるのに
もう幼稚園幼稚園。
だなんて。
やれやれ、だなあ。
7/3(水)
朝のさんぽはもみじやま公園へ。
友だちに渡すものがあって待ち合わせる。
シュンくんももみじやま公園に来るよ?と言っておいたら
友だち好きの龍晴は
朝からシュンくんシュンくんと言っていて
しかし実際にシュンくんは、渡し物が終わったら
すぐに近くのスポーツジムの体操教室に行かねばならなかったので
バイバイね、ということになり
龍晴は淋しそうな拍子抜けをしたような顔をしていた。
それでもすこしのあいだだけ、
一緒に遊べてよかった。
SLを眺めたり、砂場や滑り台で遊んだりし
パン屋さんなどに寄ってから帰宅する。
お昼寝後は龍晴と料理。
龍晴には今日は蕪としめじをたくさん洗ってもらう。
15時前にそとに出る。
久しぶりにコンビカーに乗りたい、という。
めずらしい。
ある日、突然乗らなくなって
それ以来殆ど見向きもしなかったのだが。
乗りながら軌道をたしかめたり
早い!早い!!と笑いながら走ったりしていて
かわいらしい。
好きなところにいっていいよ?というと
ほんとうに好きにくるまを走らせ
私もほとんど通ったことがないようなところまで
ふたりで走る。
南口の花屋さんで
七夕の笹を買ってから帰宅。
折り紙で七夕飾りをつくり
龍晴と飾りつける。
7/4(木)
もくようびになると
一週間の折り返しを過ぎた、という感じがしてうれしい。
朝。
目が覚めて、今日はもくようびだ、と思う。
もうすぐ週末だ。うれしい。
朝のさんぽはスーパーマーケットから駅前のサンモール商店街を通ってブロードウエイまで。
龍晴は途中まで歩いていたものの
忘れものをしたらしく、おうち!というので戻ってみると、
ストライダーに乗っていく、という。
最近、ふたたびストライダーブームだ。
ブロードウエイからそとに出ると
ひとあめ降ったような濡れ具合。
ちょうど酷いときに店内にいたのだろう。
よかった。
お昼寝後、どこに行きたい?と龍晴に相談すると、
ごっち行きたい、という。
ごっち、というのは、
最近、龍晴がつくった街の名前だ。
龍晴はここのところものがたりをつくるのが好きだ。
ごっち、は。
「きいろ」の「バス」、しかも「2階建てバス」で「1時間」ほど行ったところにある街で、
「父さん」と一緒に行ったことがある場所。
そこには「すいか」や「パイン」や「トマト」が買えるスーパーマーケットがあって、
この前は「うちわ」を買ってきた。
という具合、である。
これからどこへ行く?というと、
ごっち!と龍晴はいう。
ごっちへはどのバス停から乗るの?とさらにたずねると、
駅前のバス停、というので、
それならいってみようか、と、サンプラザの前のバスターミナルまで行く。
暫く行っていない阿佐ヶ谷にでも行こうかと
阿佐ヶ谷行きのバスに乗る。
阿佐ヶ谷は龍晴も数ヶ月前にいちど行ったところだ。
ごっち、ごっち!とよろこぶ龍晴。
阿佐ヶ谷に着いたところで、
ここで合っている?ときくと、
合っている!という。
というわけで、「ごっち」は架空の町から阿佐ヶ谷に決定。
暫く街を歩いていると、
ふうせん、と龍晴はいう。
前回、阿佐ヶ谷に来たときに、ちょうどお祭りをやっていて
バルーンアートをしている場所を通った。
そのことを思い出して、このあたりでふうせん!と言っている。
(実際にそのあたりがバルーンアート売り場だった)
当然、今日はお祭りではないので、
バルーンアートは売っていない。
探してみようか?とさらにスターロード商店街を歩く。
途中、振り子時計があるカフェに龍晴が吸い寄せられたので
そこで休憩。
結局、1時間ほどお邪魔する。
またバスに乗って帰宅。
龍晴は「ごっち」にとても満足した様子。
よかったね、龍晴。
7/5(金)
おはよう、と今日も龍晴は明るく目が覚める。
明るく。元気に。すこやかに。
