午前中は病院。

事務所へ行く夫とともに家を出て、駅の構内まで一緒に行く。

夫は東西線で高田馬場へ、私は総武線で代々木へ。


代々木のアレルギーの病院へは週に二度、注射を打ちにいくのが望ましい。

といわれているのだがここのところさぼり気味で、週に一度しか行ってないことが多い。

これではいつまで経っても減感作療法が終わらない。

こころを入れ替えて今週はきちんと2回、行こうと思う。


病院のあと紀伊国屋書店まで歩き、本を何冊か購入。


吉村昭「戦艦武蔵」

星野道夫「旅をする木」

夏目漱石「虞美人草」

高村光太郎「智恵子抄」

日本戦没学生記念会篇「新版 きけわだつみのこえ」

宮本常一「忘れられた日本人」

森見登見彦「四畳半神話体系」

中島京子「桐畑家の縁談」

小川糸「ペンギンと暮らす」

三島由紀夫「お嬢さん」

朱川湊人「かたみ歌」

開高健「輝ける闇」

吉田秋生「海街diary1 蝉時雨のやむ頃」「海街diary2 真昼の月」「海街diary3 陽のあたる坂道」


まったく脈絡がないが、

そのうちいくつか(たとえば「きけわだつみのこえ」とか「智恵子抄」とか)は、実家の本棚にあるが、

やはり手元においておきたいために、

またいくつかは読みたいなと思っていたもの(「忘れられた日本人」とか「輝ける闇」とか)、

さらにいくつかは店頭で見て興味をひかれて(「ペンギンと暮らす」とか「かたみ歌」とか)、

それぞれ購入。

吉田さんの漫画、ついに買ってしまった。

漫画喫茶で何度も読んでいるくらいなので、もう買ってしまえと思い。

それにしても子どものころ「漫画は読んではいけない」といわれて育ち、厳格にその教えを守らされてきたため(親がついてこないピアノ教室でこっそり貪り読む以外)、いまでも漫画を買うのはちょっとした罪悪感を憶える。


新宿まで来たついでに、三丁目経由で一丁目まで足を伸ばして

「piano forte」に立ち寄る。

マッキントッシュ・ラボのオーディオを使っているという噂の喫茶店。

最近、雑誌で読んで以来気になっていたのである。


なんとか店を見つけて入ると、

名曲喫茶には珍しく、LDまであり、ちょうどブラームスの2番を演奏していた(楽団不明)。

どこか外国の教会で演奏しているもの。とてもよかった。

じっくりその演奏を視聴(LDなので文字通り見て聴ける)していたら、

ブラーが終わったところで店主と思しき男性が「何かリクエストありますか?」と聞いてくれた。

ええ、いいんですか?というわけで、「チャイコフスキーかベートーヴェンを、できれば」とお願いする。

本当は曲まで指定したかったのだが、そこまでやるのは図々しいか?と思ったのだ。

しかし店主は「わかりました」といってしばらく悩んでいる。

ああそうか、作曲家だけ指定して曲目を指定しないのは却って難しいリクエストになってしまったなと反省。

だってチャイコやベートーヴェンといったってきっと何十曲もストックがあるわけで、

その中から店全体の雰囲気を考えつつも、リクエストした一人の女のために・・・希望通りの曲なのか、それとも思いもかけない曲がいいのか、などと考えながら「一曲」を選ばないといけないのだから。


そうして選ばれたのは、チャイコフスキーの7番と6番。

なんと2曲も連続で、しかもLDを見せてくれたのでした。

さらに6番は、私も持っているアルバム、カラヤン指揮のウィーンフィルの演奏のLD版で、

いつも聴いている音楽を「見る」ことができてすごく得した気分。

しかも途中で、他のお客さまが話をはじめたら「音がよく聴こえるほうに席をうつっていいですよ」といってくださって、オーディオのまん前の特等席に案内してくださった。

堪能。

そのまま店にいたら次々とチャイコフスキー(またはベートーヴェン)を聴かせいただけそうだったが、

6番が終わったところで、またの来訪を楽しみに店を辞す。


帰宅後、自宅の貧弱なオーディオでベートーヴェンのピアノソナタを聴く。

ダニエル・バレンボイムが大昔に弾いているピアノで、悲愴、月光、熱情が入ったもの。


そういえば父の友人でやはりクラシックがすごく好きな方がいて、

その方は自宅に音楽室を作って、1000万円ほどで購入したオーディオシステムで音楽を聴いているそうだ。

父がその友人に「いいオーディオとアンプを買ったんだけど聴きにこない?」といわれて行ってみたら、

やっぱり信じられないくらいに音がよかった、俺でもわかるくらいに。

と言っていたことがあった。

オーディオだけで1000万円なんてありうるのだろうか?

音楽室の装備も入れてかもしれないが、いずれにせよ桁が違う。

そのときはふうん、と思ったくらいだったのだが。いま思えば私もついていけばよかったなあ。

当時は高校生で、父とふたりでどこかに行くなんて考えられない頃だったっけ。



朝ごはん。

夫はトースト、しじみの味噌汁、ペチュキムチ。

私はトースト、ゆで卵、ヨーグルト。

夫の食べるものにはまったく脈絡がない。私が買う本よりも。


昼ごはん。

なし。


晩ごはん。

スパゲッティミートソース、しじみの味噌汁(残り)、ナムル3種(もやし、人参、ほうれん草)、セロリのサラダ。

ミートソースは定番の玉ねぎのほかにピーマンやらセロリやら椎茸やら人参やらを刻んでがんがんに入れて煮込んでつくるもの。栄養満点。


山本周五郎の「季節のない街」を読了する。