早起き成功。
しかしひどい雨降りで頭痛もする。頑張って起床。
早起きは三文の徳とでもいおうか、
朝の掃除やらを終え、さて新聞でも、と読んでいると、
こんな記事が目に飛び込んできた。
「20世紀の偉大な女性チェロ奏者と聞けば、大概の音楽ファンが、難病で音楽家生命を絶たれた英国の名手ジャクリーヌ・デュ・プレを思い出すだろう。だが人気、実力ともにそのライバルだった米国人クリスティーヌ・ワレフスカの存在を知る人は、日本にどれだけいるだろうか。」
・・・クリスティーヌ・ワレフスカ。
だ、誰?全然知らないんですけど。
お恥ずかしながら、記事に書かれているとおり、偉大な女性チェリストってジャクリーヌ・デュ・プレ以外にいるんですか?である。
クリスティーヌ・ワレフスカ。
渡辺一騎さんという方が寄稿されているその記事によると、彼女はステレオLP全盛期の60~70年代にオランダのフィリップスレーベルからアルバムを6点録音している。情熱と気品を兼ね備えた演奏スタイルと圧倒的な技巧、そして美貌で、新人として当初から人気があった。18歳でブエノスアイレスのコロン劇場で大成功のデビューを飾ったこともあり、その後アルゼンチンで結婚、一時定住。8歳でエニオ・ボロニーニに師事。ボロニーニは、かのパブロ・カザルスが「自分よりうまい」と絶賛した人物で、自身が演奏会で弾くための作品を数多く作曲したが、他のチェリストが弾くのを厳しく禁じる。しかしワレフスカにだけは6曲をささげた。
日本には1974年(私が生まれた年だ!)に来日している。しかしかつてアルバムを出したフィリップスレーベルの担当者が一線を退き契約が切れると、日本ではそのまま忘れられた存在になってしまった。
記事を書かれた渡辺さんは、仕事で渡米した2007年に偶然ワレフスカのリサイタルに行き、まだ現役であることに驚き、それどころか若い頃の情熱的な演奏はそのままに「素晴らしい円熟の輝き」を感じ、日本で演奏会をしてほしいと思う。しかしワレフスカを過去に招聘した音楽事務所は既になく、「それなら自分で招聘しよう」と来日演奏会実行委員会を立ち上げて、この度、本当に演奏会を実施する運びとなった、のだそうである。
えええ。
それは是非、行ってみねば。
しかしこういう記事が新聞に出ると、早い段階でチケットは売り切れる。
まずい。
というわけで調べてみると、武蔵野公会堂で行われるコンサートは案の定、売り切れ。
6月に上野で行われるリサイタルと、東京文化会館でオーケと共演するものはまだ残っているが、上野のほうは日程があわないのと、オーケよりはじっくりチェロだけ聴きたいな、と思い、さらに調べていくと、八王子のホテルのチャペルで演奏会を行うことがわかった。
急いで予約。100人しか入れないチャペルらしいが、なんとかチケットを確保できた。よかった。
それにしても演奏家・ワレフスカも当然楽しみなのだが、
寄稿されていた渡辺一騎さんという方の情熱がまたすごいではないか。
渡辺さんは学生の頃にオーケストラでチェロを担当していたそうだが、現在は歯医者さん、である。寄稿文にも「歯科医」として署名があるし、実際に浅草のほうで開業している方。らしい。
ふつうに仕事をしながらコンサートを企画するというのは並大抵のことではないだろう。
それでも彼は「ワレフスカを日本のひとたちに聴いてほしい」という情熱だけでたくさんのことをしたのだろう。
素晴らしい。彼と彼の仲間の頑張りに、一音楽ファンとしてたくさんの拍手を送りたい。
午前中分の仕事を終えて、昼過ぎに高円寺の「ネルケン」へ。
夫と駅まで一緒に行く。
「ネルケン」は今日もまた例の杉並区在住の慶應出身の方々で組織されているらしいサークルが音楽鑑賞会のようなものをやっている。
今回はそれには混ざらず、いつもと違うアンプから離れた席に座るとマダムが「ごめんなさいね、いつもの席でなくて」とおっしゃる。いいですよ、とこたえ、しばらく音楽を聴きながら手紙(お礼状)を書く。
しばらくすると常連さんと思しき男性と、その男性に連れられてきたらしい男性が来店。
ふたりとも演奏家らしく、ヴァイオリン(たぶん)ケースを持っていて、
年配のほうは小倉さん(アナウンサーの)に、若いほうの男性は、ちらりと見る限りではのだめの黒木くんに似ている(漫画のほうデス)。
き、気になる~。と横目でそうっと見ていると、年配のほうの常連らしき男性がマダムに「紹介するよ、このひと(と若いほうのひとを指す)、ちょっと変わっててね。芸大を卒業してからデンマーク王立で弾いているの」なんてことを言っている。
えええ(本日2度目)。
ちょっとちょっと、黒木くんの顔をちゃんと見たいよーと思ってさらに横目を駆使して拝顔すると、
やっぱりのだめの黒木くんのようである。すごい。黒木くんはオーボエだけど・・・。
そのうちオグラさんはぐるりと店内をみまわし「今日はなんだかお客さんが多いなー。ここいつもは空いてるんだけど。そういえば前もおじいさんがいっぱい来ていて音楽鑑賞会とかやってたんだよね、それも結構がんばっててさ、詳しく曲紹介なんか書いてある紙とか作っててさ、きっと若い頃に好きだったんだろね」とか喋っている。ああオグラさん、その「おじいさん」はいまあなたの通路挟んだ隣のテーブルにいるひとですよ・・・。
そのうちオグラさんと黒木くんの会話は、これまで共演した指揮者、とか過去の名演奏、にうつった。
私としてはおおいにそそられる話題である。
ああもっと大きい声で話してくれないかなーなんて思っていると、
オグラさんと黒木くんは音楽鑑賞会をしていた年配の男性たちに「静かにしてください」といって注意されてしまった。口をつぐむふたり。もしかしてさきほどの「おじいさん」発言がまるぎこえだったのかもしれない。
ネルケンは会話禁止ではないので(名曲喫茶には会話禁止もあります)、話をしていてもいいんだけどなーとは思うけど・・・確かにオグラさんの声は本物の小倉さんのようによく通る声だった。
そうして黒木くんの声は黒木くんみたいにぼそぼそだった(って黒木くんの声を聞いたことはないけど)。
ふたりの会話をこれ以上聞けそうにないのと、手紙を書き終えてしまったのとで、ネルケンを辞す。
会計時にもういちどマダムに「ごめんなさい、席が・・・」と謝られる。本当に気にしてないですから。
高円寺からそぼふる雨の中、歩いて中野まで戻り、
ブロードウェイの地下でいくつか買い物をしてから帰宅。
夫がいつまでも帰らないので
なにかあったのか?打ち合わせが長引いたのか・・・それとも・・・と
思ったら大学院の日であった。びっくりした。
朝ごはん。
夫はビビムパ、筋クッ(先日つくっておいたものを解凍)。
私は昨日買ったサンドウィチの残り。
昼ごはん。
なし。
晩ごはん。
夫は大学院のため、ひとりごはん。
鮭の塩焼き、いわしのまるぼし、セロリのサラダ、ナムル(3種)、筋クッ。