恋人と一緒に暮らすようになって3ヵ月たつ。
そのあいだ、恋人が起業をしたり、恋人の会社のサービスインがあったり、
それに私も手術をしたりというような、
おおきなできごとがつづいていたこともあって
たったの3ヵ月という気はまったくしない。
半年とかいちねんとかそれ以上。一緒にいるような気持ちがする。
もちろん恋人とつきあうようになってからはけっこうな時間が経っているから
ながいこと一緒にいるような気持ちになっても不思議はないのだけれども。

恋人とは、たいていのことを一緒にする。
たとえ近所のコンビニエンスストアに行くだけであっても
恋人は私を誘うし私もひとりではいかない。

趣味が同じというわけでも好きなことが一緒というわけでもないから
たとえばコーヒーひとつ飲みにいくにしても、私が行きたいお店は違うお店だし
私がほんとうに見たい映画は違う映画なんだけれども
それよりも私は恋人と一緒に過ごせることのほうを選択する。
自分の意志を貫くことよりも、そのほうがずっと私にとっては幸せだ。
そうしてそういうぶぶんは、多少なりとも恋人ももっているわけで、
だから私たちはなんだかんだいいながらもいわれながらも
いつも一緒にいることを選んでいるんだと思う。

もちろん生活をともにするようになって
ましてや仕事も一緒にしているところもあるから
なんでそんなこというのとか、そういう態度をするのとか、
思うことは以前よりも増えた。

私に欠けているのは鷹揚なところ。
恋人に欠けているのは思いやり。
たぶん恋人は私を、かりかりしてばかりいると思っているだろう。
私は恋人を、どうしてそんなふうに横柄なんだろうと思っている。
私はまいにち、もっとやさしくなりたいしのんびりした気構えで過ごしたいと思っていて、
でもうまくいかない自分にまたいらいらしてみたりする。

がまんしていることもたくさんある。
そうして恋人もきっと私に対していらいらしたりがまんをしたりしていることがあるだろう。

それでも夜ねむるとき。朝おきるとき。
そういうときにまでその気持ちを引きずるようなことはしない。
ふたりにだけのやりとりをたくさんして
そうしてねむったりおきたりする。

そういう毎日を過ごしている。

ふたりで過ごす家からは
おおきな空が毎日みえる。


空