先日から屋上でなにを育てようか悩んでいる。

引越しで手に入れた、100平米の屋上。


引っ越す前は、そのだだっぴろい屋上を

家庭菜園にしよう!とか

季節によって咲く花が絶えないように工夫しよう!とか

夫のリクエストの果樹も育てようかな!とか

たくさんたくさん、考えていたのだ。


しかし。

いざ100平米の屋上が目の前にあると

これはけっこう、持て余すものなのですよ。


その最も大きな理由は、賃貸だから。

たとえばここが購入した自分の家だったら。

私は迷わず柵には羽衣ジャスミンとつる薔薇をめぐらせ、

キーウィーフルーツの苗木を買い、

ライラックとこでまりのコーナーをつくっただろう。


でもここは賃貸住宅。

いつまでここにいるかもわからないし、

それは2年後かも知れないし、10年後かも知れない。

いずれにせよ「ずうっと」ではないことだけは確かなのだ。


引越しのときに持て余すのは、実は植物である。

度重なる引越しで身にしみているので、

そんなに植物を増やさないようにしているのだが、やっぱり好きなので気がつくと増え、

そうして私の植物たちはなかなか枯れてくれない。もちろん長生きしてほしくて育てているのだから、

とても喜ばしいことなのだけれども。


いまはベランダで大きなコンテナのゼラニウムが2株、ひとかかえくらいの中ぶりな鉢のゼラニウムが1株ずつ。

どんどん大きくなってきた薔薇だけを育てていて、

あとは室内に観葉植物をいくつかと、冬場だけ室内に入れているガジュマルくらいだ。

これくらいなら次に住む家がどんな家でもまあ邪魔にはならない。


しかしたとえば。

わーい屋上が広い!といって勇んで庭なぞをつくってしまったら、

それと同等の次の家、が必要になるだろう。

いまのこの家に、丹精した植物は置いていけないのだ。


そんなわけでとても悩んでいる。

もはやなにも植物を増やさないほうがいいのか?

屋上は裸のままで置いておいたほうが?とも思ったり。


先日も美容室でこの屋上の話になり、

いいじゃん、なんでも植えられるじゃん!と美容師Mさんはおっしゃるので

「でもね、Mさん。考えてみて?この美容室の3倍くらいの広さなんだよ。

しかも引越すかもしれないんだよ。そんな空間に、Mさんだったらなにを植える?」とたずねると

「うーん・・・」といって絶句してしまった。そうなんだよなあ。


昼から銀行でちょっとした相談。

担当さんがすごくいい方で、知識も豊富。

やっぱりなんでもセカンドオピニオンって大切だなあと思う。

先週からもやもやしていた霧が晴れた気持ちである。


銀行のあと、ホームセンターで苗木をいろいろ見て妄想してから

いったん自宅に戻り仕事をかたづけ、

スーパーマーケットへ買い出し。

いろいろ買い込んでから戻ると夫が帰宅していた。びっくり。

今日あった仕事と銀行での相談を夫にしてから晩ごはんにする。


朝ごはん。

夫はもつ鍋の残りにご飯を入れてクッにして食べる。

夫は汁にご飯を入れて食べる、クッがすごく好き。

私はジャムバターサンドウィッチとヨーグルト。

ジャムは母の手製。苺の粒が大きい以外は素晴らしい出来と思う。


昼ごはん。

なし。


夜ごはん。

鮭の塩焼き、秋刀魚の開き、しらすおろし、ペチュキムチ、焼き明太子、冷奴、油揚げと豆腐の味噌汁、キャベツ。

舞茸とツナのソテーをつくったのだが、舞茸が古くて生命の危険を感じたので食べるのはやめておいた。

(いけるかなと思ってつくったけれど無理だったという話)。


いま読んでいるのは「やわらかな心をもつ」。

小澤征爾さんと数学者の広中平祐さんの対談で、

ファシリテーターは故萩元晴彦さん。

30年ほど前に出版された本なのだが、素晴らしいことがたくさん書いてある。

ハードカバーが実家にもあったので

最初に読んだのは中学校の頃なのだが、その頃は理解できないことばかりで持て余し、

飛ばし飛ばし読んでいた記憶がある。

いまは逆に理解できることばかりで、いまこの時期に、またこの本に出遭えてよかったなと思う。持て余すことなく。