ひさびさに結婚の話。


まだ「両親への挨拶」、などもちっともしていないなかではあるが。

そこはイチオウ「結婚式への憧れ」などもきちんと残っているので

具体的に結婚することになって最初に気になったのは


で、どこで?

ということだった。


恋人はものすごーく照れるタイプで、かつ無駄なことにお金を使わないひとなので

式なんて絶対に挙げたくないというだろうなあと思っていたのも大きな懸念材料。


ただおそるおそる、

あのー私。ウェディングドレスだけはどうしても着たいんだよね。というと、

「それは当然やろ」という対応だったのでかなり拍子抜けではあったのだけれども。


さて。

恋人と私の「式のイメージ」は

実は共通していて、

ささやかな式とささやかな食事会。

列席をお願いするのは「家族、あるいは家族のように親しいひとだけ」にしたい、というもの。

幸い(?)お互いに会社を辞めているので、上司、とか同僚、というのはいない。


ところで。

恋人は京都のうまれ育ちで、私は長野。

恋人は大学も京都、また入社してから5年くらいは関西支社(大阪にある)で、東京にきたのは5年前くらい。

私は大学は東京、それからずっと東京。

恋人は、だから親族一同、また親しい友人もほぼすべて京都にいるし、

一方で私のほうは、親族は長野に両親と祖母。あとは各地に散らばり、友人はほぼ東京。


ここで集いの場を自分たちに都合がいい東京にしてしまうと、

京都からも長野からも民族大移動になってしまう。

であれば参集者の多くが住まう京都、というのが良さそう、ということになった。

そもそもダンナ方の地域でおこなうのはおかしくないし、

恋人のおばあちゃん(かなり高齢)が京都の福知山在住で、

「ばあちゃんに列席してほしい」というのもおおきな理由のひとつ。

私の祖母はふたりとも長野にいて、ひとりは健脚で京都までは行けるし、もうひとりは残念ながらそれが長野であれ列席してもらえる状況にはない。

また私には家族以外の「式に出ていただきたいくらいの親戚」がそもそもあまりいないというのもある。


恋人が「京都にしよう」といったわけではなく、

私のほうから「というわけなので、それなら京都にしよう」というと、

それは助かる、ということになったのだった。

また実際私のほうも兄は京都在住だし、私の両親はそれもあって、京都には毎年遊びに行っていて地縁もある。


ということで、古都・京都での式、である。

それならば和装で、と思うかたもいるだろうし、

ウチの親などは和装を見たい、と思っていることはありありとしているのだが、

私が、どうしても、ウェデイングドレスが着たいのだ。こればかりは仕方ない。

そもそも恋人は韓国人だから、私がチマチョゴリですらなく和装で、というのも変といえば変だろうし(というのも和装をしない言い訳のひとつ)。


そうしてはたと気がついた。

ちらちらと式場などを探しているのだが、

どうして世の中の式場は、こんなに夢であふれているのだろう。

いやなんていうんだろう、「みんな」の「夢」を「形」にしたらこうだよね、というのを、

さらに3割り増しくらいにしている感じ。

異様に浮き足立っていてめまいがする。

基本カラーは白。その時点で既に気後れである。

だめだ・・・。まぶしすぎる。恥ずかしすぎる。


35歳。

実際に式をあげるときはたぶん36歳の私にとっては、

もうその写真の段階で既に、無理・・・。という気持ちでいっぱい。

やっぱりお式というのは、20代のみなさんのためにあるんですね。

ダークブラウンのチャペルの写真がたまにはあって、そういうのを見ると心底ほっとする。


親しい友人が以前、

「20代でないと純白のドレスは似合わない」と断言していたことがあるのだが

(そうして実際に20代で結婚した。それはそれは美しい花嫁でした)、

確かにそうかも、と思えるこの頃である。

第一、花嫁ってことばが既に気持ち悪い。

30半ばで花嫁って。ねえ。失笑。というか。

20代で結婚した友だちは、確かに本当に輝くばかりの「花嫁」だったんだけど。

いまの自分とはあまりにもかけ離れている。

卑下、というのではなく、

きっといまの自分にはいまの自分にあった表現をしないと

気持ちが悪いと思うのは当然のことだろう。


それにしても世の中には、地味というか、うきうきとしていないというか、質素な感じの

結婚や結婚式場の情報がほとんどないんですね。

しかも京都でそれ系の結婚式となると、どうしてかいきなり「古の都で、和装挙式」ということになるらしい。

ううーん。


恋人の出身大学のチャペルが、

今年か去年から卒業生に限り式をあげさせてくれることになったらしく、

そこはさすが重要文化財だけあってシックだし素敵である。

「ねえねえそんなのもあるよ?知ってた?」とさりげに伝えると、

大学にほとんど通っていなかった恋人は、

ああそうなん?と軽く流し、

親戚が安い式場しっとるって言ってたでー。今度京都いったときに相談してみようや、とのことである。


それはまあ、安い式場にこしたことはないんだけど。

きっとそこは私が恐れている「夢でいっぱい系」なんだろうという気が・・・。

どうなることやら。