11/1(月)
夫が髪を切った。
だいたい3週間に1度髪を切る夫。
切った日を憶えておいて?といつも頼まれるのだが、りょーかい!と言いつついつも忘れる私。
今回は「ついたち」だし、さすがに憶えていられるね、とふたりでいいあう。
もう11月。
今年もあと2カ月。早いものだ。
11/2(火)
いちにち体調が悪い。
つわりってきついなあ!といまさらながら思う。
夫は毎日「早くつわりがおさまったらええなあ」という。
毎日、一言一句かわらずに。
とにかく何度も何度も吐いてしまうので疲弊しきっている。
胃に何もないときは胃液、胃液すらもないときはどこから出てくるかわからない変な色の液を吐く。
おまけに顔のあちこちになったことがない炎症はできるし(左目の上にもできて、おかげで左目が半分くらいしか開かない)、唇の皮が剥ける奇病は全然治らない。
今日も身もだえていると夫が帰宅。
最近、夫は帰りが遅い。
いまの仕事が佳境のため、とても頑張っている。
帰ってきた夫、なにやらにこにこしながら袋をダイニングテーブルに置いたので
なあに?と見てみると、なんとクラブハリエの袋ではないか!
わあ、もしかしてバウムクーヘン、買ってきてくれたの?
ときくと、
そうや、今日はもう遅いから、明日食べ?とにこにこ顔の夫。
一度は食べてみたかったクラブハリエのバウムクーヘン。
私はバウムクーヘンが大好きだ。
つい先日、たまたま夫と見ていたテレビでクラブハリエの特集をしていて、
このバウムクーヘン、一度食べてみたいんだよね、池袋にショップができたんだけどいつも並んでいて買いにいけない、つわりが終わったら並べるようになるから買いにいこうと思っている、というようなことを夫にいったのだ。
毎晩早朝から深夜までとても忙しく仕事をしている夫。
高田馬場の事務所から近い池袋にクラブハリエのお店があるとはいえ、仕事を中断して買いに行くのはやっぱり面倒だし大変なことのはず。
さらに夫は並ぶことが大嫌い。
それでも買いに行ってくれたことが、とてもうれしい。
ありがとう。感謝。
11/3(水)
いい天気。
朝起きて、布団を干す。
午前中、クラブハリエのバウムクーヘンを早速いただく。
電子レンジですこしあたためるといいですよ、と書いてあったとおりにしていただくと、
うわああーん、ふわふわ!ああ素晴らしくおいしい。
夫と一緒にたくさん食べる。ああもう本当に満足です。ありがとうありがとう。
夫は昼からフットサルへ。
先週の土曜日に行けなかったのと、今週の土曜日に試合があるので、
からだを動かしておきたいからと、今日は田無まで行くという。
私は体調が悪く、いえで過ごす。
早慶戦を見る。
懐かしい、早慶戦の雰囲気。
母校が勝つのはやっぱりうれしい、愛校心が強い私である。
夜、夫が帰宅。
ずいぶんと試合数をこなし、とても疲れたというが、
フットサルは夫のいい気分転換になっている。
子どもが産まれて、すこし大きくなったら子どもを連れて観戦に行きたいなとふと思う。
11/4(木)
午後、病院へ。
今日が代田橋の病院、本当に最後の日。
超音波で見る赤ちゃんはぱっと見でものすごーく大きくなっていることがわかり、
さらに手足をめちゃくちゃばたつかせたりガンガンに羊水のなかを泳いだり?していて驚いた。
背泳ぎの練習でもしてるんですか?ってくらいだ。
「これはずいぶんと元気ですねえ」とK先生にも笑われたが確かに思わず笑ってしまうくらいに元気がいい。
夫に電話。
めちゃくちゃ元気に動いてた、大きくなっていた、というとほうっとした様子。
病院の帰りに新宿のデパートに寄り、苺を購入。
最近は3日に1度は苺を買いにきている私。
まだ値段は張るけど、気にしないことにしている。
高齢出産のいいところのひとつは、金銭に余裕があるところ、だと思う。
ぜいたくにデパ地下で売っている苺をぱくぱく食べちゃえるところとか、病院やらなにやら迷ったときに、お金のことではなく「なにをしたいか」「なにをしてあげたいか」を優先できるところ。
もちろんお金のことを全然考えないわけではないのだけれども、これが10年前だったらこうはいかないと実感を持って思う。
それから私の場合は、100%の時間とこころで、子どもと向き合おうと思えること。
たとえば20代で結婚して子どもを産んでいたら。
実際にそういう経験をしたわけではないから本当のところはわからないのだけれども、おそらくは自分の何かを犠牲にした、犠牲まではいかなくとも引き換えにした、というふうにいつか思ってしまうことがあるような気がする。
たとえば仕事。たとえばキャリア。たとえば自分の時間。たとえば・・・。そんなふうに。
でも仕事もさんざんしたし、やりたいこともさんざんした。
だからそろそろ、もっと自分のこころとからだに耳を澄ませて、次のなにかを考えたい・・・
そう腹の底から思えたのは30代前半のことだ。
そのときに考えた「次のなにか」の選択肢に、いまの状況は入っていなかったのだが(なにしろ妊娠はひとりでできるわけじゃないから)、ただ自分が考えていた自分の人生のなかの一部に対して、達成感を味わうことができている状態で、いまを迎えられたのは、私にとってはとてもいいことだと思っている。
そうしてこの状況を寛容してくれる、夫の存在があること。
ところで高齢出産というと、生殖医療、産科の世界では「35歳以上」を指す。
