朝、起きたら、携帯にメールが着信していて
誰だろう?と思ったら、母だった。

代々木の国立美術館へ横山たいかんを見に行くため、
いま、新幹線の中です。
元気ですか!もちろん、今日は仕事ですか?

代々木ではなく六本木だし、国立ではなく新国立だし、
たいかんは漢字で変換できなかったらしいし、仕事ですか?と控えめに聞いてはいるようだけれども
このメールの行間からものすごーくにじみでている、上京するからには娘の顔が見たい、という思いには
やはりこたえてあげたいなと思う。

もちろん今日は仕事の予定である。
それもかなり集中して仕事をする予定であった。
でも今夜徹夜すれば、仕事の遅れは取り戻せるだろう。
しかも六本木を代々木とかいっている母を東京の寒空の下で迷わせるわけにもいかないしな。。。
それに横山大観は私も見に行こうと思っていた美術展だ。

と思い、ちょっと仕事片付けたら美術館まで行くので、お茶かごはんでも食べようと電話をしたら、

あ、ナオー?いま乗換えで霞ヶ関駅なんだよ。
お母さん、昨日の夜ふと横山大観見に行こうと思い立って、ひとりで東京まで来ちゃった。とか言っている。

なんでも、大観展は前期と後期で作品の入れ替えがあるそうで、
最も好きな作品のひとつである「無我」が、前期で展示が終わってしまう。
前期の終了は2月11日で、きっと連休はものすごく混んでゆっくり見れないに違いない。
そう考えると、状況するのは思い立った翌日、つまり今日しかありえない、ということなのだそうな。