日曜日は従妹の結婚式。
朝からけっこうな雨ふりで、いつかやむかなと思っていたら
終わるまでずっと雨だった。
「雨降って地固まる」とか、絶対にいうひとおるで、と恋人がいっていたとおりになった結婚式は、とてもおだやかなものだった。

思えば従妹のMちゃんは、いちばんつきあいが長い友だちだ。
友だちであり、妹のようでもあり。
ちいさなころは神奈川と長野と距離も隔たっていただけれども、
長い休みには従妹たちはずっと長野に遊びにきていたし、
私も兄弟たちと一緒に従妹の家に行ったし、会っていないときは文通!などもしていた。
私が東京に出てきてから、学生のころは従妹の家庭教師もしていたし、
おとなになってからは、毎月のように食事をしたり、旅行に行ったりもした。
そんなふうに仲が良かった。
いつも控えめでにこにことしていて、でも本当はとても頑固でしっかりもののMちゃん。

MちゃんのダンナになるKさんと会ったのは、数年前のことだ。
ふたりが付き合いはじめたばかりのころ。
彼氏と会ってほしいのといわれ、誰よりも最初に会わせてくれた。
いいひとじゃない、あのひとなら安心だよ、と従妹に伝えたら、とてもよろこんでいた。
あれから3年ほど経つだろうか。

けんかもたくさんしていたし、おおきなけんかのときには
泣きながら電話をしてきたこともある。
それでももっとたくさんのうれしいことやたのしいことがあって、
すばらしい日々があって、
お互いを伴侶と選んだふたり。

お父さん、お母さん、いままでどうもありがとう。
これからはKさんと生きていきます。

お式の最後に両親に宛てて読まれたMちゃんのことばが、
Mちゃんの気持ちをとてもよくあらわしているなあと思う。
そう、これからはKさんと生きていくんだよね。

清楚でかわいらしい従妹に、
真っ白なウェディングドレスがとても似合っていたこと。
誰よりもきれいだったこと。
私はずっと、忘れないと思う。

披露宴の終わりころ。
ウェディングケーキに隠した白いアーモンドのつぶがあたったひとに、
サプライズプレゼント!というイベントがあって。
その前に司会のひとたちが、誰かと席を替わっているひとは、
必ず席に戻ってくださいと何度もアナウンスが入って、
そのとき私と兄は席を替わっていたのだけれども、
スタッフのひとが目ざとくみつけて、名札を変えられたりしていた。

そうして私に配られたケーキのなかから。
白いアーモンドのつぶが出てきたのだ。

やるなあ。
たぶんきっと絶対。
あれはわざと私に当てたんだと思う。

びっくりしてしまって、前に出てくださいといわれても
なにも気のきいたことがいえなくて、
残念だったけれども。

それでも、お式の途中に、
Mちゃんのこと、ほんとうに幸せにしてあげてくださいね、って
ちゃんとダンナにいえたし、
それまで笑っていたダンナが、そのときだけきちんとした顔をして、
わかりましたといってくれたし、
だから、よかったと思う。

幸せって、してもらうだけでなく、なる、ものなのだと思うけれども。
ふたりなら、夫婦なら、お互いに幸せにしてあげあうことが、
とても大切だと思うから。
お互いの幸せをのぞみあえることこそが、
幸せということなのだと思うから。

Mちゃん、お幸せにね。