12/6(月)

体調がよくなってきている。

間違いない。もしや本当につわりは終わりなのか?

吐き気こそあるが実際に吐かない一日。

友だちからメール、海外にいることもあり日本食が食べたくて食べたくてたまらない、

日本帰ったら、豚骨ラーメンにしゃぶしゃぶにうなぎに寿司に、って考えるだけでお腹ぺこぺこと書いてある。

彼女も現在妊娠14週か15週。

つわりが全然ない子なのでとてもうらやましいが、私もつわりが完全に終わったらそうなるのだろうか。



12/7(火)

体調がかなりいい。

すわつわり、終了か?くらいの勢いである。

母がプレゼントしたいといっていた腹帯を見つくろいに新宿のデパートへ。

中野から出るのはかなり久しぶりのこと。

以前、よく行っていた代々木の喫茶店でランチ。チーズトーストをめちゃくちゃ久しぶりに食べる。

ああ食べたいものを食べられる幸せ!

でもまだ大好きだった焼き魚はじめ魚介類を食べたいという気持ちはよみがえってこない。



12/8(水)

妊婦健診へ。警察病院へ行く。

歩いて10分ほど。病院が近くてとてもうれしい。

検診は予約制なので待ち時間も10分ないくらい。


初めて心音を聞く。

感動した。

ああ赤ちゃん生きてる!という感じ。

私のなかに別のいのちがもうひとつあるのだ。

神秘だなあ。


海外に住む友だち、私より週数が少しばかり少ないのだが今日の検診で性別がわかったそうだ。

男の子。

ひとりめも女の子なのだが今度も女の子が欲しいといっていて、申し訳ないけどげっ!と思ったとメール。あはは。

私は男の子でも女の子でもどちらでもいい。


入院の予約もし、1時間半ほどで病院をあとに。

早い時間からの検査だったので夫はまだいえにいて仕事をしていた。

早速夫に電話、帰宅後、写真見せて見せてというので一緒に写真を見る。

ずいぶんと大きくなった私たちのレモンちゃん。もうすぐリンゴちゃんになりそうなくらいだ。


ランチは夫とパスタキッチンへ。

夫はいつもの魚介きのこガーリックに野菜盛り合わせをトッピング、私はたらこであっさり少なめに。

だいぶ食事がとれるようになってきてうれしい。


午後、京都のオモニと姉、長野の母にそれぞれ、つわりが軽くなってきたことと検診の結果について報告メールを出す。

とオモニから返信で「ナオさんの赤ちゃんが産まれたら、長野にみんなで行けるからとても楽しみにしている、新緑の長野はきれいやろうねえ」というようなことが書いてあった。

し、新緑の長野?みんなで行ける?・・・それってつまり、私が新緑の頃に長野で赤ちゃんを産む、つまり里帰り出産する、ということが既成事実化しているということ?


ああまた出ましたよ、里帰り問題が。


ため息。しかし放置はできないので、オモニに、

里帰りはしないこと、なぜなら長野の実家近辺にはよい病院がないし、私は実家を出て20年近く経つゆえ東京が落ち着く場所であること、などをメールした。


すると間髪おかず、

ええ~!!!!里帰りしないの?長野には病院がないの?近所の若いお母さんは九州(長野より田舎だと言いたいらしい。でも私の田舎はそういうレベルではない田舎である)に産前1か月、産後1か月の合計2カ月里帰り出産をした、里帰りをしないなんて考えられない、産後大事にしないと一生響く、健康であることは母親の努めであり、健康を害すると結局夫と子供に迷惑がかかる、長野には介護のおばあちゃんと、お父さんがいるからお母さんが東京に泊まりがけで来ることはできないのだから、長野に里帰りしなさい、T(夫)のことは2か月くらいほうっておけばいい、日曜日だけナオさんと赤ちゃんの顔を見に行けばいいんだから、という内容のメールが返ってくる。


うーん、そうじゃないんだよなあ。

だいたい産後大事にという観念が、親世代と現代では違う。大事にすることはもちろんだが、親世代のように床上げまで寝た切りにしていましょう、ということはいまの産後指導では行わない。むしろ身の回りのケアくらいはしないと余計に悪くなる、というのが定説。

だいたい近所の「若い」お母さんと比べられてもなあ。私は高齢出産でリスクが高いため、大きい総合病院でどうしても産みたいし、産むほうがいいのだ。

そもそも夫のことはほうっておけ、とか、日曜日だけ会いにいけばいいとかいうのは、それはオモニの考え方であって、夫と私は二人そろって、一日一日成長をしていく子どもの成長を見届けたいと思っているのだ。


私のからだのことをとても心配してくれるのはわかるし、とてもありがたいのだが、

そこに私の気持ちは微塵もない。


そこでやんわりと丁寧に、私の気持ちの部分などをメールしてみたものの、

どうもあまりうまく伝わらないらしく、何度かメールのやりとりが続いてしまい平行線。やれやれ。

最後には夫に登場してもらい、夫とオモニが電話で話すことで解決した。

夫はオモニに、ナオがいちばん居心地がいいのはここなんやし、ナオがいちばん大変な思いをするのだから本人の気持ちを尊重してやって欲しい、ということをとくとくと諭してくれたそうだ。

その後オモニから電話があり、もうわかったしええよ、大事にしてな、と気持ちよくいってもらえて無事すべて決着。

長野の母とは先週、決着を見たのでこれで里帰り問題は解決、である。


・・・それにしても。

長野の母は介護が必要な祖母がいるから(といっても施設入所しているため、本来は母に介護の必要はない)東京には行けないからナオが長野に来ればいいのに、といい、

京都のオモニはアボジを置いて東京にいくわけにいかないから(といってもアボジはふつうに毎日仕事をしている大の大人、しかも姉夫婦と同居しているから食事の心配だってない)、ナオさんが長野に行けばいいのに、という。


つまり結局、みんなそれぞれに自分の家族がいっとう大事で最優先なわけで、

ならば私には私の家族・・・夫と産まれてくる子どもと私・・・が最優先だということが、どうしてわからないのだろう?