もちろんからだの年齢はひとそれぞれなので、一概に「35歳」がボーダーだとは言えない。
でも「産みたい」「産む」という世界に入ってはじめてわかったのは、この厳然たる「初産35歳の壁」だ。
私たち夫婦が「産みたい」と真剣に思ったのは夫が33歳、私が36歳。
35歳以上は高齢、というほんの少しの知識だけはあったので、比較的早い段階で生殖医療科の門をたたいた。
そこで知ったのは「一刻も早く産んでください」という事実。
「でも去年結婚したばかりだったので・・・」とぼそりとひとりごとをつぶやくと、耳ざとく聞きつけた医師は「何歳で結婚したとか関係ないんです。いま何歳か、が問題なんです」とばっさりと言った。そうして実際に、その通りだと思う。
最近、40歳や50歳で初産、という例も少なからずあるので、漠然と不安はありつつも漠然と安心もしていた。
「でも大丈夫、私はきっと産める」・・・そういう女性って、多いんじゃないかと思う。私もそうだった。
それはそうだ。産めないわけではない。でも産める確率は下がるし、産むことの危険性は上がる。母親の年齢によって、子どもの障がい率だって上がるのだ。
私は36歳で授かって、出産するときは37歳だ。
さまざまな危険性、を、だからすべて引き受けようと思っている。そういうことだ。
最近すごく思うのは、30代後半になろうという女性は、産む産まない、結婚しているしていないにかかわらず、一度自分のからだときちんと向きあうべきだということ。
基礎体温をきちんと測り、婦人科で1年に1度、きちんと検査をすること。
実際いま結婚していなくて、恋人もいなかったとしても、明日目の前に素敵なひとが現れて、1か月後には結婚して、子どもが欲しいなと思うかも知れない。
でもそうなったときに、もし正常に排卵していなかったら?排卵をきちんとしたものにもどす、まずはそこからスタートしないといけない。ひとによっては何年もかかることだ。
気をつけなくてはいけないのは、生理がきていることと排卵をしていることば別だということ。
そういうことを、私は知らなかった。
それに排卵だけではなくて、女性のからだにはもっとたくさんの複雑なことがある。そのことを知っているかどうか。
結果的に産まなくても、からだをもとに戻しておくことは、毎日を生きているうえでとてもたいせつなことだと思う。
これから先の人生のほうが長いのだから、健康にまさるものはないし、ましてや毎日仕事をがんばっている世代であるぶん、余計に自分のからだの声をきいてほしいと思う。
もちろん男性だって同じだ。50歳でも60歳でも、お子さんができる男性はいる。
でもそのことを「だから男は何歳でも大丈夫」というのはただの過信だ。
現実に、33歳を過ぎると、男性の精子は「高齢化」の影響が出てくると言われている。奇形精子が増える、運動が弱まる、など。
別に産むための人生がすべてではない。そのことはよくわかっているし、実際、私自身がそうは思っていない。
でもそれでも、いつか、と少しでも思っているならば、恐れすぎてもいけないが、過信してはいけないということを、それを知ったいまの私はきちんと知らせたいと思う。
夜遅く、夫が帰宅。
写真を一緒に見て、病院で見た「元気すぎるキウィちゃん」「ばた足をするキウィちゃん」を実演してみせた。
今日も朝から晩まで気持ちが悪い。
11/5(金)
とてもいい天気。
最高に気持ちがいいが、つわりは変わらず気持ちが悪い。
今日から11週目。
来週、12週からはもう安定期に入りますから、とKセンセイが昨日、おっしゃったけど、
安定期って16週くらいからじゃなかったっけ。
兄のたんじょうびなのでおめでとうとメールを送ると、
からだを十分にたいせつに、という返信がきた。
兄はとても子煩悩で、子どもと遊ぶのが上手。
親戚の子たちのあいだでも大人気だ。
家族の前では超がつくほど無愛想なのに。
そんな彼にとって初めての甥っ子なのか姪っ子なのかわからないけど、きっとかわいがってくれるだろう。
京都在住の兄は私の1歳うえで独身。
両親のもっかの、そうして5~6年くらい前からの切実な悩みは、兄が独身であることだ。
ほかのきょうだいはほうっておいてもそのうち結婚するだろうけど、兄は、結婚しない、ではなくできない、かもしれない、そのことが気がかりだともうずうっと言っている。
いまはよくてもそのうち淋しい思いをするだろう、それが親としていたたまれない、と。
「そのうち淋しい思いをする」かどうかなんてわからないじゃない、人生はひとそれぞれなんだから。それに兄だって本気で結婚したくなったらするでしょう、と私はそのたびに言ってきたのだが、親からすれば「結婚」は人生の選択肢ではなく当たり前のことなのだ。そういう親ならばこその、案ずる気持ちもわからなくはない。
しかしこればかりは本人次第なのでなんともはや。妹としては悩ましいところだ。
そういえばまんなかの弟が転勤になった。だか、なる、らしい。
これまでは大学病院だったのだが、本人の希望と上層部からのお呼び出しがあって、以前も勤務していた長野県立子ども病院へ異動。
異動もあって、これまで以上にさらに忙しくなってしまい、来秋を予定していた結婚は先送りになるかも、という親情報。
ええええ。結婚先送りって・・・。いいのかなあ・・・。よくないだろう・・・。