おはよう、龍晴。
私は龍晴をぎゅうっと抱きしめる。
ぎゅううう。
龍晴もそういいながら私にくっついてくる。
幸福な朝の時間。
朝のさんぽの途中で
雨がたくさん降ってきたので
あわててレインコートを着せる。
黄色くてフードがついていてかえるのパッチワークが胸元にある。
龍晴はレインコートを着るのが好きだ。
雨のなかを走りだす龍晴。
スーパーマーケットとおにぎり屋さんとコンビニエンスストアに寄って
帰宅する。
お昼寝後は美容室へ。
いつもの美容室へ、龍晴と一緒に行く、初の試み。
個室のキッズルームがあり、DVDも見られる、ということで行ってみる。
龍晴はいつもと違う格好の私を見て、
不安そうにしているが、
途中から慣れてきてアシスタントのお姉さんたちに遊んでもらったりしている。
結局、カットだけでも1時間半かかったが
なんとかなった。
よかった。これからは一緒に行けるね。
高円寺の商店街のいくつかの店に立ち寄る。
うまの乗り物に乗れるインテリアショップがあり、
しかしなにも買わないのにそんなに長い間、ぐるぐると店のなかを
うまにまたがってまわっているのも迷惑かと、
もう帰るよ!と頃合いを見て声をかけるが
とても気に入ったらしく、帰りたくない、とがんばる龍晴。
結局、最後はなんとか帰ることになったのだが
とても楽しかったらしく、泣いてしまった。
今度、また来たときにはたくさん乗ろうね、と約束する。
遅くなったのでタクシーで帰宅。
龍晴はタクシーがうれしくて
にこにこである。
いつもの晩ごはんの時間までにはなんとかいえに着く。
そういえば安藤美姫さんの件。
おめでとうございます、以外の種類の発言をするひとが多くてびっくりする。
責任とかなんとか、それって他人がくちを挟むこと?
安藤さんが、少なくともいまのところ、ひとりで産んで育てる、
さらにいまのところ、スケートを続ける、と決めたのだ。
だって彼女の仕事はスケートを滑ること、なのだ。
子どもを養っていくために、仕事を続けようと思うのは当たり前だろう。
もうずうっと気になっているのだけれども
どうしてこんなに、ひとのことをとやかくいろいろと糾弾することが
当たり前のよのなかになってしまったのかしら。
最近、読んだ本。
伊吹有喜「四十九日のレシピ」
三島有紀子「しあわせのパン」
佐藤多佳子「第二音楽室」
原田マハ「さいはての彼女」
よしもとばなな「ごはんのことばかり100話とちょっと」
加藤恭子「伴侶の死」
明日からの天気は毎日のように晴れ。
気温もぐんとあがり、連日35度くらい。
梅雨が明けるのだろうか。
7/6(土)
いよいよ夏の気配である。
昨日までと全然違う。
暑さも。空気の色も。肌を焼くような太陽の強さも。
りゅう、夏が来たよ?と話す。
龍晴と迎える3度目の夏。
せみ?もり?と龍晴は私の顔を覗き込む。
夏になると平和の森公園でせみがみんみんと鳴くんだよ、と
話していたから。
そうよ、とこたえると
うれしそうに笑う。
朝のさんぽは夫を見送りがてら
高田馬場に行く予定が
龍晴がいえを出たあとにまたストライダーに乗りたくなったらしく
ストライダーを取りに戻る。
かついで電車に乗るほどの体力はないので
夫とは途中でわかれ、
保育園のそばの公園の砂場で遊び、
スーパーマーケットなどに寄ってから帰宅する。
お昼寝は短め。
起きてからポーコアポーコさんへ。
今日も葉山のダイちゃんが来ていて
一緒に遊ぶ。
暫くしてから夫のオフィスへ。
今日は馬場へは行かなくていい、と
ダイちゃんと遊ぶことが楽しい龍晴は言ったのだが
夕方近くにやはり馬場へ行きたいというのは目に見えているので
連れていく。
やはり夫のオフィスで
テラスの植物に水をあげたり、掃除をしたりして
とても楽しんでいた。
夫も嬉しそうだし、連れて行ってよかった。
ところで龍晴と接していて
