3/18(月)
桜が開花したようだが
中野の桜はまだ殆ど咲いていない。
今度の週末にでもお花見をしようかと夫と話す。

午前中のさんぽは
スイムがあるので控えめに。
駅方面へ行く。
それでも1時間ほど遊んでから帰宅。

早めのお昼寝は1時間ちょっと。
すっきりと目覚め、
ちょうど出かける5分前だったので、
そのままスイムへ。

今日の龍晴もおおいに張り切り、
水平に浮かんだりができるようになった。

帰宅後、新宿の高島屋へ。
またまた龍晴の靴が破れたので
新しいものを買う。

明日は私のたんじょうびなのだが
そのプレゼントの下見も済ませる。


3/19(火)
たんじょうび。
39歳になった。

39歳!
なんてあっという間のことだろう。

これから先はきっともっとあっという間なんだろうね、
と夫と話す。

夫と私が出会ったのは
夫が27歳、私が30歳のころだった。
もっとずうっと前のような気がする、と夫はいい
それでももう10年近く経つんだね、と私がいう。

とにかく時間は過ぎている。

そうしてもうひとつ、
私のなかでのエポックメイキング的なイベントである、
「東京に出てきてから」、
20年経ったことになる。

20年!
産まれた子どもが成人するくらいの時間の長さだ。

もう20年経ったんだな。

朝、田舎の両親からたんじょうびのお祝いの花が届く。
かわいらしい数鉢の花。
早速、龍晴とベランダに飾る。

午前中のさんぽは
マルイの横の公園へ。
保育園の子たちがきていて、
一緒に遊ぶ。

池にいるめだかやおたまじゃくしを見たり、
蟻を観察したり。

夫から昼前にメール。
ケーキを買って早めに帰る、という内容。
週末か明日の祝日か、
どちらかにお祝いする?と先週聞かれ、
ケーキだけでも当日がいいな、それ以外は別の日でいいけど、
と話していたのだ。

忙しくてケーキを買えないでいそうだったので
その時点では既に自分でケーキを買ってきていたのだが
夫の気持ちをたいせつにしたかったので
買っておいたケーキは冷蔵庫の奥底にしまいこみ
なかったことにする。

午後は堤助産院の開放日にあたったので
会場である近所の神社の会館へ行く。
友だち数組と会い、先生との楽しい時間を過ごす。

神社の公園でしばらく遊び、
ホームセンターに寄って時計を眺め、
SLのある公園でもまた遊んでから帰宅。

よく遊んだ。

夜、夫がケーキを買ってきてくれた。
私の好きないちごのケーキ。

ろうそくをたててお祝いをする。
ハッピーバースディのうたを
今年も夫がうたってくれる。

夫がうたってくれる、
9回目?10回目?のハッピーバースディのうた。

ありがとう。
今年もお祝いをしてもらえて
とてもうれしかった。
とても。


3/20(水)
週半ばの祝日は珍しいように思う。
今日は夫も休み。
いつもなら仕事に行くところだが、
昨日は私のたんじょうびだったこともあり
今日はお休みにすることにしたらしい。
うれしい。

午前中は龍晴と夫とふたりでさんぽ。
私は遅れて合流する。
待ち合わせしているいつもの本屋さんに行くと
龍晴は目に涙がたまり、泣きはらした顔をしている。

龍、泣いた?と夫にきくと、
駅のエスカレータにどうしてもひとりで乗るといって聞かず、
ひとりではあかんととめたら号泣をした、と夫。

龍晴はそんなふうに我をとおすほうではないので
恐らくその前に何度か、
やりたいことを聞いてもらえたなかったり、
気づいてもらえなかった、という伏線があったのだろうと思う。

本屋さんですこし本を読み、
おおきな時計を見ながら休憩をし、
猫の目の時計を見てから帰宅する。

お昼寝後は洋食屋さんで
夫と私はチキンソテーとオムライスをそれぞれ食べ、
新宿の高島屋であらかじめ下見をしておいたたんじょうびプレゼントを買ってもらう。
ありがとう。

時間があったので
新宿御苑へ。
ちょうど帰るひとが多い時間帯で
新宿門は混雑をしていたが
ひろい園内はさほどの混みぶりではない。
それでもいつもの平日に比べたら相当に混んではいたけれども。

