土曜日。

ここのところ何かと仕事が入っていたので、週末がくるとうれしい。

(社会人としてはこれが当たり前ですね)

とはいえ“大人の夏休み”のあいだも、週末はやはりうれしかった。

毎日が休みでも、どことなくとくべつ。


最近、夫は毎朝5時に目が覚める。

前は毎朝6時くらいだったのにさらに1時間も早い。

「・・・おじいちゃん?」と桂の姉(夫の兄の奥さん)は夫に言っていた。確かにおじいちゃんみたいである。


今朝も5時に起きていくのをうすぼんやりと感じながら

そのまま眠る。

そのあと、6時、7時、と必ず目があくが、

私の起床は平日でも週末でも8時か8時半。


今日は8時半に起きたのだが、もう既にだいぶ日が高くなっていたので

そのまま布団を干す。

気持ちがいい天気。


家中の掃除をしながら、TSUTAYAで借りてきた「オールイン」という韓国ドラマを見る。

イ・ビョンホンが出ている、たぶんだいぶ昔のドラマだ。


いまテレビで放送している「アイリス」が思いがけずおもしろく

「韓国ドラマを見直した」という夫。実は私も同じで、ひとつも見てもいないくせに「ぜんぶ冬ソナ(のような恋愛ドラマ)」というイメージを勝手に抱いていたのだ。

それが先日、AERAの特集で韓国のドラマが30作品くらい紹介されていて、なかなかにおもしろそうなものが多い。

そこで夫と、これから少し韓国ドラマでも見てみようか、ということになったのだ。


夫が見たいといっていたのは「オールイン」というカジノを舞台にしながら描いているものと、あとなんとかいう時代もの。

私が見たいのは「チング」と「エデンの東」である。

ただしチングもエデンの東もテーマが重いし、時代ものは全部で20巻以上もある。

「オールイン」が唯一気楽に見られそうなので、まずは「オールイン」を借りてみた。


イ・ビョンホンがずいぶんと若い。

ドラマはなんというか、「え、そこでそうなる?」という、日本のドラマとちょっと展開が違う。そこが新鮮。

ふーんとかへえーとか思いながらついつい引き込まれて午前中いっぱい見てしまった。


昼過ぎ、お昼ご飯を食べがてらクリーニング屋さんへ。

すると真新しいイ・ビョンホンのカレンダーがかかっている。

「イ・ビョンホン好きなんですか?」とおばちゃんに夫がきくと、

「孫が韓国に留学していてね、この前、買って来てくれたの」とにこにこしながらおばちゃんはいう。

へえ~なんていっていると、奥からおじちゃんも出てきた。

おじちゃんおばちゃんといっても推定年齢60代後半から70代前半。

なんでもお孫さんは、韓国に「テコンドー留学」をしていて、しかも先日の韓国のテコンドー全国大会で優勝までしたツワモノなんだそうである。えええっ。それってめちゃくちゃ強いじゃないですか。

「テコンドーがオリンピック競技のままだったらオリンピックに出られたんだけどねえ」とおじちゃん。

イ・ビョンホンはそのお孫さんが大ファンで、部屋の壁から天井まで、彼のポスターで埋め尽くされているとおばちゃんは笑いながらいう。

「そうなんですか、ちょうど私たちもいまイ・ビョンホンのドラマ見てるの」というと、

「イ・ビョンホンはいいよねえ、あのなんだっけ、ギャンブルのドラマも出てたし」とおじちゃん。

おお、偶然!いまちょうどさっきまで、それ見てたんですよ、そうなんですか、と韓国ドラマの話でおおいに盛り上がる。おばちゃんは「冬ソナ」のDVDを持っていて、いま毎週木曜日と金曜日の昼にやっている韓国ドラマをとても楽しみに見ているそうだ。

「そういえばご主人(と私の夫を見て)、あのギャンブルのドラマに出てた人に似てるね、ほらなんていったっけ」

「そうよねえ、アタシも似てるなあと思ってみてたのよ、名前なんだっけかな、イ・ビョンホンの友だちで、アメリカに行っているひと」

「そうそう、アメリカに行って、あとあれだよ、なんとかいうドラマで失明しちゃうんだよな」

と盛り上がるふたり。

だ、だれのこと?と夫を振り返る私

確かに夫はよく韓国のドラマに出てくるひとに似ているといわれる。

これまでも何度もいわれたのだが、韓国名だと名前がいまいち憶えられないので、結局だれなのかわからない。


「似てる似てる」と盛り上がるクリーニング屋さんにさよならをして外をぶらぶら歩きながら、

「そういえば日本人のだれそれに似てるっていわれたことないし、やっぱ俺って韓国人顔なんかなー」と夫がいうので、

「うん、韓国人顔だと思うよ、ガンタクってほどじゃないけど、やっぱ韓国人ってわかる顔してる」というと

やっぱそうなんかーと夫。

ちなみにガンタクとは、魚拓ならぬ顔拓のことで、たとえばサッカー選手の鄭大世(チョンテセ)とか李正秀(イジョンス)とか、中田(英)のように、あなた絶対、ルーツは朝鮮半島だね、という顔立ちのひとのことを「顔拓をとったように出自が顔だけでわかる」という意味で、しばしば在日韓国人の若者のあいだで使われる言葉なんだそうだ。

「お兄ちゃん(夫の兄)よりか、T(夫)のほうが韓国人顔だよね」

「確かに。兄貴はもっとマイルドな顔してるもんなー」などと話しながら歩く。


そういえば夫がギャンブルを好きなのは、夫の特性なのではなく、韓国人の特性なんだそうだ。

ええー本当?単に自分の好みを民族のせいにしちゃいませんかね、と私などは思っていたのだが、

先日、夫のマイルドな顔の兄(性格もマイルド)なども一緒のときに、たまたまギャンブルの話になったら、

やはり同じことをいっていた。

どういうわけか、韓国人というのは賭け事がとても好きで、血がさわぎ、やたら燃える、のだそうだ。

血の量がおおいんちゃうー?とマイルドな兄と夫は口をそろえていっている。

まあそれが民族性といわれたら、新婚旅行でカジノが必須条件に入るのも仕方ないということなのだろう。


食事後、いえに戻ると、ピンポン!とベル。

なんだろう?宅配便の予定はないし・・・と思っていたら、お隣のMさんで、

「これから旅行に出るから、よかったらこれどうぞ」とすごく綺麗で、豪華な花束を差し出された。

ええ?と思っていると「昨日、もらったんですが、今日から旅行で、枯れちゃうのももったいないし、お花が好きみたいだからよかったらと思って」とMさん。

わあ、ありがとう!ではせっかくだからいただきますね、と押し頂く。

どうやら会社を辞めた送別会でもらったらしい。本当に豪華なお花で恐縮。

旅行は東北だそうだ。気をつけてね、よい旅を!


夕方、夫はフットサルへ。

私は高円寺の「ルネッサンス」でお茶。

ヘンデルの「ハープ協奏曲」を聴く。


帰りは高円寺から歩く。

プールに行こうと思ったら、夫から「絶対ダメ、風邪もまだ治ったばかりだしこんなに寒いのに」ととめられたので、その運動不足解消。



朝ごはん。

夫はごはん、大根と玉ねぎの味噌汁、キムチ各種。

私はチーズトーストとヨーグルトとゆで卵。

キムチが全然減らない。


昼ごばん。

ザッツバーガー。


晩ごはん。

夫はそとごはんとなったため、私はいえで桂からもらった韓国のラーメンをまたまた食べる。

辛くておいしい!