ああ言わなければよかったな、と思うことば、というのはいくつかある。
そのうちのひとつで、
私が日常的に言ってしまいがちなのは
「わかった?」ということば。
主にしてはいけないことをして、それを諭したり叱ったりするシーンで使用する。
「○○はすると危ないよ、わかった?」
「○○はやめてね、わかった?」
という具合。
私の声のトーン、というか、
お説教がとまらなくてつい説教を重ねてしまったときに
龍晴は「わかった!」とこたえるのだが、
その龍晴の「わかった!」というこたえかたが、
私が子どもの頃、母にしつこく糾弾されたときに
「(うるさいなあ、もう)わかった!」と言っているときtp
そっくりなのである。
龍晴も同じことを思っていそうな気がして仕方ない。
だいたいしつこい、って、嫌なものだものなあ。
いちど言えばわかるのに、
なんども言われるのって、私だって嫌だし嫌だった。
こうして書いておくのは
私の悪いところを忘れないようにするため。
7/7(日)
夏。
夏が来た。
もうほんっとうに、暑い。
梅雨が明けた瞬間に、暑さがまったく違う。
それにしても今年の気象庁は梅雨入りも梅雨明けも
きっぱりとしていた。
朝は四季の森公園のカフェへ
朝ごはんがてらさんぽ。
龍晴はこの公園の噴水がある池が大好きで
ふんすいに行きたい、とよく言っている。
じゃぶじゃぶ池のように衛生管理はされていないが
水深が浅く、子どもたちはよく水遊びをしている。
カフェでのんびり朝ごはんを食べたあと、
夫と龍晴と3人で噴水がある池へ。
父さんと母さんとりゅうと3人で池に入りたい、と前日から龍晴は言っていて、
だからサンダルを履いていってね、と繰り返し龍晴は言っていて、
ことばどおりに私たちの手を引っ張って
みんなで水のなかに入る。
日陰の水は冷たいけれども
日向はとてもあたたかい。
20分にいちどくらいの間隔で
水が噴き上げる。
たくさんの子どもたちが来ていて
龍晴もとても楽しそうだ。
素敵な休日の朝。
帰宅後、お昼寝。
午後は浅草の七夕祭りへ。
夫が新聞かなにかで見つけて、
いってみよう、と龍晴におひるごはんをあげているときに提案してくれた。
はじめてつくばエクスプレスというのに乗って浅草へ。
河童橋本通りがずうっと七夕かざりでうめられていて
とてもにぎやかできれい。
龍晴はふうせんや水ふうせんを買ってもらったり、
スーパーボールすくいのなかに手を入れてかきまぜたりと、
たくさん遊ぶ。
しかしもっとも龍晴が反応したのは
アコーディオンとコントラバスの演奏でうたう
昭和歌謡?のユニットであった。
(青い山脈などをうたうようなひとたち。若いひとのユニットだったけど)
夕方、いえに戻ると
ほどなく土砂降りの雨と雷。
雷の音がするねえ、龍晴。
かみなりさまが龍にこんにちは、って言っているね、といって
声真似!?をすると、
龍晴は笑う。
かあさんはかみなり好きだよ、
だってお空が音楽会をしているんだよ?と龍晴にいうと
龍晴はとうさんは?ときく。
とうさんも好きだよ、きっと、と、夫にたずねさせると
夫も、とうさんもかみなり、大好きやで、と言ってくれた。
(はじめは空気を読まずに「ふつうかな」なんて言っていたけど)
両親が「好き」という雷を
龍晴も「好き」と笑いながらいう。
わが家には「怖い」ものはまだない。
「危ない」ものはあるのだけれども。
でも本当は私は雷も火事も地震も虫も幽霊も
とても怖いのだけれども、
(なかでは雷はまだまし)
ただそれを龍晴が怖い、と思う必要はまだないと思うのだ。
少なくとも、それって怖いよね、と背中を押す必要は。
雷がおさまり急に空が明るくなった。
西日がきれいにさしてくる。
雨、やんだよ?と
ちょうど晩ごはんが終わった龍晴と
そとを見ようか、と窓をあけると
そこにはおおきな虹がかかっていた。
りゅう、虹!見て?
