夫の実家で過ごした初めての年末年始は

なかなかと楽しいものだった。

次々とやってくる異文化体験。

在日とはいえ外国人と結婚したんだなあ、ということを実感することがたくさんあり。


たとえば正月料理。

夫の両親はプロテスタントになってから

こてこての民族文化的なものは排除しているそうなのだが

それでもお客様をもてなすための準備は当然する。

まして夫の家は一族郎党の長なので、年始の挨拶に見える親族一同をもてなすための料理を年末にまとめてつくるのが恒例なのだそうだ。


31日の昼前に婚家に行き、オンニ(お姉さん)とオモニの手ほどきを受けながら

ひたすらチヂミを焼く焼く焼く焼く。たぶん50枚は焼いたと思う。

牛肉のチヂミ(ジンというそうだ)、白菜チヂミ、ニラチヂミ。

何のチヂミかどうかは家によって違うのだそうで、まさに家庭の味といったところ。

ほか、キムチやナムル、トックスープ、今年はホルモン鍋、焼き肉。などの仕込み。


これでも以前のように豚の丸焼きだのなんだのの

料理をつくらなくなっただけずいぶんと楽になったのだそうだ。

確かにそうですね。


たとえば年始の挨拶。

家族同士、親族同士の挨拶でも、わあ、こういうふうに(ここまで!)するんだ、

というような挨拶の仕方。

田舎の祖父母の年始の挨拶を見ているようでもあるのだが

それを若い世代まできっちりととりおこなう様子など。


私の実家がドライというか、

あまり伝統とか親戚関係とか

そういうものを重視してこなかったせいもあり

うわあ、うわあと驚くことがたくさんあり

でもどれも新鮮で楽しく、結局三々五々やってくる親族のために

何度料理をつくり、食べ、洗い物をし、というのを繰り返したのかわけがわからなくなってきたくらいで

元旦の夜となったのだった。

なかなかに楽しい正月になった。


またゆっくりと振り返ることにして

ところでこの場を借りて。

年賀状をくださったみなさまへ。

今年早々にもしかしたら引越しするかも知れないので

居所が決まったらご連絡をかねてお知らせをする予定でしたので

すみませんがしばらくお待ちくださいませ。