今日も出張。
毎日なにやかやと出かける系の仕事が入り
本来集中して時間をかけてやらないといけないほうの仕事がなかなか進まない。
明日はようやく出かける予定がない日なので一気に片付けないと。
出張帰りに昔お世話になった部署に立ち寄り、
元上司に挨拶をしていたら
元上司が「え、まだぜんぜん挨拶まわりしてないの?ホント困ったやつだな。営業しとけよー。相変わらずだなあ」とかいいながら
昔私が所属していた部署に連れて行ってくれて、
「辞めるんだって」とひとりひとりに引き合わせてくれた。
ああこのひとはこういうひとだったな。
思い立ったらすぐに動いてくれて。部下思いで。
そんなことも懐かしく思い出す。
角田光代さんの「あしたはアルプスを歩こう」
江國香織さんの「夕闇の川のざくろ」
を読了する。
角田さんのエッセイに出てくるマリオさんがすごい。
マリオさんは、マリオ・ルイージさんという冗談みたいな名前のイタリアだ。
断崖絶壁を歩くことになる角田さん。今日の道は怖いですか?と聞くと
「あのね、こわい、というのは、危ない、というのと違う。今日の道は危なくないです」とか。
マリオさんは仏教に帰依して出家したのだが、
その理由として、「キリスト教は信じなければならないおのが多すぎる、神とマリア、イエスとその奇跡、真実と天国、信じることを必要とする宗教は、人をなんにも考えなくてもいい、子どもにするような気がした」とか、
「あそこの山がある。向こう側の景色が見える。登らないで、見えない景色を推測することを私はしたくない。自分の足で登れば、頂上から向こう側の景色が見える。自分の目で見ないと信じられない。逆に、自分の目で見てしまったら、もう信じるしかないんです」とか。
深い言葉たちだ。
このエッセイにこんな含蓄がこめられているとは思わなくて
途中から姿勢を正して読む。
ひょっと手にとった本で
たまにこんな素敵な出会いがある。