というと、
龍晴も、おっきい!あか、あお、みどり!
とじいっと虹を見る。
夫も一緒に
3人で眺める。
雨があがってやってきた、
龍晴のはじめての虹。
7月になった。
7月は好きな時季、というか月、のひとつだ。
3月、5月、7月、が、
昔から私は好きだ。
特に深い理由はない。
というより浅い理由もない。
(3月はたんじょうびがある月だから、ということが
うっすらとした理由かも知れないが)
だから7月はうれしい。
7月になった。
朝のさんぽは短めに
近くのコンビニエンスストアまで行く。
往復する道に、清掃車の戻り待ちをしている作業員の方がいつもふたり座っている。
子どもが好きな方々なのだろう、
龍晴が通るたびにおーいとか、バイバイとか言ってくれて、
もともとひとなつこい龍晴は
その方々がとても好きだ。
今日も道の途中で石や木の葉をひろっては
その方々にあげる、といって持って歩いている。
かわいらしい。
1時間ちょっと眠り、
スイム。
今日もとても張り切って泳ぐ。
くるくるとまわるのが楽しいらしく
おおきなこえで笑いながら
もっともっととひとりで回転している。
観覧席でお昼ごはんを食べ、
マルイへ。
時計コーナーを2度ほど時間をおいて見に行くと
2度目に行ったときに売り場の若い男性の方が
時計が好きなんですか?と話しかけてくださり、
龍晴にぜんまい時計の中身?などを見せたり触らせてくれたり、
掛け時計の音を鳴らしてくれたりする。
ありがたい。
龍晴もとてもうれしそうである。
今日は食器洗いのほかに
にんじん9本と葱6本を洗うことも龍晴にしてもらう。
さいしょはまるのにんじんと葱を洗ってもらい、
料理用に切ってから、余った部分(にんじんのあたまのところなど)を
龍晴にはい、と渡したら、
「おおきいよ~」「ちいさいよ~」などと言いながら
おたまですくったりざるに入れたりを繰り返していた。
なかなかよい勉強?になっている様子。
7/2(火)
朝のさんぽは城山公園へ。
友だちたちと待ち合わせ。
龍晴は今日は久しぶりにストライダーに乗って出かけたいという。
そういってもたいてい最初の5分くらいで乗り捨ててしまうのだが
今日は公園まで20分近く、ずうっとストライダーに乗って(というよりもまだ足がぴったりつかない高さなので、またいで歩いて)行った。
なかなかの体力である。
公園には近くのスポーツジムが経営する幼稚園の子どもたちが3学年ごっそりやってきていてものすごくにぎやかである。
友だちたちはまだ誰も来ていない。
龍晴はたいちゃーん!だいちゃーん!!しゅんくーん!!!
