そういえば私はこよなく銭湯が好きなのだった。
なにかほかのことに夢中になると、どうしたってほかがおろそかになる。
ほかに負けてしまうようでは「こよなく」とはいえないだろうか。
それでもやはり銭湯は好きだ。
私の家の近くには、銭湯が5軒ある。
いっとう近いところは歩いて3分くらい、次に近いところは5分くらい、その次に近いところは10分くらい。
もうすこしだけ足を伸ばすと、さらに2軒。
からだを患ってなにがかなしかったかというと、
銭湯にいけなくなったことだ。
もちろんほかにもいくつかあるのだけれども、より実際的なかなしさは断然銭湯だ。
銭湯どころかお湯にもつかれない。
だから回復していちばんにしたことは、お湯をはったお風呂に入り、銭湯にいくことだった。
銭湯のいいところは、なんといっても天井の高さだろう。
中には天井が低い銭湯もあるかもしれないが、思い切り高い天井の銭湯は素晴らしい。
かこーんと桶の音が外まで響いてきたりして、それだけでうきうきとする。
歩いて10分の銭湯には、ちいさいながらも露天風呂があって、
それもなかなか気に入っている。
このあたりの銭湯の洗い場では
どこも街のおばちゃんやおばあちゃんたちが背中を流し合ったりしていて、
ああこういう光景は子どもの頃に見たなあと思う。
子どもの頃、私の家はお風呂がなくて、母屋にもらい湯に行くか、銭湯に行っていたのだ。
あの頃は髪をあらうと洗髪料が別途徴収されて、家計を切り詰めたい母は、子どもたちの髪を洗ってもそれがわからないように画策していたように記憶している。
そんなことを銭湯に行くと思い出したりする。
なにかほかのことに夢中になると、どうしたってほかがおろそかになる。
ほかに負けてしまうようでは「こよなく」とはいえないだろうか。
それでもやはり銭湯は好きだ。
私の家の近くには、銭湯が5軒ある。
いっとう近いところは歩いて3分くらい、次に近いところは5分くらい、その次に近いところは10分くらい。
もうすこしだけ足を伸ばすと、さらに2軒。
からだを患ってなにがかなしかったかというと、
銭湯にいけなくなったことだ。
もちろんほかにもいくつかあるのだけれども、より実際的なかなしさは断然銭湯だ。
銭湯どころかお湯にもつかれない。
だから回復していちばんにしたことは、お湯をはったお風呂に入り、銭湯にいくことだった。
銭湯のいいところは、なんといっても天井の高さだろう。
中には天井が低い銭湯もあるかもしれないが、思い切り高い天井の銭湯は素晴らしい。
かこーんと桶の音が外まで響いてきたりして、それだけでうきうきとする。
歩いて10分の銭湯には、ちいさいながらも露天風呂があって、
それもなかなか気に入っている。
このあたりの銭湯の洗い場では
どこも街のおばちゃんやおばあちゃんたちが背中を流し合ったりしていて、
ああこういう光景は子どもの頃に見たなあと思う。
子どもの頃、私の家はお風呂がなくて、母屋にもらい湯に行くか、銭湯に行っていたのだ。
あの頃は髪をあらうと洗髪料が別途徴収されて、家計を切り詰めたい母は、子どもたちの髪を洗ってもそれがわからないように画策していたように記憶している。
そんなことを銭湯に行くと思い出したりする。