昨晩はどうも仕事に気がのらなくて、
ええいと思ってテレビを見てつけてみたら、
「ハチミツとクローバー」がドラマになっていた。

これまでもさんざんっぱら書いているけれども。
私は「ハチミツとクローバー」という羽海野チカさんの漫画が大好きである。

漫画はここ数年まで読んだことがなかったのだが、
読み始めるようになって読んだもののなかでもっとも好きな作品のひとつである。
ちなみに他に好きなのは、柴門ふみさんの「家族の食卓 」、二ノ宮知子さんの「のだめカンタービレ」。
「家族の食卓」は自分で買った唯一の漫画です。それくらい好き。

で。
ハチクロが好き、というと、読んだことのないひとはたいてい、
ああ、あの「全員が片思い」のマンガでしょう?という。

なぜかハチミツとクローバーことハチクロは、
「全員が片思い」というシチュエイションだけで片付けられてしまうことが多く、
実際に全員が片思いなのは事実なのだが、でもそれだけではまったくない。

恋するすばらしさ。恋をするせつなさ。

それがすごくていねいに、きらきらと描かれていることは、
もはや言わずもがな。
恋っていいなあという、憧憬に似た思いと、
ああこんな恋ってしたなあという、遠い過去を懐かしむような思いとで、
実際にハチクロを読むと胸がきゅんきゅんなりっぱなしです。

それに加えて私はハチクロにおける、家族とか友だちとかの、ちょっとしたエピソード、が、
恋することに関する数多のエピソードと同じくらいにすごく好きなのだ。

ハチクロは、以前にひとにすすめられて漫画喫茶ではじめて読んで、
1~2巻目は正直いって、絵とか雰囲気とかすごく苦手だなあと思ったのだが、
途中からぐいんと引き込まれてしまって、最後のあたりはもう、大好きな作品になった。
漫画喫茶でひとり、いったい何度号泣したことか。
途中からはこの漫画は号泣しちゃうんだってわかったので、
ティッシュペーパーをたくさん持っていきました。だって鼻水が大量に出ちゃうくらいに泣けるんだもん。

その号泣の源は、だから恋だけに起因するのではなくて、
先に述べたような、それ以外のものものだったりする。
そうしてそれらは、誰かが死んでしまったり、泣け泣け!というような事件なんかではなくって、
ああこういうことあったなとか、友だちとか家族っていいなとか、とてもささやかな、
そういう、誰でも経験してきたこととか、思いとか、
あるいは経験していなくても、想像できる範囲のやさしさやかなしさやいとおしさ、
そんなものにこの漫画が満ち溢れているからなんじゃないかと思う。

最後に主人公たちがしていく、いくつかの決断も、
え、そうくる?と思いつつも、
でも最初から結末を予見するような何かは確かにあったりもして。

そういえばハチクロは映画にもなっているのだが、
私はまだ映画は見ていなくって、
でもTSUTAYAに行くたびにDVDのパッケージを、嘘ではなくほんとうに毎回、見てしまう。

そのパッケージにある言葉が、今日の表題のことば。

恋をした。それだけのことなのに、世界はまぶしい。

すごい。名キャッチコピー。
この言葉が読みたくて、毎回、ハチクロDVDを手にする私。
ほとんどストーカーです。