いらいらしたことが重なって
恋人にあたりちらした。
昨日からそれは続いていて、
たとえば山積みの仕事に途方にくれて
へとへとで家に帰ってきて
今日はもう家でごはんをつくる気がしなかったにもかかわらず
恋人は家で食べたいといって、
それでも私が外で食べたいときちんと伝えれば
そうしてくれることはわかっているのだけれども
それなら恋人の願いをかなえたいと私は思ってそのようにして
でも恋人が昼間に食べたものは洗いもせずに放置されているし
食事の盛り付けを手伝ってくれるわけでも
料理を運んでくれるわけでも
洗い物に手を貸してくれるわけでもなくて
もちろんそれもきちんと恋人に伝えればいやな顔もせずやってくれることはわかっているのだけれども、
いわなくても気づいてよと心のなかで毒づいて、
結局私は疲れ果ててしまう。
今日も今日とて同じような状況で
ちょっと大き目でかつ納期が近い仕事が突然舞い降りてあたふたとしているのに
かゆみのせいで病院に行かねばならず(まあおかげで会社には行かず家で存分に仕事ができるわけでもあるが)
そんななかでも恋人の会社の仕事も手伝わねばならず
ああもうどうしようどうしようと思っているのに
恋人はまた今日に限って家のなかで昼ごはんを食べたいといって
お腹空かない?ときいてくる。
お腹空かない?じゃなくてお腹空いたでしょ、しかもさっき朝ごはんつくって食べたばかりじゃないと、
またまた心の中で毒づいたりして、
つくってあげたい気持ちもあるけれども、でもいま私が食事の準備なぞをしたら結局仕事は終わらないしおまけに後片付けも全部私なのだ。
と思ったあたりでついにぷつんときてしまった。
だってつくってもいいけど後片付けも全部私だし、昨日も帰ってきても全然なにも片付けてないし、いまちょうど仕事いっぱいなのに。それにそれに・・・といいつのる。
ああもう私、あたってる。
恋人にあたってる。
途中からそう気づいて、どんどんいやな気分になる。
あまり気がまわるタイプではない恋人は
ほんとうにいろいろなことに気がつかないだけで、悪気は決してなくて、
そういうひとに、どうして気づいてくれないんだということはなんの解決にもならないことは承知している。
だからきちんといえばよかったのだ。昨日の夜も、そのときに。
ためたりせずに、いえばよかったのだ。
こういう私はよくない。こういう私はすごくいやだ。
ためた結果が、あたる、になって、なんだかなあ。
だからやっぱりごめんね。と思って、途中から昼ごはんは私がつくる。
一緒にごはんを食べて、後片付けは、でもやるよ、と恋人が買って出てくれる。
いいのに、と思ったけれども、やってもらうことにする。
私はそばで仕事をしながらうろうろする。
いつまでも病院にいかない私に、病院いかんでええの?一緒にいくで。といってついてきてくれたり、
手が届かないところにできているたくさんのぶつぶつに、嫌がりもせずにていねいにひとつずつ薬を塗ってくれたり、
そういういいところにきちんと目を向けないで
あたってしまっていたことを
おおきく反省しながらうろうろとする。
夕方、会社と学校に行くという恋人とならんで歩きながら
ごめんねと早く帰ってきてねという気持ちがいっぱいになって
どんどん胸がきゅんきゅんとする。
鷹揚な恋人はそんな私のちいさな動きを気にしないで
あるいは気にしないふりで
じゃあ行ってくるわと駅で手をふる。
雨が降ったら電話してね、迎えに行くから。と私も手をふる。
雨は好きではないけれども
今夜は雨が降ってほしい。そんなふうに思う。
恋人にあたりちらした。
昨日からそれは続いていて、
たとえば山積みの仕事に途方にくれて
へとへとで家に帰ってきて
今日はもう家でごはんをつくる気がしなかったにもかかわらず
恋人は家で食べたいといって、
それでも私が外で食べたいときちんと伝えれば
そうしてくれることはわかっているのだけれども
それなら恋人の願いをかなえたいと私は思ってそのようにして
でも恋人が昼間に食べたものは洗いもせずに放置されているし
食事の盛り付けを手伝ってくれるわけでも
料理を運んでくれるわけでも
洗い物に手を貸してくれるわけでもなくて
もちろんそれもきちんと恋人に伝えればいやな顔もせずやってくれることはわかっているのだけれども、
いわなくても気づいてよと心のなかで毒づいて、
結局私は疲れ果ててしまう。
今日も今日とて同じような状況で
ちょっと大き目でかつ納期が近い仕事が突然舞い降りてあたふたとしているのに
かゆみのせいで病院に行かねばならず(まあおかげで会社には行かず家で存分に仕事ができるわけでもあるが)
そんななかでも恋人の会社の仕事も手伝わねばならず
ああもうどうしようどうしようと思っているのに
恋人はまた今日に限って家のなかで昼ごはんを食べたいといって
お腹空かない?ときいてくる。
お腹空かない?じゃなくてお腹空いたでしょ、しかもさっき朝ごはんつくって食べたばかりじゃないと、
またまた心の中で毒づいたりして、
つくってあげたい気持ちもあるけれども、でもいま私が食事の準備なぞをしたら結局仕事は終わらないしおまけに後片付けも全部私なのだ。
と思ったあたりでついにぷつんときてしまった。
だってつくってもいいけど後片付けも全部私だし、昨日も帰ってきても全然なにも片付けてないし、いまちょうど仕事いっぱいなのに。それにそれに・・・といいつのる。
ああもう私、あたってる。
恋人にあたってる。
途中からそう気づいて、どんどんいやな気分になる。
あまり気がまわるタイプではない恋人は
ほんとうにいろいろなことに気がつかないだけで、悪気は決してなくて、
そういうひとに、どうして気づいてくれないんだということはなんの解決にもならないことは承知している。
だからきちんといえばよかったのだ。昨日の夜も、そのときに。
ためたりせずに、いえばよかったのだ。
こういう私はよくない。こういう私はすごくいやだ。
ためた結果が、あたる、になって、なんだかなあ。
だからやっぱりごめんね。と思って、途中から昼ごはんは私がつくる。
一緒にごはんを食べて、後片付けは、でもやるよ、と恋人が買って出てくれる。
いいのに、と思ったけれども、やってもらうことにする。
私はそばで仕事をしながらうろうろする。
いつまでも病院にいかない私に、病院いかんでええの?一緒にいくで。といってついてきてくれたり、
手が届かないところにできているたくさんのぶつぶつに、嫌がりもせずにていねいにひとつずつ薬を塗ってくれたり、
そういういいところにきちんと目を向けないで
あたってしまっていたことを
おおきく反省しながらうろうろとする。
夕方、会社と学校に行くという恋人とならんで歩きながら
ごめんねと早く帰ってきてねという気持ちがいっぱいになって
どんどん胸がきゅんきゅんとする。
鷹揚な恋人はそんな私のちいさな動きを気にしないで
あるいは気にしないふりで
じゃあ行ってくるわと駅で手をふる。
雨が降ったら電話してね、迎えに行くから。と私も手をふる。
雨は好きではないけれども
今夜は雨が降ってほしい。そんなふうに思う。