あまり喜ばしい話ではないのだが
体重が増えた。

もともと太りやすいタイプではあって、
なのでお腹いっぱい食べたりしないようにとか、
デザートもたのみたいけれどもがまん、とか、
たいていは常に気を遣っている。

ここ10年くらいでもっとも痩せていたのは
3~4年ほど前で、いまよりも4キロほど少ない。
なにを食べても太る、という時期を過ぎた20代後半から、
今度はなにを食べても太らないというありがたくも貴重な時期になり、
そうして気がついたらその時期も過ぎてしまったらしい。

それで、4キロ増。4年かけて4キロ増。
そこからは以上は増えないし、2キロ痩せては2キロ戻す、ようなのを繰り返している。
ここ1ヶ月くらいもずっとそんな感じで、結局、その4キロ増という状態以上にはいかないものの、
それでもいまより4キロ少ないという、私のなかでは理想体重、には戻らない。

ため息をついては朝晩体重計にのぼる私を
恋人はいつもおかしそうに見ている。

最近などは腕の肉をつまんだりしては、
300グラム増えたんちゃう?とか
ちょっと減ったんちゃう?500グラムくらいやろ、とか
いちいちコメントしてくるのだが、
そのグラムがぴたりぴたりとおもしろいくらい当たっている。
肉屋さんなのか?と思うくらいに本当に正確だ。
どうしてぴったりなの?と訊ねると、
後ろから見たらわかるねんとかいっている。
しかしそんな300グラムや500グラムが後ろから見たらわかるなんてことあるのだろうか。

ほんとうに太って見える?ねえほんとう?と切実に訴えると、
いやうそ、と恋人は笑っていう。
私が体重を気にしていることを知っているからだろう。

今月の末に迫った従妹の結婚式では
背中が大きくあいたイブニングドレスを着ようと思っていて、
しかしこのままでは公害だ。
4キロとはいわないまでもせめて2キロくらいは痩せておかないと。