今年もやってきた、終戦の日。
終戦ではなくて敗戦なんだよ。
終戦というとなんだか美しいものに聞こえて
ごまかされてしまうけれども。
と幼いころ、母に習った。
戦争はいけない。
ぜったいにいけない。
そういう教育を私は受け
だからということもだからというわけでも
おそらくどちらでもなく
戦争というものを私は憎む。
戦争を経験したひとが
どんどん減ってきて
だってあれから60年経つのだ。
私は書物やテレビ番組や映画や
そんなものでしかあの戦争を知らない。
南方から帰還したひとがいう。
レイテの話は誰にもしたことがないんだ。
あの戦争であまりに多くのひとが亡くなりすぎたから。
そう。
あまりに多くのひとが亡くなった。
それは日本人も日本と戦った国も日本が侵略した国のひとも
戦場になった国のひとも。
還ることは赦されなかった。
前に進むことだけだった。
重松清さんの「最後の言葉 」にもそんなことが書いてあった。
死んだりあるいは生き残って還っても
生きることを恥じ
あるいはたいせつなものを失い
残されそれでも生きて
いまこうして私は平和に生きている。
そのことにたくさんの感謝を。
この世の中に平和を続けていくことを
戦争で死んだたくさんのひとたちへの
せめてもの報いとして。