と呼びながら公園に入っていったので
誰も来ていないのがわかりちょっと拍子抜けの様子。
それでも幼稚園の子たちに混じって
滑り台を滑ったり、アスレチックをしたりする。
10時過ぎになり友だちたちが三々五々集まってくる。
暫く遊び、龍晴は不意におうち!と言って
いえに帰りたいとリクエストしたため
帰宅。
疲れたわけではなく、いま手に持っている外用の新幹線のおもちゃを
いえのなかにある踏切で走らせたい、だけなのだが。
お昼寝後はポーコアポーコさんへ。
今日は最初のうちだけユウちゃんがいたが、
すぐに帰ってしまったので
久しぶりに龍晴だけの貸し切り状態。
のんびりと遊べてとても楽しかったようで
そとに行こう!とまったく言わず、
そろそろ晩ごはんの準備だしいえに帰りたいなあ、と思いはじめたくらいにやっと
こうえん!と言いはじめた。
平和の森公園ですこし遊んでから帰宅する。
ところで今朝、公園で一緒になった幼稚園は、
龍晴が通っているスイミングスクールの入っているジムの経営する幼稚園である。
私はとても保育園が嫌いな子どもだったこともあり
保育園や幼稚園は2年保育でじゅうぶん!!と強く思っていたのだが
しかし私が住んでいるあたりは3年保育が圧倒的に多い。
私が2年でじゅうぶん!!と思っていても、
まわりが1年早く幼稚園なり保育園に進み、
できることが増えていくなかで、
ぽんとひとりだけ2年保育で園に入ったときに
戸惑いやつらい思いをするのではないかと危惧し、
やはり3年保育にしようと思い直している。
となると、あと2年弱でもう入園なのである。
さらにこのあたりはプレ保育といって、実際に入園する1年前からならし保育を名目に親子を囲い込むことが一般的である。
「プレに通わせないと、“落ちて”しまうことがある」って、
そんな大仰なこと、ああ面倒くさい・・・というのが本音。
だって3年なら3年、2年なら2年、で、そのときに入園すればいいじゃない。
なんで1年も前から、週に何度も園に行かなくてはならないのだ。
まわりの友だちたちで、保育園ではない親子たちも
そろそろ入園を考え、早いひとはもうプレのプレ、とやらに通いはじめているし、
幼稚園の情報交換、が最近の話題としてよくのぼる。
のんびりと構えているのは私くらいになってしまった。
たまたまわが家の近くに、
このあたりでは評判がいい(私にとって通わせてもいいな、という意味での評判ですが)幼稚園があり、しかもそこはプレに通わなくても100%入園できる。
ので、そこにしようかな、といまのところゆるやかに考えている。
一方で、その、通っているジムの経営する幼稚園にも
多少なりとも興味はあった。
しかし先日、同じスイムのクラスの、1年年長の子のお母さんが先日その幼稚園の説明会に行ってきた、と教えてくださったのだが。
その幼稚園の教育方針のひとつに「不介入」というのがあるのだそうだ。
おおきな怪我をするようなこと以外は、保育士は子どもたちに介入しない、
喧嘩をしても放っておく、多少擦り傷ができたって、
というようなことらしく、その方針自体は私も8割くらいはいいねいいね、と思うのだが、
残りの2割が違和感だ。
さすがスポーツジムが経営する園だけあって、
毎日スイミングや体操の時間があり、子どもたちは毎日へとへとになって帰ってくるらしい。
それもそれでいいのだが、
つまり運動ができて体力があって腕力があって、そういう子どもが礼讃されて、
たとえば一歩引くタイプの子、おとなしい子、運動は苦手だけどうたがうまい子、お絵かきが好きな子、あるいはなにもまだ得意ではない子、は、常に弱肉強食のたたかいに敗れ、フォローすらない、というのはどうなのだろうか。
そういうことを知るのは、まだ人生の先のほうでよいと私は思う。
そんなことを考えて、その幼稚園はやめよう、と決めた。
ああそれにしたってまだ2年あるのに
もう幼稚園幼稚園。
