久しぶりにセラピーを受ける日。
昼過ぎに池袋へ行く。
打ち合わせに行く夫と一緒にいえを出て、私は高田馬場で降り、夫はその先のほうまで。
Yさんのサロンで3週間に1度くらいの頻度でからだをほぐしてもらっていたときは、積年の肩こりも腰痛もサヨナラ!だったのだが、ここ数ヶ月、定期的に通えなくなっていて、そうしたら肩こりも腰痛も復活。仕事量は明らかに以前のほうが多いのにこれである。
やっぱりYさんの手は神の手だったのだな・・・。
と思いながらセラピーを受ける。
びっくりしたこと2つ。
1つ目は、途中で「ナオさん、風邪引いてた?結構、咳が出ていたんじゃない?」と聞かれたこと。
ハイ、そのとおりです。ここ1ヶ月くらい咳が断続的に出ている。
どうしてわかるんですか?とたずねると、肺のうしろの背中の一箇所が、他の部分に比べてすごくが冷たいから、とおっしゃる。す、すごい・・・。
2つ目は、セラピー後に「ナオさん、○○たくさん食べてる?」と聞かれたこと。
ハ、ハイ、食べてます。それもかなり。
ど、どうしてわかるんですか??とたずねると、アロマオイルでマッサージをしていると、その食材を食べて吸収できていないひとだと、アロマの香りが少しだけ変化するから、なんだそうだ。す、す、すごい・・・。
その食材は、ナオさんのからだには摂取しすぎると負担が出るから、たぶん今、胃をいためているはず(そのとおりです)、だからすこーし控えめにしたほうがいいわよ、と。
ちなみにセラピスト誰でもがこうしたアロマの香りの微細な変化を感じられるわけではなく、Yさんは嗅覚がすごくよいこと、あとは「同調」できるからだ、という。
ど、同調?・・・Yさん曰く、「たとえば肺が悪いひと、器官が悪いひとをアロママッサージしていると、私の喉が変な感じになるの。だからわかる」のだそうだ。施術を受けるひとの心臓の音に耳をすませ、呼吸をあわせ、丁寧にからだをほぐしていくと、そのひととだんだんシンクロしてきて、そのひとの悪い部分の近い場所が熱くなったり変な感じになったりするのだそうで、その「変な感じ」が、彼女の手によるアロマセラピーだけでは救えないとわかった場合は、病院に診察することをすすめており、結果、施術を受けたひとに重い病気がわかった、ということも一度や二度ではないそうだ。
すごい、すごすぎる・・・そうしてこの「同調」というのも、おそらくすべてのセラピストができるわけではなくて、Yさんの場合は相手に触りながら、とにかく相手のからだの声を聴こう聴こうと・・・心臓音に耳を済ませるとかそういうこと・・・をしていて、よくなってほしい、元気になってほしい、と思っているうちに、自然と同調できるようになったのだそうだ。
「お母さんが、自分の赤ちゃんのどこが具合が悪いかわかる、それと一緒よ~」なんていつもの控えめな口調で笑っていた。さすがYさんだ。神の手をもつという噂は本当だし、とにかく相手のためを思う気持ちが素晴らしい。Yさんと出会ってから1年近く、何度もすごいなあと思ったけれども、やっぱりすごいひとだ。こんなひとと出会えて感謝。
じっくりと施術をしていただいたおかげで、肌はつやつや、からだのむくみもとれ、頭痛も治り、首痛、背中痛、腰痛、肩こり、すべてが治った。よかった。
これからはもとどおり、3週間に1度はちゃんと通うことにしよう。
東武百貨店の地下で福砂屋のカステラを3斤購入。
明後日、状況してくる桂の両親と長野の両親(予定)の手土産用と、あとは夫とふたりで食べる用。
中野に戻り、ブロードウェイの地下の韓国食材店でトック(韓国の餅)を買い、「今日は早めに帰って休むようにね」というYさんのいいつけをお利口に守り、帰宅。
夫は今週から金曜日が大学院になったので、今日はひとりごはんの日だ。
さて。
日経新聞のスポーツ欄に、何週間かに一度、サッカーの三浦知良さんがコラムの連載をもっていて、なかなかおもしろい。
今日はこんなことが書いてあった。
年長者が「後輩に何かを伝えたい」との思いを強くし始めたら、プロフェッショナルたる現役としては終わり。
なるほど。
私は三浦カズさんほどのプロフェッショナルでは当然ない。
だけれども。この言葉で思い出したのだが。私にも、それまでずっと「私」を中心に考えていた仕事に対して、「組織への貢献」「後輩の育成」を考えるようになった転換点があった。
何度かこの日記にも書いているのだけれども、私は「自分は○年後にはこういうことがしたい、そのためには今これこれをしておこう」というようにある程度の計画を立てて生きていて、特に仕事分野については、その通りにやってきた。○歳でこういう立場になっていよう、そのために○と○と○のスキルを獲得しておこう、そのためには・・・といった具合。時に軌道修正はするが、概ね計画通りの成果を得ていまに至る。私の持論は仕事は決して自分を裏切らない、ということ。対人的要素が少ない分、やればやっただけの成果が返ってくる。たとえば恋愛などはそうはいかない。相手に依拠する部分が大きいからだ。もちろん仕事も「相手」がいる。上司だったり部下だったり得意先だったり発注先だったり、それはいろいろだが、少なくとも「仕事」である以上、そこまで大々的に「相手」に左右されることはない。不確定なこと・・・たとえば景気の波だったり突発的な、あるいは慢性的なトラブルだったり、上司の気まぐれだったり、いきなり部下が辞めたり、といったことが起きたとしても、それはこちらの度量で解決すればいいだけの話だ。それが仕事だ。ずっとそう思ってきたし、ある程度はそのとおりにやってきたと思う。
