やっと風邪がなおったらしい。
なおったと思ったらプチ出張で房総へ。
今月は急な仕事で兵庫出張も入ることになり
なかなかとばたたばと。である。
出張は嫌いではない。
しょっちゅうの出張ではないせいもあるが
移動中にある程度仕事をしたら
あとは集中して本を読めるところが気に入っている。
以前よく仕事をしていたかたと数年ぶりに電話。
兵庫での仕事をお任せしようと思っているのだが
お声も、また会話から伝わる雰囲気もおかわりなく、すっかりとうれしくなる。
住宅雑誌の編集をしていたときの外部のブレーンさんで
ライターかつ取材時の現場ディレクターとしての仕事をよくお願いしていた。
その方の書く文章と選定する写真がとても好きだったのだ。
なんてことない住宅の撮影でも
その方のディレクションだとちょっとなんていうか、
そこはかとなく色っぽくなるのだ。
カメラマンさんの力を引き出すのがうまいんだと思う。
関西に引越しをされてからなかなか仕事をする機会がなかったのだが
いつか関西でそういうような仕事をするときは絶対にお声がけをしたいと思っていたので
今回、また接点ができて、またお仕事内容もご快諾をいただいて
とても嬉しい気持ちである。
つないでくださったかたに感謝感謝である。
そういえば同じ雑誌をつくっていたときに
これまたよく仕事をお願いしていたかたがいるのだが
そのかたにお願いをするとたいていのものが愛に満ちて見える。
選ぶイラストも書体も写真も
なんていうんだろう。ほんのりとふんわりと色づいている感じ。
資金とか税金とか難しい記事で
かつモノクロの記事が多かったのにすごく不思議だった。
でもそれってつまり人柄なんだよね。
すごく精緻で綿密な記事をつくる男性の方もいて、
まじめな取り組み方をとても尊敬していたっけ。
知りたいという欲求がいつもすごくある方だった。
業界も長いからそれだけで知識はたぶん誰よりも半端なくあるのに
新しいものをどんどん取り入れようとしていた。
夜半のメールはたいていお酒をたしなんだあとらしくて
いつもと雰囲気が違うのも編集部では話題だった。
だいたいそのころ、編集者が4~5人いて、
月刊誌3ヶ月分くらいと、
隔月くらいで出す別冊本をだいたい月1~2冊くらい、常時動かしていて、
月刊誌のほうは記事を1人3本くらい、
別冊本は1冊まるごと、つまり記事7本くらいをひとりで担当する、というのが常態だった。
ので、3×3+7、34本くらいの記事を同時進行している計算になる。
その記事をどのブレーンさんにお願いするか、は、
編集会議で決定するのだが
まあはっきりいって、取り合いでもある。
当然、好きなひと、というか、それはもちろん「人として」というのもあるが、
「こういう記事をつくりたい」だから「この人でなくてはいけない!」という風な
確固たる思いが私にはあって、
なので、私が「これは絶対はずしたくない」という記事は
そういう、それぞれの特長をもった方々にいつもお願いをしていたっけ。
あのころからもう何年も経つけれども
今日はそんな昔のことをすこし思い出したりする。
よしもとばななさんの「みずうみ」を読みはじめる。