だなんて。
やれやれ、だなあ。
7/3(水)
朝のさんぽはもみじやま公園へ。
友だちに渡すものがあって待ち合わせる。
シュンくんももみじやま公園に来るよ?と言っておいたら
友だち好きの龍晴は
朝からシュンくんシュンくんと言っていて
しかし実際にシュンくんは、渡し物が終わったら
すぐに近くのスポーツジムの体操教室に行かねばならなかったので
バイバイね、ということになり
龍晴は淋しそうな拍子抜けをしたような顔をしていた。
それでもすこしのあいだだけ、
一緒に遊べてよかった。
SLを眺めたり、砂場や滑り台で遊んだりし
パン屋さんなどに寄ってから帰宅する。
お昼寝後は龍晴と料理。
龍晴には今日は蕪としめじをたくさん洗ってもらう。
15時前にそとに出る。
久しぶりにコンビカーに乗りたい、という。
めずらしい。
ある日、突然乗らなくなって
それ以来殆ど見向きもしなかったのだが。
乗りながら軌道をたしかめたり
早い!早い!!と笑いながら走ったりしていて
かわいらしい。
好きなところにいっていいよ?というと
ほんとうに好きにくるまを走らせ
私もほとんど通ったことがないようなところまで
ふたりで走る。
南口の花屋さんで
七夕の笹を買ってから帰宅。
折り紙で七夕飾りをつくり
龍晴と飾りつける。
7/4(木)
もくようびになると
一週間の折り返しを過ぎた、という感じがしてうれしい。
朝。
目が覚めて、今日はもくようびだ、と思う。
もうすぐ週末だ。うれしい。
朝のさんぽはスーパーマーケットから駅前のサンモール商店街を通ってブロードウエイまで。
龍晴は途中まで歩いていたものの
忘れものをしたらしく、おうち!というので戻ってみると、
ストライダーに乗っていく、という。
最近、ふたたびストライダーブームだ。
ブロードウエイからそとに出ると
ひとあめ降ったような濡れ具合。
ちょうど酷いときに店内にいたのだろう。
よかった。
お昼寝後、どこに行きたい?と龍晴に相談すると、
ごっち行きたい、という。
ごっち、というのは、
最近、龍晴がつくった街の名前だ。
龍晴はここのところものがたりをつくるのが好きだ。
ごっち、は。
「きいろ」の「バス」、しかも「2階建てバス」で「1時間」ほど行ったところにある街で、
「父さん」と一緒に行ったことがある場所。
そこには「すいか」や「パイン」や「トマト」が買えるスーパーマーケットがあって、
この前は「うちわ」を買ってきた。
という具合、である。
これからどこへ行く?というと、
ごっち!と龍晴はいう。
ごっちへはどのバス停から乗るの?とさらにたずねると、
駅前のバス停、というので、
それならいってみようか、と、サンプラザの前のバスターミナルまで行く。
暫く行っていない阿佐ヶ谷にでも行こうかと
阿佐ヶ谷行きのバスに乗る。
阿佐ヶ谷は龍晴も数ヶ月前にいちど行ったところだ。
ごっち、ごっち!とよろこぶ龍晴。
阿佐ヶ谷に着いたところで、
ここで合っている?ときくと、
合っている!という。
というわけで、「ごっち」は架空の町から阿佐ヶ谷に決定。
暫く街を歩いていると、
ふうせん、と龍晴はいう。
前回、阿佐ヶ谷に来たときに、ちょうどお祭りをやっていて
バルーンアートをしている場所を通った。
そのことを思い出して、このあたりでふうせん!と言っている。
(実際にそのあたりがバルーンアート売り場だった)
当然、今日はお祭りではないので、
バルーンアートは売っていない。
探してみようか?とさらにスターロード商店街を歩く。
途中、振り子時計があるカフェに龍晴が吸い寄せられたので
そこで休憩。
結局、1時間ほどお邪魔する。
またバスに乗って帰宅。
龍晴は「ごっち」にとても満足した様子。
よかったね、龍晴。
7/5(金)
おはよう、と今日も龍晴は明るく目が覚める。
明るく。元気に。すこやかに。
おはよう、龍晴。
私は龍晴をぎゅうっと抱きしめる。
ぎゅううう。
