いよいよマリッジリングができ

依頼したMさんが届けにきてくださった。


以前より身体の装飾品にはほとんど興味がなかったのだが

Mさんが白いグローブをはめて慎重にお渡しくださったリングは

見た瞬間に、わあっ!!!!と声をあげてしまうほどに

それはそれはものすごーく素敵でびっくりした。

「シンプルで上品、そこはかとないかわいらしさ」
という私のお願いごとが、見事にかたちになっている。

そのうえでさらに想像の遥か上空をいく、
それはそれは素敵なマリッジリングである。

ぽってりとしたライン。繊細なミルグレイン。きらきらしないマット感。まんなかに質のよい石。


実際に指に通してみると、
私の手の色や指の形、手がもたらす印象全体にすごく合っていて、
さすがにプロの仕事。

恋人も、すごいええやん!とうれしそうにしている。

ずっとしていたいなーでも式までは我慢しないと・・・

とぶつぶつとつぶやいて

Mさんにも恋人にも笑われる。

だって本当に素敵なんだもの。

しかも。お値段は本当にありえないくらいで、
かなりぶあついプラチナにダイヤ1個、

おまけに裏側にまでダイヤを入れてくれたので合計2個、
2本合計で12万ちょっと。
いいのかなー。ありえないなー。


Mさんからは、ふたりの幸せを祈りながら作成した、というメールをいただき

それもまたうれしいもの。

本当に感謝である。


事務所に戻り、末弟に自慢すると

デザインに煩い末弟も

うわーこれはすごい、どこにもない感じだね、

オリジナルってこういうことなんだね、と

すごいすごいの大絶賛である。

確かにありそうでない雰囲気のリング。


それにしてもいろいろなことにめぐまれている気がする。

今日もまた感謝。


明日は長野で母と写真と引出物選び。

おいしいお店を見つけたからランチを食べてこないで、というメールがはいった。

お昼過ぎに着くように行こうと思っていたのだが

せっかくなのでランチ前に到着するよう予定変更。


今朝。南田さんの死からふと思ったのが

私の両親もそう遠くない将来にそういう現実が起こりうるかもしれないということ。


お父さんはお父さん、お母さんはお母さん。

いつまでも元気で、私は娘で、

と甘えた気持ちでいたのだが

ふとわれに返った気分でいる。いま。


仮に2年後に子どもを産んだとしても

子どもが中学校にあがるかあがらないかのうちに

父は平均寿命を迎えてしまう。これが現実だ。

孫の顔を見せることが親孝行のすべてとは思わないし

実際にそれができないこともあるだろう。

それができないことのほうが可能性としては高いだろう。


だが別のなにか、両親がよろこぶかたちとしてなにか、

親孝行なるものをしておきたいと思うのだった。


浅田次郎さんの「月下の恋人」を読了する。