打ち合わせで海浜幕張へ。
風が強く、信じられないくらい寒い。
打ち合わせが早く終わったら、確かこのへんで働いているはずの友だちと
お茶でもしようかと思っていたのだけれども、
打ち合わせは長引くし恋人は体調を壊しているしでそのまま帰宅する。

早く東京に戻りたかったので、
ちょうどやってきた特急に乗った。
そうしてがらがらの車内から、東京湾と富士山と夕日が見えた。

そうか、ここは海が近いんだった。
そんなことを思った。
そうして東京も、本当はすごく海のそばなんだ。
日ごろ生活をしているとそんなことは忘れてしまうけれども。

そういえば以前、真夏の夜に青山を歩いていたら
後輩のTくんが、このへんは海のにおいがするんですよといっていたことがあった。

東京で海のにおい?って思うけれども、でもここはほんとうは海がとても近いんです。
風のむきによっては潮のにおいがするんですよ。

確かあれは、jazzを聴きにいったときだっただろうか。
そんなふうに教えてくれたことを思い出したりした。

海のにおい。
さすがにいま住んでいる山側の東京では
どんな天気のときでも海のにおいは届かないだろうけれども
それでも海のそばに住んでいると想像するのは楽しい。

東京湾と富士山と夕日をみていたら、
うしろのほうの席の出張帰りらしいスーツ姿のおじさまグループも
富士山だとか、きれいだなあとかいっていて
ほんとう、きれいだよね!そうだよね!と、こころのなかであいづちを打つ。

恋人の調子はなかなかよくならない。
寝たり起きたりのくりかえし。しんぱい。