雨。


スコールみたいに音を立てて

水煙をあげて雨が降っている。


こういう雨を見ているのが好きだ。

窓を開けてずうっと見ている。

たまに吹き付ける雨にすこしだけぬれたりもするのだけれども

どうしてかこの叩きつけるような雨を眺めるのが好きだ。


よく東南アジアの島に・・・

マレーシアやフィリピンやインドネシアの

おおきな島のその先にある地図にも載っていないような島に

ダイビングをしに行っていて

それらの島は

朝や夕方にたいていスコールが降る。

ときにはダイビングをしているときにも降る。


ロッジで。

あるいは軒先のデッキチェアに座りながら

いつも雨を見ていた。

ダイビングの合間だったりあるいは終わった時間や

これから一日が始まるという時間で

いずれにせよわくわくとする幸福感に満ちていた。

そのときの気分がよみがえる。


だからたぶんこの叩きつけるような雨は

私にとってはわくわくとした気分をもたらす。


時折、水中でスコールにあうことがあって

水面にたくさんの雨が落ちているのを

下から眺めるのはなかなかおもしろいものだった。


そんなふうなこと。


ダイビング。

しばらくしていないなあ。


ブランクがあるとそれを取り戻さないといけないといわれるんだけど

ことダイビングに関しては、私はいくらブランクがあっても

まったくもって平気で

昨日まで潜っていたの?というくらい軽快に潜れる。


たぶん前世はさかなだったんだと思う。

水中のほうが地上より楽だしプールも好きだしお風呂も好きでしょ?

というと恋人はわらう。

でもほんとうに魚だったんじゃないかと私は思う。まじめに。


海に行きたい。


強い雨をみるといつも思う。


藤原伊織さんの「テロリストのパラソル」を再読完了。

かなしい話だ。