風邪を引きかけているようなので

薬局に行き、薬を買った。


風邪引いたみたいなんです、といったら

薬局のおばちゃんが

あらーいま風邪、大流行してるのよぅ。早く治しちゃったほうがいいわよぅ。

とおおきい声でさばさばと、しかしあったかくいってくれて

なんだかいいなと思う。


コンビニエンスストアにも大きなドラッグストアにもスーパーマーケットにも行くけれども

私はやっぱりちいさな商店のおばちゃんおじちゃんが好きだ。

もちろんすべてのコンビニやスーパーやドラッグストアが画一的ということではないし

すべての小売店が親密なわけでもないのだけれども。


先日。別の薬局にて、

お店の外で売っている5箱でいくら、というボックスティッシュを小脇にかかえて

それ以外の小物を買い物かごに入れて買い物をしていて

会計のときに、小脇にかかえたボックスティッシュを出すのを忘れてしまったことがあった。


会計が終了し、料金を支払い終わったところで

ふと、この小脇に抱えている物体は・・・?と気づき

うわああすみませんすみません、これも買うんです、危うく万引きするところでした、ホントすみません

とひたすら恐縮していったら、

いいのよぅ。そんなに謝らなくていいのよぅ。

といって、おまけね、これもあげるわね、と、かえってすごくたくさんのものをいただいてしまう。


おまけをくれるから。

というわけではもちろんないのだけれども。

ちいさなお店で買い物をしていると

こういうことはとてもよくある。


買ったものより多いおまけをいつもくれるお豆腐屋さん。

ものすごく知識が豊富な薬局のおじさんは、すべての商品を自分で実験しているといっていて頼もしい。

新鮮でおいしいものをきちんとすすめてくれる魚屋さん。

食べるひとの好みを聞いたうえで、買うべきものを選んでくれる果物屋さん。

急な通り雨のときに傘を貸してくれる喫茶店の奥さん


ありがとね、毎度あり。

気をつけてね。

行ってらっしゃい。


みんなそういうことばをかけてくれて。

だから私もいつもいう。


おいしかったです、ありがとう。

またきます。

行ってきます。


なじみやひいきのあたたかさ。

一方で、それ故のわずらわしさもあるだろう。

だけれども。

相手を思ってのわずらわしさは

いつかきちんとあたたかさとして心に残る。



信じられないくらいに不幸でかなしい出来事がたくさん起こるこの頃に

そのひとたちに

このあたたかさは届いているのだろうか。