Sちゃんと会った。
急に東京にくることになって、いくよと連絡をもらう。

Sちゃんと会うとうれしい。
Sちゃんの上京を心待ちにしている多くのひとと同じように。
彼女のような存在に、だれかに強く恋われるような存在になりたいとも思うし
一方でそれはやはりSちゃんだからなせることなのだろ思う。

ごはんを食べながら、
Sちゃんとふたりで、あるたくらみについて話をする。
前に会ったときとそのたくらみの内容は少しずつ変貌を遂げていて
でも私たちはいつかそのたくらみを
ほんとうに実現するかも知れない。
私たちなりのゆるやかさといい加減さとをもって。

ただ、いま。
私はSちゃんとそのたくらみをたくらもうと思え
Sちゃんも私に対してそのように思い
お互いにいいねそれそうしない?といいあえる友だちでよかったと思う。
ただいまはお互いにほんとうには背中を押すものがない、
それだけのことだ。

友だちはとても大切だと私たちはとてもよくわかっている。
Sちゃんはことにいまはちいさな島で暮らし、
そうしてお互いに独身で家族とははなれて暮らしている。
家族でも恋人でもない、友だちのたいせつさ。
友だちだからできる、いくつかのこと。

そのことを思う。