1/17(月)
今週は特に予定がない1週間。
少しだけしている仕事と、来週以降にあるいろいろなことの予約とか調整とか、それくらい。
来週はいろいろと予定がある。
午前中、ヨガ30分。
この背中の痛みがとれてくれたらいいのに!と願いながらヨガをするが
そんなことはちっともない。
しないよりはいくぶんかはましかも知れないけれど。
ヨガをしていてわかったのは、「あたまのなかを空っぽに」とか「○○(なんとか筋とかなんとかの場所とか)に意識を集中させて」というのが私はとても苦手だということ。
始終なにかしら考えているし連想してしまうし、そのせいかからだのどこかに意識を集中して、といわれても、そのことがよくわからない。
こういうことが上手にできるひとってどんなひとなんだろう。それとも多くのひとはできるものなのだろうか。
仕方ないのであたまを空っぽにしたつもり、とか、意識を集中したつもり、になって、ヨガをしている。
そういえば数年前、友だちがインドのブッダガヤに修行に出かけた。
確か10日だか14日だか連続の座禅と断食、のような修行だったと思う。
最初の1週間、どうしても「あたまのなかを空っぽ」にできなかったそうだ。
彼女も私と同じでとても食いしん坊なので、ああおなかが空いたなあとか、どこどこのなになにを食べたいなあとか、あるいは足が痛いとか腰が痛いとか、そういうことを考えるともなく考えてしまうのだそうだ。
それでも8日目くらいに、突然、「なにもあたまのなかに入らない」感覚、というのを味わうことができ、それから後はその修行期間中、ずうっとその境地に達することができたらしい。
つまり無我の境地、というのは、そういうレベルのことなのだろう。
私にはなれそうもない。
夜、サッカー観戦。
日本×サウジアラビア。
とても大味な、というか、サウジが3点を先制された時点で戦意を完全に喪失してしまったことがありありとわかるゲームで、さすがにここまでになると見ていてもつまらない。
つまらなくて見ながら眠ってしまった。
夫も途中からお風呂に入ったりしていた。
サッカーの途中にお風呂に入るなんて、いつもの夫では考えられない。
まあそれくらいつまらなかった、ということだ。選手のみなさんには悪いけれども。
夫は1日一度は必ず胎動を確かめたいらしい。
おなかに触って、動いた!とか、いまぴくんていった!とかいっている。
メロンパンナが元気にこたえている。
先日も妊婦友だちと話していたのだが、
おなかに子どもがいる感覚、というのを味わえないなんて!男性という種族ってかわいそうかも!と思う。
なんていうか・・・この感覚はとてもおもしろい。
ひとによってはとてもいとしい、だろうし、その感じ方の差もひとそれぞれなんだろうけれど、
私の場合は「おもしろい」だ。
とにかくこれまでに一度も、味わったことがない感覚なのだ。
これまでに類似した感覚がない、という意味でも、特異な経験だと思う。
1/18(火)
午前中、ヨガ30分。
背中があまりに痛く、夫にマッサージしてもらう。
出勤前だったので、帰宅してからでいいよといったのに、
ええよええよとその場でマッサージしてくれた。ありがとう。
昼。
突然思いたって、ラルテミスに行ってみた。
ラルテミス・・・以前はラルテミス・ペティアントという名前で、大好きだったレストラン。
シェフの中田さんのつくる料理を私は大好きだった。
それこそしょっちゅう通った時期もあるし、あまり行けなくなってからも気が向いたらランチにもディナーにもお邪魔した。
そのたびに中田さんはにこにことおいしい料理をつくってくれた。そんな店。
つわりが終わったら必ず行く店、の上位3位以内にはもちろんこのラルテミスを入れていた。
以前は本当にしばしばお邪魔していたのだけれども、
フレンチレストランからビストロになってからは、ランチにしか行っていない。
私はフレンチレストランの頃が好きだったから。
なにも変わらないけどね、と中田さんはいっていたけれども。
最後に行ったのは1年ほど前だ。
1年もあいだが空いてしまっていたということに驚きつつ、いい天気だし、気持ちも盛りあがってきたし、とにかく行くのだ、食べるのだ!と思い、出かけた。
さてラルテミス。
せっかくだからコースを食べよう!と、ランチ、ではなくコースをお願いする。
ランチのコースは前菜とメインが3種類のなかから、デザートは5種類のなかから選べる。
前菜はスペシャリテのサーモンの瞬間燻製を、メインは豚のローストにした。
久しぶりの中田さんの料理、楽しみだ。
しかし前菜のまえの、アミューズが出てきたときに、?と思った。
というのは、アミューズがサーモンのリエットだったからだ。
これでは前菜とかぶってしまう。
・・・あれ、中田さん、こんなことしたっけな?そのときすこーし、嫌な予感がした。
そういえば中田さんが厨房から出てこない。
私が中田さんを好きな理由のひとつが、必ずお客さまを見に顔を出すことだった。
顔を出す、といってもご挨拶ではなく、奥にあるキッチンからちらりとさりげなくホールを覗かれる。
おそらくどんなひとが、誰と、どんな気分で、今日の料理を食べにきているのだろう?ということを見るためだと思う。
予約をしていかないときも、そのときに中田さんと目が合うと、中田さんは気づかれて、にこにことそばにきて、今日はなに食べたい?ああそれは今日のおすすめ!とか、体調が悪いと知ってくださっているときなどは、なんでもつくれるから言ってね、とおっしゃてくださった。
そんな中田さんが、前菜とまるかぶりするアミューズをどっさりと、出すだろうか?などと考えながら、リエットをいただく。
前菜のサーモンを考えると、ぜんぶ食べないほうがよさそうだ、と思いながら。
さてやってきた前菜、中田さんのスペシャリテ。
ぱっと見た瞬間に、これは中田さんの作じゃない、とわかった。
そうしてひとくちいただいて、確信に変わった。
中田さんがつくった料理じゃない。
今日は休み?それともビストロになってから、ランチには入るのを辞めてしまったとか?