常に「“私は”こうなりたい」という思いで仕事をし、またそのために得たいスキルを身につけられる組織に異動したりもしてきた。マネジメントをするのが嫌で、部下を持たないスタンドプレイヤーとしてずっと仕事をさせてもらってきた。それが私の仕事へのスタンスをよくあらわしている。
しかしその調子で仕事をしてきて10年くらいした頃だったろうか。それまで1ミリも思わなかった、先に書いたような「組織への貢献」「後輩の育成」について考え、実際にそのように行動している自分に気づいたことがある。きっかけがあったわけではなく、その頃、「仕事分野のファーストステージ」で私なりに目指していたことをおおよそ獲得していたからだろう。
もちろん私の仕事分野でも、もっと上、もっと先、の世界だってあるし、多くの人生の先輩には苦笑されてしまうこともわかっている。でも、私が私の人生設計において、そのファーストステージでつかみたかったことは、つかんだのだ。ある意味、私という分野のなかではプロフェッショナルになったのだ。そう思ったときに、「現役引退」という言葉がちらついたのは確かだ。
このときに浮かんだ「引退」とは、そのときいた会社を辞めて次のステージに移るということなのだが、その次のステージでも、やはり同じことが起こった。「仕事分野のセカンドステージ」に移って3年ほどだろうか(正しくはファーストステージと後半は平行していたのだけれども)。このときの大きなきっかけは結婚というライフステージの変化だったのだが、それでもこのセカンドステージを、私のなかで「やりきった」感があったのだと思う。そうでなければいまだって、セカンドステージで飛び回っているはずだ。それにいまは半分現役引退みたいな生活をしているのだが、そういう自分自身に対して迷いとか悩みというものは一切なく、この半引退生活を楽しみ、さて次は何をしようかなと、ある意味わくわくとしているくらいなのだから。
もちろん次のステージへの不安、というのはゼロではないし、そのことで悩んだりはするのだけれども、セカンドステージへの未練、というものは気持ちがいいくらいにない。
「仕事分野のサードステージ」の開始を、そういえば20歳のころ、「38歳」と決めていた。35歳では早すぎる。40歳では先過ぎる。ちょうどいい頃合が、私のなかでは「38歳」だったのだ。そうして20歳の頃、まだまだ遠いと思っていた38歳は、もうあと2年先でしかない。正直にいうと、私が20歳の頃描いていた「私の38歳」は、現実の私と大きくずれている点が1つある。それは「38歳になれば子どもの手が離れているだろう」ということ。36歳のいま、子どもの手が離れているどころか、子どもなんていやしない!し、このようにしてやはり「仕事以外の分野」というのは不確定のものだ。サードステージを開始するにはそうしてまだ少し早いような気もしているので、しばらくはこの移行期間を活用していようと思うのだった。
ところでカズさんをさすがだな~さすがキングだな~と常々思っている最たる理由は、彼は(いまのところ)終始一貫して「現役」であり続けようとしていることだ。この記事の論調もそう。例えば彼は、今度のワールドカップにて現役の選手でありながらも「後輩に経験を伝えてくれ」と明言されている川口さんの立場を思いやり、正GKの座を狙う気持ちを忘れずに挑んでほしいと暗に言っている。
カズさん自身、いつだって「代表入りを狙う」と公言してはばからない。中山さんもそう。そのための努力を惜しまないところも凄いと思う。だいたい40歳を超えてなお、常に公式戦に出られるようにフィジカルを保っていることがどれくらい大変なことなのか?想像に難くない。実際に公式戦に出るとニュースになるくらい出場機会は稀だ。でもそれでも、常にピッチに立てるように、ゴールを決められるように用意しておくということ。
そういえば以前、中山さんがいた磐田に試合を見に行ったことがあるのだが、スタジアムまで乗ったタクシーの運転手さんが「ゴンは他の選手とは全然違うよ、シーズン中は絶対に酒を飲まない。他の選手は行きつけの店があって、そこでよく飲んでるけどね、ゴンは見たことがないね」と自慢気に話してくれたことを思い出す。
常にプロフェッショナルでいるということは、そういうことなのだ。
全然話は違うが、同じ記事の中でカズさんは日本の世界における地位について言及している。曰く「W杯出場国のなかで日本は常に下位集団」「今回の1次リーグ4国(カメルーン、デンマーク、オランダ、日本)の中で日本は最下位」「マスコミは日本の地位をきちんと伝えるべきだ」「カメルーンに勝てば国際的には一大事で、僕らには偉大な一歩だということも忘れないで欲しい」。これはサッカーが好きな人なら当たり前に知っているし、思っていることだ。もちろん選手だって監督だってみんな知っている。あえて4強といっているのは、選手に対する檄という意味合いなのだろう。この「檄」=目標設定にもお国柄が出ていて、たとえば韓国などは「目標は1次リーグ突破」としている。この違いはどこから来るのか、そうしてどちらがいいのか、というのは私にはわからないのだが、いずれにせよもっとサッカーを見ることを楽しみたいし、お願いだから静かに観戦させてくれ・・・と思う。テレビの中継は本当に煩い(特に民放)。
朝ごはん。
夫は豆腐と若布の味噌汁、ご飯、ペチュキムチ、烏賊明太子キムチ。
私はヨーグルト、亀井堂のクリームパン。
昼ごはん。
なし。
晩ごはん。
ヨーグルト。
朱川湊人さんの「かたみ歌」を読了する。