雑木林のなかをそぞろ歩く龍晴は
とても楽しそうにしている。
池を見つけては石を投げ
坂道を走り出して数回転ぶ。
顔の擦り傷が痛々しい。

桜はまだ5分咲きくらいだろうか。

夫と龍晴とのお花見は
今週の土曜日にすることにする。

たんじょうびを祝うメールなどが
何通か、昨日から届く。
うれしく思う。


3/21(木)
寒くなると聞いていたが、強く吹いていた風も弱まり
あたたかい天気。
桜の開花も進むだろうか。

東京のニュースになる開花状況に比べて
中野はすこしだけ遅れている気がする。
中野通りの桜もまだ6分咲きくらいだろうか。

りゅう、桜が咲いているよ?とあちこちでいっているせいか
桜の花を見つけると教えてくれるようになった。

りゅう、きれいだね。
あれが桜。
桜の花はこの時期しか咲かないなんだよ。

そんなことを話しながら歩く。

りゅう、明日はお花見にいこうね?
哲学堂公園にしようか?というと
龍晴は、石を投げた公園だね!という。

龍晴は哲学堂公園の池に石を投げ入れるのが大好きなのである。

昨年も龍晴を連れてふたり、
哲学堂公園でお花見をした。
おおきな桜の木の下で
お弁当を食べた。

あの頃、龍晴は、あまりものを食べなくて
いま思えばそんなに頑張って食べさせなくてもよかったのに
「離乳食のすすめかた」のどこにも書いてあることに踊らされて
私は毎日、ずいぶんと焦っていた。
第一臼歯も生えていないのに
母乳っ子なのに
そんなに食べられるはずはなかったのだ。
それもぜんぶ、いま思えば、ということで
あの頃にいまの知識があったなら
龍晴も私もずいぶんと違っただろう。

そとのほうが食欲があるから、と
あちこちにお弁当を持って出かけていた。
公園や駅やどこやらへ。

桜の花を見ながら
だからきっと去年の私は
春のうつくしい花を堪能するよりも
龍晴にごはんを食べさせることに必死だったろう。

今年の桜は
去年よりもじっくりと味わうことができるだろう。

午前中のさんぽは、駅のほうまで行き、
途中、専門学校のベンチで休憩をはさみ
(最近の龍晴は休憩時間が好きだ)
それからまた駅へ行き、
救急車と消防車がとまっているのを眺めてから帰宅する。

ねこがいつもいるいえの脇道で
ねこが死んでいた。
目に病気があるこねこ。
龍晴もよく見ていたこねこ。

りゅう、あのねこちゃんが死んでいるよ?というと
死んでいる、ということがわかったのかわからないのか
本当だ、よこになっているね、とりゅうはいい、
舌も出しているよ?とまねをしてみせ、
真剣な顔をしている。

いつも動いているねこが
動かずにじいっとしていることを
不審に、どこかかなしく思っていることは伝わってくる。

お昼寝後はポーコアポーコさんへ。
途中から、ダイちゃんとカンちゃん兄弟が両親とともにやってくる。
(私のまわりにはダイちゃんという呼び名の子が多いなあ)
暫く一緒に遊び、
平和の森公園へ。

沢のまわりを走りまわる小学生に触発され
いつも以上に走ったり、山のようなところを登ったりする。
プレイジムで遊んでから帰宅する。

明日は龍晴とお花見。


3/22(金)
いよいよ桜が満開になった。
明日は夫と龍晴とお花見に行く。

ふだんどようびを仕事にしている夫だが
明日は休むというので
私も歯医者の予定を延期にし、
お花見に備える。

午前中は健康診断。
授乳をしているので胸部レントゲンと胃の検査はやめにしたこともあり
30分ほどで終わってしまう。

仕事を遅出にして龍晴と遊んでいてくれた夫は
龍晴と四季の森公園のあとに杉並区の公園で遊んでいたので
そこまで急いで行く。

夫とはそこでわかれ、
龍晴も違うところに行きたいというので
もうひとつ杉並区の公園へ。

昼寝のあとは、明日のお花見の下見を兼ねて
中野通りの桜を見て歩き、
新井薬師の公園で遊んでから
哲学堂公園へ。

どこの桜もこれでもかというように
青空を背景にすこやかに咲いている。
すこやかに。うつくしく。

龍晴。
さくらがきれいだね?見て?
というと龍晴は
さくらを眺め、そのしたにすこし舞い落ちている花びらを眺め
あそこから落ちてきたんだね?とたしかめる。
そうだよ、あそこから。
そのたびに私はこたえる。

哲学堂公園はここのところ龍晴がもっとも気に入っている公園。
池に石をがんがんに投げ入れ
遊ぶ。
あまりにも楽しそうにしているので
見ている私も笑ってしまうくらいに。

バスに乗って帰宅する。


3/23(土)
久しぶりに、ほんとうに久しぶりに
龍晴が風邪をひいた。

といっても鼻水がだらだらと出ているだけで
熱はないのだが。

龍晴はからだが丈夫だ。
38度以上の高い熱が出たのは産まれてから3度しかなく
そのうちの一度は突発性発疹だし、
残りの二度は38度ちょっとが1時間ほど出て
すぐに下がってしまった。