でも中田さんはそういうひとじゃないはずだ。
シェフである以上、お店が開いているときは絶対に、お店にいるはずだ。
と、いうことは・・・?
メインを食べて、デザートを食べて、最後の会計のときに、中田さんが年末に辞められたことを知った。
独立することになり、いまは開店準備をされているそうだ。
ラルテミスの名誉のためにいうけど、決して、今日いただいた料理がおいしくないわけではない。
いやもちろんおいしかったし、ラルテミスの味としては遜色ないと思う。
新しいシェフのかたは、これからきっと、ご自身の色をどんどん出していくだろう。
そうでなくてはおもしろくない。
ただ。決定的なのは。
私にとって、中田さんの料理、ではなかった、ということ。
私は単純に中田さんの料理を食べにラルテミスに通っていたから、それに気付いただけ。
そうしてどれだけ自分が中田さんの料理を好きだったか、いつでも行けば中田さんの料理が食べられるということに支えられていたか、甘えていたかを知ることになった。
ああこんなことになるなら、12月に行けばよかった(つわり絶好調で無理だったけど)。
ああせめて住所を2個前の住所から更新しておけばよかった(行けばいると思っていたから新しい住所を伝えていない)。
中田さん、よかったね!おめでとうございます!!!
中田さんのお店に、私は絶対に行きますから!
めちゃくちゃ探して、絶対に絶対に、行きますから!待っててね!
夜、ナムル(ほうれん草と人参ともやし)、韓国風の大根のなますをつくる。
おいしい出来。
夫は夜遅くに帰宅。
とても疲れていてかわいそうになる。
メロンパンナが元気な時間に帰ってこられなかった夫。
それでもおなかを触って、少し動いた!といっていた。
1/19(水)
午前中、ヨガ30分。
散歩がてら、久しぶりに・・・たぶん4カ月ぶりくらいに、高円寺の「ネルケン」へ行く。
注文を聞きに来てくれたマダムが「おめでとうかしら?」とおっしゃるので、
どうして座っているのにおなかが大きいことがわかったのだろう?といぶかり顔でいると、
「明けましておめでとうございます」とにこやかにおっしゃった。
ああ、明けまして、のほうか。なるほど。
おめでとうございます、今年もよろしくお願いします、と私もお返ししながら、実は赤ちゃんができて、体調が悪くてずうっと来られなかったこと、ようやく復活してきたのでこれからしばらくの間はたまにお邪魔できるということ、をお伝えすると、
まあまあそれはそれは!よかったわねえ、本当におめでとうございます、とぱあっとほほ笑んで、すごくうれしそうにそう言ってくださった。
ホットレモネードを飲みながらしばし読書。
1時間ほどのんびりとし、帰るときに、おからだたいせつになさってね、と送り出された。ありがとうございます。
最近しばしば年配の方に・・・たとえば今日みたいなよく行く喫茶店のご主人とか、あるいはマッサージの診療所で隣になったひととか・・・に、妊娠していることがわかったりすると、たいていみなさん「まあまあおめでたなのね、それはそれは!」ととてもにこにことされ、そうして決まって「からだをたいせつにね」とおっしゃる。
今日行ったマッサージでも(背中の張りがひどいので近所の診療所に日参している)、施術してくださった方(年配の男性)からも「からだたいせつにしてね」と帰り際に言われたし、隣の診療台でマッサージをされていた年配の女性も私のおなかを見ると「おめでたなのね!私の風邪がうつったら大変!大事にしてね」とおっしゃった。
見ず知らずのひとにあたたかい気持ちの輪を広げられるって、おなかの中にいるときから子どもっていうのはすごいものなのだなあ。
電車のなかで席を譲られることが多くなったので(マタニティマークをバッグにつけているせいだけど)、混んでいるとわかっている時間帯や車両には乗らないようにしている。
多くのひとがが疲れていて座っていきたい電車のなかで、妊婦だからといって特権階級のようにふるまいたくはない。
私も以前、そとで働いていたころ、本当にくたくたでやっと電車の席に座れて、目の前に買物あるいは食事あるいは観劇帰りらしき年配の方々きゃあきゃあ言っていたりするシチュエイションだと、やっぱり席を譲れなったりしたこともあるから。
それでも時折、いたしかたなくそういう電車に乗ると、たいてい誰かしらが・・・特に20代~30代の若い女性や男性の場合はほとんどが・・・席を譲ってくださり、そういう場合はありがたくお受けすることにしている。
ああありがたいことだなあと思う。
夜、とてもきれいな月が出ていた。
ぴかぴかと光るまるい月。
ほんのすこし、満月には足りないだろうか。
あの月は見えますか?とおなかの子に話しかける。
ねえメロンパンナちゃん。あなたにあの月は見えますか?とてもきれいな月が出ているよ?