龍晴もそういいながら私にくっついてくる。
幸福な朝の時間。
朝のさんぽの途中で
雨がたくさん降ってきたので
あわててレインコートを着せる。
黄色くてフードがついていてかえるのパッチワークが胸元にある。
龍晴はレインコートを着るのが好きだ。
雨のなかを走りだす龍晴。
スーパーマーケットとおにぎり屋さんとコンビニエンスストアに寄って
帰宅する。
お昼寝後は美容室へ。
いつもの美容室へ、龍晴と一緒に行く、初の試み。
個室のキッズルームがあり、DVDも見られる、ということで行ってみる。
龍晴はいつもと違う格好の私を見て、
不安そうにしているが、
途中から慣れてきてアシスタントのお姉さんたちに遊んでもらったりしている。
結局、カットだけでも1時間半かかったが
なんとかなった。
よかった。これからは一緒に行けるね。
高円寺の商店街のいくつかの店に立ち寄る。
うまの乗り物に乗れるインテリアショップがあり、
しかしなにも買わないのにそんなに長い間、ぐるぐると店のなかを
うまにまたがってまわっているのも迷惑かと、
もう帰るよ!と頃合いを見て声をかけるが
とても気に入ったらしく、帰りたくない、とがんばる龍晴。
結局、最後はなんとか帰ることになったのだが
とても楽しかったらしく、泣いてしまった。
今度、また来たときにはたくさん乗ろうね、と約束する。
遅くなったのでタクシーで帰宅。
龍晴はタクシーがうれしくて
にこにこである。
いつもの晩ごはんの時間までにはなんとかいえに着く。
そういえば安藤美姫さんの件。
おめでとうございます、以外の種類の発言をするひとが多くてびっくりする。
責任とかなんとか、それって他人がくちを挟むこと?
安藤さんが、少なくともいまのところ、ひとりで産んで育てる、
さらにいまのところ、スケートを続ける、と決めたのだ。
だって彼女の仕事はスケートを滑ること、なのだ。
子どもを養っていくために、仕事を続けようと思うのは当たり前だろう。
もうずうっと気になっているのだけれども
どうしてこんなに、ひとのことをとやかくいろいろと糾弾することが
当たり前のよのなかになってしまったのかしら。
最近、読んだ本。
伊吹有喜「四十九日のレシピ」
三島有紀子「しあわせのパン」
佐藤多佳子「第二音楽室」
原田マハ「さいはての彼女」
よしもとばなな「ごはんのことばかり100話とちょっと」
加藤恭子「伴侶の死」
明日からの天気は毎日のように晴れ。
気温もぐんとあがり、連日35度くらい。
梅雨が明けるのだろうか。
7/6(土)
いよいよ夏の気配である。
昨日までと全然違う。
暑さも。空気の色も。肌を焼くような太陽の強さも。
りゅう、夏が来たよ?と話す。
龍晴と迎える3度目の夏。
せみ?もり?と龍晴は私の顔を覗き込む。
夏になると平和の森公園でせみがみんみんと鳴くんだよ、と
話していたから。
そうよ、とこたえると
うれしそうに笑う。
朝のさんぽは夫を見送りがてら
高田馬場に行く予定が
龍晴がいえを出たあとにまたストライダーに乗りたくなったらしく
ストライダーを取りに戻る。
かついで電車に乗るほどの体力はないので
夫とは途中でわかれ、
保育園のそばの公園の砂場で遊び、
スーパーマーケットなどに寄ってから帰宅する。
お昼寝は短め。
起きてからポーコアポーコさんへ。
今日も葉山のダイちゃんが来ていて
一緒に遊ぶ。
暫くしてから夫のオフィスへ。
今日は馬場へは行かなくていい、と
ダイちゃんと遊ぶことが楽しい龍晴は言ったのだが
夕方近くにやはり馬場へ行きたいというのは目に見えているので
連れていく。
やはり夫のオフィスで
テラスの植物に水をあげたり、掃除をしたりして
とても楽しんでいた。
夫も嬉しそうだし、連れて行ってよかった。
ところで龍晴と接していて
ああ言わなければよかったな、と思うことば、というのはいくつかある。
そのうちのひとつで、
私が日常的に言ってしまいがちなのは
