今夜は大学のサークル同期、Oくんの結婚式の2次会。
夜、原宿に行く。
Oくんは、ものすごく濃密な大学時代の、4年間をともにした仲間だ。
だから2次会の会場で、大学時代の仲間、以外のたくさんのひとを見ると驚く。
ああともにあの薄暗く汚い部室でくだを巻いていた、あの4年間はじつはOくんの人生のなかでは
たったのひとこまなんだなあと思う。
そう思うのはとても不思議な感覚だ。
しかし確かにたったひとこまだけれども。でもやっぱりこまではあるのだ。
私たちのサークルからは、私を含めて5人しかお祝いにきていなかった。
卒業してもう10年以上も経つのだ。
5人きていたことをそれでも誇らしいと思うべきなのか。
でも私は行ってよかったと思うし、親友のM(親友という言葉をつかうのはもはや恥ずかしいが)、大好きな先輩たち…Mさん、Fさん、Tさんはいらしていて、そのことをうれしいと思う。
会の終盤で、突然、あいさつをしてほしいと司会のひとに話をふられて、
結局みんなで急遽、歌をうたうことにした。
それも学生のころに一気コールの定番にしていた「ビンだビンだ」という、ブルーハーツの「リンダリンダ」の替え歌で、ビンだビンだと歌いながらビン一気をする、というもの。
もちろん最後はOくんに飲ませる。
嫌だ嫌だといっていたのに、マイクを持つと誰よりもしぶく誰よりも上手に「どぶねーずみ、みたいにー」と歌い上げるサークルの幹事長だったMさんは、10数年前と同じようにかっこよかった。
追従するFさん、Tさん、私、Mの順に2本のビールビンをまわして、最後はOくんへつなぐ。
そういうもろもろがあった2次会のなかで、
私はやっぱり、Sのことを思い出す。みんなもそうだろう。
あいつ死にやがって。いったいなにやってんだよ。みんなそう思っていただろう。今夜。
SはOくんはとても仲が良かった。本当は彼の結婚を心から祝いたいに決まっているから。
Sと最後に会ったときに、私、笑っていたかな。
それだけがいつも気になる。
あれだけ忘れないようにしようと思っていたのに。もう最後に会ったときのことを忘れかけている。
それでもSのことを忘れたことなんて。ただのいちどもない。みんなもそうだろう。
今夜、集まったみんなは…Oくんを含めて、Sと仲が良かった、Sが好きだったひとたちばかりだ。
きっとOくんをお祝いしているのだろう。Sも今夜は。どこかで。
Oくんに最後に挨拶をして、会場を出る。
外はすっかりと秋の夜。
私は恋人の待つ家へ帰る。
いまの私にはいまの恋人がいる。いまの生活があっていまの喜びがある。
そのことのしあわせとほんのすこしのさびしさを、そっとかみしめる。
夜、原宿に行く。
Oくんは、ものすごく濃密な大学時代の、4年間をともにした仲間だ。
だから2次会の会場で、大学時代の仲間、以外のたくさんのひとを見ると驚く。
ああともにあの薄暗く汚い部室でくだを巻いていた、あの4年間はじつはOくんの人生のなかでは
たったのひとこまなんだなあと思う。
そう思うのはとても不思議な感覚だ。
しかし確かにたったひとこまだけれども。でもやっぱりこまではあるのだ。
私たちのサークルからは、私を含めて5人しかお祝いにきていなかった。
卒業してもう10年以上も経つのだ。
5人きていたことをそれでも誇らしいと思うべきなのか。
でも私は行ってよかったと思うし、親友のM(親友という言葉をつかうのはもはや恥ずかしいが)、大好きな先輩たち…Mさん、Fさん、Tさんはいらしていて、そのことをうれしいと思う。
会の終盤で、突然、あいさつをしてほしいと司会のひとに話をふられて、
結局みんなで急遽、歌をうたうことにした。
それも学生のころに一気コールの定番にしていた「ビンだビンだ」という、ブルーハーツの「リンダリンダ」の替え歌で、ビンだビンだと歌いながらビン一気をする、というもの。
もちろん最後はOくんに飲ませる。
嫌だ嫌だといっていたのに、マイクを持つと誰よりもしぶく誰よりも上手に「どぶねーずみ、みたいにー」と歌い上げるサークルの幹事長だったMさんは、10数年前と同じようにかっこよかった。
追従するFさん、Tさん、私、Mの順に2本のビールビンをまわして、最後はOくんへつなぐ。
そういうもろもろがあった2次会のなかで、
私はやっぱり、Sのことを思い出す。みんなもそうだろう。
あいつ死にやがって。いったいなにやってんだよ。みんなそう思っていただろう。今夜。
SはOくんはとても仲が良かった。本当は彼の結婚を心から祝いたいに決まっているから。
Sと最後に会ったときに、私、笑っていたかな。
それだけがいつも気になる。
あれだけ忘れないようにしようと思っていたのに。もう最後に会ったときのことを忘れかけている。
それでもSのことを忘れたことなんて。ただのいちどもない。みんなもそうだろう。
今夜、集まったみんなは…Oくんを含めて、Sと仲が良かった、Sが好きだったひとたちばかりだ。
きっとOくんをお祝いしているのだろう。Sも今夜は。どこかで。
Oくんに最後に挨拶をして、会場を出る。
外はすっかりと秋の夜。
私は恋人の待つ家へ帰る。
いまの私にはいまの恋人がいる。いまの生活があっていまの喜びがある。
そのことのしあわせとほんのすこしのさびしさを、そっとかみしめる。