たんじょうび企画のぶらり旅。
川越へ行く。

東京から近くて、日帰りできて、泊まりたくなったら泊まれるようなビジネスホテルなり旅館なりがあって、
という条件のぶらり旅。
鎌倉か川越で迷ったのだが、何度も行っている鎌倉より、今回は行ったことがない川越にしようと相成る。

川越。
実は街に着くまでまったく知らなかったのだが、
まさに今春からはじまる朝の連続テレビ小説の舞台らしく、街はすっかり観光づいている。

と思いきや、今日は空いてますよ、いつもはこの倍くらいかなとタクシーの運転手さん。
午前中は風が冷たかったからね、とのことである。
確かに日溜まりはぽかぽかと暖かいのだが時折吹く風は冷たい。
駅ビルでショールを買ってしまったくらいには。

さて川越。
思いのほか楽しい街でした。
明治時代の建造物が中心だという町並みは美しく、
かつては賑わいある街道筋だったのだろう。
風致地区なのかな、古い町並みのまわりには高い建物がまったくなく
軒先に広がるのは3月のうららかな青空。

いいねいいね
ええやんええやん

そんなことを何度もいいあいながら
ぶらりぶらりと旅をする。
ちいさな店をひやかし
饅頭やら焼鳥やらアイスクリームやらをつまみ
珈琲を飲む。

そう。珈琲。
私がいっとう驚いたのは、
何を隠そう、川越の珈琲のおいしさである。
ぶらりと入った店の珈琲然り
ちいさな店先で飲むテイクアウトの珈琲然り。

観光地の、しかも適当に入った店で納得のいく珈琲を出された経験は殆どない。少なくとも日本では。

しかし川越の珈琲。
何故?水がおいしいのか?それともこの街に住んでいる結果としてなのか?
謎である。

旅といえば風呂。
のふたりはタクシーを拾い、最寄りの銭湯に連れていってもらう。
旅のからだをさっぱりときよめ、
小江戸、川越に満足したところで帰宅の途につく。

ぶらり旅。
なかなかおもしろく、
これからはときどき、ぶらり旅をしよう、そうしよう、と合点合点。
恋人なぞは花粉でくしゃみを連発しつつも「ちいさんぽ」のテーマをはなうた何度もうたっている。

何よりもこうしていつも
たんじょうびを祝ってくれる。恋人に感謝。

いまは特急のなか。
恋人はすっかりと眠ってしまい
しかし気づけばもう東京。
川越は近いなあ。