「わかった?」ということば。
主にしてはいけないことをして、それを諭したり叱ったりするシーンで使用する。
「○○はすると危ないよ、わかった?」
「○○はやめてね、わかった?」
という具合。
私の声のトーン、というか、
お説教がとまらなくてつい説教を重ねてしまったときに
龍晴は「わかった!」とこたえるのだが、
その龍晴の「わかった!」というこたえかたが、
私が子どもの頃、母にしつこく糾弾されたときに
「(うるさいなあ、もう)わかった!」と言っているときtp
そっくりなのである。
龍晴も同じことを思っていそうな気がして仕方ない。
だいたいしつこい、って、嫌なものだものなあ。
いちど言えばわかるのに、
なんども言われるのって、私だって嫌だし嫌だった。
こうして書いておくのは
私の悪いところを忘れないようにするため。
7/7(日)
夏。
夏が来た。
もうほんっとうに、暑い。
梅雨が明けた瞬間に、暑さがまったく違う。
それにしても今年の気象庁は梅雨入りも梅雨明けも
きっぱりとしていた。
朝は四季の森公園のカフェへ
朝ごはんがてらさんぽ。
龍晴はこの公園の噴水がある池が大好きで
ふんすいに行きたい、とよく言っている。
じゃぶじゃぶ池のように衛生管理はされていないが
水深が浅く、子どもたちはよく水遊びをしている。
カフェでのんびり朝ごはんを食べたあと、
夫と龍晴と3人で噴水がある池へ。
父さんと母さんとりゅうと3人で池に入りたい、と前日から龍晴は言っていて、
だからサンダルを履いていってね、と繰り返し龍晴は言っていて、
ことばどおりに私たちの手を引っ張って
みんなで水のなかに入る。
日陰の水は冷たいけれども
日向はとてもあたたかい。
20分にいちどくらいの間隔で
水が噴き上げる。
たくさんの子どもたちが来ていて
龍晴もとても楽しそうだ。
素敵な休日の朝。
帰宅後、お昼寝。
午後は浅草の七夕祭りへ。
夫が新聞かなにかで見つけて、
いってみよう、と龍晴におひるごはんをあげているときに提案してくれた。
はじめてつくばエクスプレスというのに乗って浅草へ。
河童橋本通りがずうっと七夕かざりでうめられていて
とてもにぎやかできれい。
龍晴はふうせんや水ふうせんを買ってもらったり、
スーパーボールすくいのなかに手を入れてかきまぜたりと、
たくさん遊ぶ。
しかしもっとも龍晴が反応したのは
アコーディオンとコントラバスの演奏でうたう
昭和歌謡?のユニットであった。
(青い山脈などをうたうようなひとたち。若いひとのユニットだったけど)
夕方、いえに戻ると
ほどなく土砂降りの雨と雷。
雷の音がするねえ、龍晴。
かみなりさまが龍にこんにちは、って言っているね、といって
声真似!?をすると、
龍晴は笑う。
かあさんはかみなり好きだよ、
だってお空が音楽会をしているんだよ?と龍晴にいうと
龍晴はとうさんは?ときく。
とうさんも好きだよ、きっと、と、夫にたずねさせると
夫も、とうさんもかみなり、大好きやで、と言ってくれた。
(はじめは空気を読まずに「ふつうかな」なんて言っていたけど)
両親が「好き」という雷を
龍晴も「好き」と笑いながらいう。
わが家には「怖い」ものはまだない。
「危ない」ものはあるのだけれども。
でも本当は私は雷も火事も地震も虫も幽霊も
とても怖いのだけれども、
(なかでは雷はまだまし)
ただそれを龍晴が怖い、と思う必要はまだないと思うのだ。
少なくとも、それって怖いよね、と背中を押す必要は。
雷がおさまり急に空が明るくなった。
西日がきれいにさしてくる。
雨、やんだよ?と
ちょうど晩ごはんが終わった龍晴と
そとを見ようか、と窓をあけると
そこにはおおきな虹がかかっていた。
りゅう、虹!見て?
というと、
龍晴も、おっきい!あか、あお、みどり!
とじいっと虹を見る。
夫も一緒に
3人で眺める。
雨があがってやってきた、
龍晴のはじめての虹。