もし本当に私あるいは私の子どもが大切なら、私の気持ちと私の家族を最優先して、長野からも京都からも東京にやってくるはずではなかろうか。別に南極や月に住んでいるわけでもなく、また本人たちが体調が悪くて動けないわけでもないのだから。

まあそもそも私はどちらの親も何日も泊まりがけでお手伝いに来るというようなことは全然望んでいないんだけどさ。


と、帰宅した本日いちばんの功労者の夫に笑いながらいうと、

夫もほんまやよなあ、と笑っていた。


いろいろ勉強になった。

ひとのふりみて、なので気をつけよう。

ただどちらの親も、好意と善意からの行動と言動であるのでそれは私の最高の救いだ。

そうしていずれにせよ万事解決でよかった。

あとは実際の産褥期に困らないように、準備を重ねておくことだ。



12/9(木)

事務所へ行く夫とともにいえを出る。

私は新大塚の産婦人科へインフルエンザワクチンの接種。

プレママ友から防腐剤不使用のワクチンが打てる病院と聞き、いってきた。

研究熱心そうないい医師だった。

そういえば以前、ワクチンを接種したときにはだいぶ腫れたのだが、今回は全然腫れない。

もしかしたら防腐剤が入っていないから?それとも体調のせい?

夫は防腐剤入りのものを接種して相当腫れてしまってかわいそうだったのだが、

プレママ友の夫も同じ状態だったそうだ。


喉が渇いたので大塚駅のジューススタンドでミックスジュースを飲み、

新宿の紀伊国屋に足を伸ばし、代々木の喫茶店でランチをする。


しかし昨日、一昨日と調子に乗ってしまった反動か、夜から体調が悪化。ものすごく吐く。

朝から気持ちが悪かったのが夜までとれなくて、我慢してしまったのもよくなかったようだ。

夫に「今日は吐いた?」ときかれ、「我慢している」とこたえると

我慢することないやん吐いたほうがええで、といわれ、それもそうだなと思いっきり吐いた。

吐くときはつらいが、確かに吐いたあとは気持ちが悪いのがすこし取れるので楽になる。

ナイスアドバイスをありがとう、夫よ。


12/10(金)

今日から16週。

昨日の続きで体調はいまいちふるわず、何度か吐く。


昼はオリエント・スパゲッティへ行き、こんな時でも食べられる奇跡の料理、かぼちゃスープがたっぷりのスープスパをいただく。

こちらではたいていかぼちゃのスープスパかアラカルトで茸のスープあたりをいただいている。

注文をすると、今日はパスタの量は?とお店の方。

そうだったそうだった、いつもお願いしているパスタの量を少なめに、というのを失念していたので、

すみません、少なめでお願いします、と慌てていうと、

ついでに海老は入れないでおきましょうか?とたずねられた。

つわりになってから魚介と肉類が食べられないので、このパスタに入っている海老とベーコンを申し訳ないな~と思いつつ全部残していたのだが、それに対してのご提案、ということだろう。

ありがとうございます、では海老とベーコンをなしにしてください、いまちょっと食べられなくてとお願いすると、

そうですよね、ではほたてなどのほかの魚介も(海老とベーコンの代わりに)入れないほうがいいですよね?と重ねてたずねられ、はいなしでいいです、と答えた。

それにしてもこのお店の方、オーナーさんだと思うのだが、私の接客に当たるのは確か2度目。

いつもはほかの方がオーダーをとったり、あるいはこの方がいらっしゃらない時間に私が行ったりしていたはずなのだが、たった一度の来店時の様子を実によく見ている。すごいなあ。

体調はすこぶる悪いがかぼちゃのスープをおいしくいただいてお店を出る。


駅前にしばらく前から出張オープンしているHというお店のクリームパンでも買って帰ろうかなと、駅まで歩いてみたが、なんと冗談ではなく100人くらい並んでいたので断念した。

昨日、このお店がテレビで取り上げられていて、確かにゴールデンタイムの番組だったし、それを食べたタレントさんたちが絶賛していたからもしかしたら混んでいるかなあと思ったのだが本当に本当にびっくりするくらい混んでいてびっくりした。

しかし個人的には、そこまで並んで食べるほどの味ではないと思います。


帰宅。すごく疲れた。

やはりぶり返しがきているようだ。


今週読んだ本。

豊島ミホさん「神田川デイズ」、

山崎ナオコーラさん「カツラ美容室別室」。

「神田川デイズ」は出身大学が舞台になっていて、名前は明かされていないがどう考えてもこれはカフェゴトーだよな、の喫茶店の描写や、またこういう学生いたなーというようなひとたちもたくさん出てきていて、いうなれば青春時代の邂逅という感じであった。

少しずつ本を読みたいという気持ちがよみがえってきて、またからだも追い付いてきたのだうれしい。

しかし今日はまた撃沈状態なので読みたい気持ちになれずです。


つわりとの攻防はまだ続く。