鼻水が出るような風邪も数えるほどしか引かないし
咳にいたってはまだ出たことがないのではないかと思う。

今回の風邪はおそらく
木曜日に一緒にいたダイちゃんとカンちゃん兄弟からもらったものだと思う。
ダイちゃんは前日まで38度の熱が出ていたといっていたし
カンちゃんもものすごく咳き込んでいたから。

ひどくならなければいいなと思う。
龍晴が苦しまなければいいなと。

今日はお花見の予定にしていたのだけれども
ひきはじめは大事にしたほうが良いので
長い時間のお花見はやめにし、
夫を見送りがてらバスで小滝橋まで行き
そこの桜を見ることにする。

思えば小滝橋の桜を
満開のときには見たことがない。
いつも終わりかけか咲きはじめ。

今日はまさに満開の桜が
しなだれるように神田川にかかり
それはそれは見事だった。

たくさん見に来ているひとや
足をとめているひとがいて
そのひとたちに混じって私たちも桜を眺める。

美しい桜。
桜の花々。

夫はそこから歩いて会社に行くといい
私と龍晴はまたバスに乗っていえに戻る。

お昼寝後ものんびりと過ごす。

すこしだけそとに出ることにし、
どうしてもコンビカーに乗りたいというので
ほんの少しだけくるまに乗り
あとはバスで新井薬師の駅まで行き
踏切を眺める。
それから西武線で高田馬場へ。
ちょうど夫が一時帰宅をしようという時間だったので
駅で待ち合わせて、東西線で帰宅する。

夫はフットサルへ。

龍晴、夕方になって7度台の微熱が出る。

早くよくなりますように。


3/24(日)
いちにち天気がよくないと聞いていたのだが
そうでもない。
時折晴れ間ものぞく。

龍晴は熱が高くなることもなく
ただだらだらと鼻水は出続けている。
昨日より鼻水の量は変わらない。

朝のさんぽは大事をとって
ホームセンターへ。
抱っこしていこうね、というとすんなりと抱っこされたので
そのまま行く。
1時間弱遊んだり買物をしたりしてから帰宅。

午後はお鮨を食べ、
龍晴はブロードウエイのおもちゃ屋さんで
消防車を買う。
数日前から、音の出る消防車を買おうね、と約束をしていたのもの。
うれしそうに消防車を抱え
いますぐにも走らせたいぜ!というような顔。
いえに着くと早速ずうっと消防車を走らせたりいじったりして遊び
その音の出るボタン、押していい?ときくと
誇らしそうに、いいよ、という。

風邪、早く治りますように。


最近読んだ本。
中島京子「冠・婚・葬・祭」
中島京子「桐畑家の縁談」
中島京子「ハブテトル ハブテトラン」
中島京子「FUTON」
中島京子「宇宙エンジン」
瀬尾まいこ「戸村飯店青春100連発」
西加奈子「しずく」
西加奈子「通天閣」
森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」

森見さんの本は、美しい恋愛小説である。
小学生4年生の「ぼく」が恋する、人間ではない「歯科医院のお姉さん」とのものがたり。

このものがたりは、
こんな一節で結ばれている。

 ぼくらは今度こそ電車に乗って海辺の街へ行くだろう。
 電車の中で、ぼくはお姉さんにいろいろなことを教えてあげるつもりである。ぼくはどのようにしてペンギン・ハイウェイを走ったか。ぼくがこれからの人生で冒険する場所や、ぼくが出会うひとたちのこと、ぼくがこの目で見るすべてのこと、ぼくが自分で考えるすべてのこと。つまりぼくがふたたびお姉さんに会うまでに、どれぐらい大人になったかということ。
 そして、ぼくがどれだけお姉さんを大好きだったかということ。
 どれだけ、もう一度会いたかったかということ。


そう、この小説は。
とても美しい、恋のものがたりなのだ。

ちなみに私は森見さんの小説の登場人物が
いつでもけっこう好きなのだが、
今回もとても素敵なひとがたくさん出てくる。
「ぼく」のお父さんもなかなか魅力的なひとで
「ぼく」に含蓄ある多くのことを教えてくれる。

たとえばある問題を解決するために必要なことは
「毎日の発見を記録しておくこと。そして、その発見を復習して整理すること」だと教えてくれたりする。
ちなみに教える、に関しては「ぼく」の祖母も
□よく使うものと、ときどき使うものを分けること。
□ぜったいになくしてはいけないものと、なくしてもかまわないものを分けること。
□分けにくいものは決して分けないこと。

などと教えてくれたりする。なるほど。

恋愛小説としてだけでなく、
なかなか含蓄のある本である。