いよいよ手術、である。
看護師さんが車椅子を押し、恋人が横にならぶ。
大丈夫や、一瞬やで。一瞬で終わるから大丈夫や。
と何度も心配そうに、でもにこにこしながら恋人はいって、
私はそういうときの恋人の顔をみるといつも胸がいっぱいで泣きそうな気持ちになる。
うん、行ってくるね。
うん、行ってきー。待ってるで。
恋人は最後までずっと手をふっていて、
私も手術室への廊下を曲がって見えなくなるまで手を振った。
たいしたことない手術とわかっていても、
胸がぎゅっとつままれたようになる。
ああ私、このひとのことほんとうに好きなんだなあ。
なんて。その笑顔を見ながら。思い出しながら。
手術台の上に乗る。
手術は全身麻酔。
全麻の手術は2回目であるが、前回のことなどとうの昔に忘れているので、それなりに緊張。
点滴で麻酔が投与され、あとはマスクからの麻酔である。
麻酔にかなり弱いので、点滴だけで相当眠い。
寝ちゃいかん!となぜかそのときの私は思い(なんのための麻酔…)、
必死で寝ないようにこころがけつつ、手術室の看護師さんに
「いやー点滴だけで既に半落ちですよ」なんてつまらないことをついついいってしまう自分に半分呆れつつ、看護師さんが笑ってくれたのでちょっと嬉しかったりした。
さすがにマスクから麻酔が流れると、もう抵抗のしようもなく睡魔が襲う。
竜巻のような暗闇に引き込まれるようですごくこわいな、と思ったのだけれども、
手術室の看護師さんがずっと腕をさすってくれていて、そのあたたかい感触にすごく安心ができた。
これは聖路加オンリーなのか、それとも全国各地の病院でおこなわれていることなのだろうか。
ふと目をあけると、その看護師さんがそばに見えたので、
「手術、これからですか?」ときいたら、
「もう終わりましたよ」とにこにことしていう。
い、いつの間に…
確かに時計を見ると、時間はきちんと経っている。
(半落ち状態でも時間はしっかり見ていた)
この看護師さんとのやりとりを恋人はとても気に入ってしまい。
入院中も退院後も、ことあるごとに再現させる。
なあ、なんていったん?
え、あの、手術、これからですか?って。
うひゃひゃ。超うけるわ、それ。
そんなやりとりを何度もする。
看護師さんが車椅子を押し、恋人が横にならぶ。
大丈夫や、一瞬やで。一瞬で終わるから大丈夫や。
と何度も心配そうに、でもにこにこしながら恋人はいって、
私はそういうときの恋人の顔をみるといつも胸がいっぱいで泣きそうな気持ちになる。
うん、行ってくるね。
うん、行ってきー。待ってるで。
恋人は最後までずっと手をふっていて、
私も手術室への廊下を曲がって見えなくなるまで手を振った。
たいしたことない手術とわかっていても、
胸がぎゅっとつままれたようになる。
ああ私、このひとのことほんとうに好きなんだなあ。
なんて。その笑顔を見ながら。思い出しながら。
手術台の上に乗る。
手術は全身麻酔。
全麻の手術は2回目であるが、前回のことなどとうの昔に忘れているので、それなりに緊張。
点滴で麻酔が投与され、あとはマスクからの麻酔である。
麻酔にかなり弱いので、点滴だけで相当眠い。
寝ちゃいかん!となぜかそのときの私は思い(なんのための麻酔…)、
必死で寝ないようにこころがけつつ、手術室の看護師さんに
「いやー点滴だけで既に半落ちですよ」なんてつまらないことをついついいってしまう自分に半分呆れつつ、看護師さんが笑ってくれたのでちょっと嬉しかったりした。
さすがにマスクから麻酔が流れると、もう抵抗のしようもなく睡魔が襲う。
竜巻のような暗闇に引き込まれるようですごくこわいな、と思ったのだけれども、
手術室の看護師さんがずっと腕をさすってくれていて、そのあたたかい感触にすごく安心ができた。
これは聖路加オンリーなのか、それとも全国各地の病院でおこなわれていることなのだろうか。
ふと目をあけると、その看護師さんがそばに見えたので、
「手術、これからですか?」ときいたら、
「もう終わりましたよ」とにこにことしていう。
い、いつの間に…
確かに時計を見ると、時間はきちんと経っている。
(半落ち状態でも時間はしっかり見ていた)
この看護師さんとのやりとりを恋人はとても気に入ってしまい。
入院中も退院後も、ことあるごとに再現させる。
なあ、なんていったん?
え、あの、手術、これからですか?って。
うひゃひゃ。超うけるわ、それ。
そんなやりとりを何度もする。