昨日は夜にカザルスホールでおこなわれるコンサートに行く予定だったので
それをもとに一日を組み立てることにしていた。
お茶の水に行くのは久しぶりだし、またお茶の水から歩ける範囲の岩波ホールではいま「海の沈黙」を上映している。
神保町のあたりはなかなかよい喫茶店が多いので、14時からの回の「海の沈黙」を見てから喫茶店に行き、19時のコンサートに向かおうと思って予定をスケジュールに書いた。先週のことだ。
カザルスホール。
ご存知の方も多いと思うが、いまから20数年前に室内楽専用のホールとしてできたコンサートホール。
もともとは違ったのだが数年前から日大が取得して日大カザルスホールになった。
そんなことはさておき。
ここの目玉はなんといってもオルガンである。
世界の名匠、ユルゲン・アーレント製作のこのパイプオルガン、それこそバッハの時代とほぼ同じつくりのとても珍しいもの。2414本ものパイプを奥行き5メートルのなかに入っているのである。
弦楽奏やオルガンを聴きに、私も何度かカザルスホールを訪れた。
そうしてそんなとき、カザルスホールがこの3月に幕を閉じることを知ったのである。
なんにでもいのちはあるが、このカザルスホールが幕を閉じることについては
ちょっとした衝撃だったし、残念に思うし、オルガンの行方もおおいに気になる。
最後に1度、あの名オルガンの音色を聴いておきたいと思い、それから開催されるオルガンコンサートを調べると、やはり目ぼしい公演はすべて完売。
世の中には私が思っている以上にクラシックファンは多いようである。
そこで仕方なく、というか、まだチケットが余っていた昨日の公演に行くことにしたのである。
さて。
日中、ちょっとした用事が立て込んでしまい、14時に神保町には行けそうもなかったので、
会期終了が迫っている長谷川等伯を見に上野へ。
平日だし中途半端な時間だし、空いているだろうと侮っていたら、なんと会場に入るまで40分待ちという。えええ。
しかし今日を逃すと上野にいける日は限られてしまうし、確実にいけるとも限らなくなる。
等伯はどうしても見ておきたいので、仕方なく列の最後尾についた。
本を読んで待っていたせいかどうか、比較的速やかに会場に入ることができたので
結果的に並んでよかったのだけれども。
長谷川等伯。
素晴らしかったです。行ってよかった。
私は人間とか動物が画のなかに入っているのはあまり好きではないのであれだが、
山水図や松林図などには息を呑む水墨の世界だったし、桃山の頃の屏風絵にはやはり圧倒された。
それにしても混んでいた。
襖絵や屏風絵などは間近に迫るよりも数メートル離れた状態で見たいものだし見るべきものだと思うのだが、
絵の目前に人だかりがあり、かつ人だかりはまったく途切れないので、離れて見ると絵の全貌が見られない。
それがとても残念だった。でも満足した。
桜がさきはじめた上野を去り、お茶の水へ。
18時くらいに着いたので、ちょっとぶらぶらしてからカザルスホールへ赴くと、なんと長蛇の列。
えええ。これまたびっくりである。
また私自身、昨日はオルガン奏者個人の演奏を聴きに行くというよりも、カザルスホールに別れを告げつつオルガンを聴く、という主旨だったのだが、まったく同じようなひとたちばかりだったのも印象的だった。
演奏はやはり残念ながら納得のいくものではなかったが
それでもなかにはいい演奏もあったし、カザルスホールでさいごにパイプオルガンを聴けてよかったと思う。
さようならカザルスホール。
そんなことを思いながらホールをあとにする。
朝ごはん。
夫は昨日ののこりのカレー。
私はヨーグルトとチーズ。
昼ごはん。
カレーののこり。夫もいたので一緒に食べる。
夫はほんとうにカレーが好きだ。
夜ごはん。
夫は先に済ませていたので、駅前のお惣菜屋さんで何点か買って帰る。
カザルスホールとパイプオルガン。