ちょっと気分転換したいから久しぶりに漫画喫茶いけへん?
と恋人がいうので、漫画喫茶ならいつでも歓迎!の私はいそいそとついていった。
昨年の年末も年末、12月30日の夕刻のことである。
とはいえ漫画喫茶。
入店したはいいものの読みたい漫画はそういえばなんだろう?と
はたと困り、なにげなく手に取ったのが、
新作コーナーにあった槇村さとるさんの「Real Clothes」。
槇村さんの漫画は、実は読んだことがない。
実は、といっても、
漫画喫茶漫画喫茶といっているわりには
実際にこれまでに読んだことがある漫画家さんは数人くらいしかいないし
漫画総数じたいも100冊はいかない。
子どものころに漫画を読んだことがない、という過去は
どう頑張ってもリカバリがなかなかきかないのだ。
話を戻すと。
年末の漫画喫茶で、手にとった「Real Clothes」。
「働きマン」の世界をもう少し女子っぽくしたというか、
生きていくうえで、仕事をしていくうえで、
とてもたいせつだと思えることばやシーンがたくさん出てくる、
なかなかに素敵な漫画なのだった。
わけても特にこころに残ったのはこの言葉。
一番重要なのは、誰と出会うか。
次に重要なのは、信頼に応えること。
相手にしてはいけないのは、他人を利用しようとすること。他人に犠牲を求めること。
そして、もしもそれを求められたら、
やわらかく、はっきりと拒絶する。
なるほどなるほど。
確かにそのとおりだし、そう思っているし、
しかしこうして的確な言葉として読むと
すごくずんとくる。
誰と出会うか。
出会いは偶然。でも必然。
常々そう思っていて、
それに出会ったひと次第でものごとも自分も大きく変わったり変わらなかったりする。
誰と出会うか、を選ぶこともできる。
だけれども。たとえ同じひとと出会っても出会うタイミングによってまた感じ方や受け止め方は違うだろう。
しかし総じて。誰と出会うかということの大切さを私は経験的に知っている。
信頼に応えること。
これは当然のことだろう。信頼はとても大切なものだ。
信頼を得ようとしてなにかをするのものでもないだろう。
だが信頼を結びえたと思えたらそれを手放してはいけない。
手放すような関係性になってはいけないと私は思う。
他人を利用しようとすること。他人に犠牲を求めること。
このふたつは本当に、してはいけないことだ。
してはいけないことだけれども。常に本当にしていないといえるか?
そんなことを静かに考えた。
年明けから思いもかけない事態が起きて
いや本当はどこかで予想できていたことでもあるのだが
まさにそれにあたるようなことだったので
余計にそのことがこころに響く。
そうして要はバランスなのだ。うまくいえないけどそう思う。
伊坂幸太郎さんの「重力ピエロ」を読みはじめる。
おもしろくて途中で本を置くのがつらい。