豚肉のブロックが余っていたので、昼間に酢豚をつくっておいたら、
夜遅く帰宅した夫がぱくぱく食べていた。
ここのところ夫はとても疲れている様子。
夜遅くなるとおとなしくなるメロンパンナの胎動を、夫は今日はほんの少しだけわかっただけだった。
1/20(木)
寝坊した。
いつも7時に起きるのだが、起きたら8時半だった。
最近寝不足だったのが、この1時間半でだいぶすっきりしたように感じる。
しかし夫と一緒に朝ごはんを食べられなかったのが残念だ。
私がバナナシェイクを飲んだりスクランブルエッグをはさんだパンを食べたりしているそばで
眠そうにごろごろとしていた。
夫を送り出し、午前中、ヨガ30分。
昼過ぎにいえを出て、スターバックスでココアを飲みながら読書。
1時間ほど本を読んでから、皮膚科へ。
3か月ほど前から目の上や頬、手の甲にできた湿疹がまったく治らないので
業を煮やして病院へ行ってみることにした。
診断では、アトピーではなく妊娠による皮膚炎とのこと。
それぞれの場所ごとに症状にあった薬を処方してもらう。
これでよくなるといいのだけれども。
2日連続でマッサージに行ったせいか、今日は背中が痛くない。うれしい。
1/21(金)
今日から22週。
夫に写真を撮ってもらう。
前回撮ったのはひとつきほど前。
だいぶおなかが大きくなっているのがわかる。
日々、着実に、どんどんと、週数が積み上がっていく。
40週が出産予定日、になるので、もう折り返しを過ぎている。
現在の医学では、22週0日からの出産は早産と呼ぶ。
つまり医学の手を借りて赤ちゃんが生存できるラインということだ。
もちろん出産予定日近くに産まれるにこしたことはない。
大事に大事に、はぐくんでいこう。
それがいまの私の、いっとうたいせつな仕事。
メロンパンナが無事にこの世に生まれてきたら
いつかいろいろ話して聞かせたいことがある。
夫と私がどんなにあなたのことを待ち望んでいたか。
どんなに疲れて帰ってきてもあなたが動いている様子を毎晩感じようとしていた夫のあたたかくておおきいてのひらのこと。
どんなにつわりが大変だったか!(いつか生意気な口を聞いたら言ってやるのだ、お母さんは本当に本当に本当に、つらかったんだからね、それでも頑張ったんだからね、と)
月がきれいだったこと。夕焼けがきれいだったこと。太陽があたたかだったこと。
そのたびにいつもあなたに教えてあげていたこと。
おなかのなかのちいさなあなたに。
そうしてそれらをいつか、一緒に感じたいと願っていたこと。
夫が代々木の病院に行く日で、私は新宿か高田馬場で買物をすることにしていたので、
それならば一緒にランチも食べたいなと久しぶりに一緒にいえを出ることにした。
代々木到着、夫は病院で私は郵便局で用事を済ませ、
また夫の病院に戻り、それから高田馬場へ。
夫とよく行っていた洋食屋さんに行き、夫は本日のランチを、私は牡蠣フライ定食を頼み、
少しずつわけあっていただく。おいしかった。
事務所へ行く夫を見送り、私は高田馬場で買い物。
探し物が見つかったので新宿に行くのはやめにして、
そのまま高田馬場から中野まで歩いて帰ってきた。
実は高田馬場から中野って、意外と歩けてしまうのである。
以前も事務所からいえまで、ときどき歩いて帰ってきていた。
晴れていてそんなに暑くない季節のときはとても気持ちがいい。
途中、早稲田通り沿いにあるカフェでお茶をしながら休憩。
1時間ほど本を読む。
スーパーマーケットで買い物をいくつか、
それからマッサージへ。
頻繁に通っているおかげでだいぶ背中がほぐれてきたように思う。
格安のお店が近所にあって本当によかった。
夜、ヨガ30分。
今週読んだ本。
「間宮兄弟」
「スイート・リトル・ライズ」
「泳ぐのに、安全でも適切でもありません」
「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」
「なつのひかり」
いずれも江國香織さん、再読。