先ほどの話のつづき。

そのあと、彼女がすごくおすすめ!というギャラリーにいく。
さすが彼女がおすすめというだけあって(断っておくが先ほどのイタリアンは彼女がおすすめをしたわけではない)、どれもこれも素敵なものばかり置いてあり、財布の紐がゆるい時期だったらほんとうにまずかったと思う。

ごはん茶碗を買う。
ものすごーく悩んで悩んで、結局仕事に戻る彼女を途中まで送ってもう一度戻って、
結局、黒織部の油滴天目の茶碗にする。
ほんとうはうすく焼き上げた、これからの季節に合いそうな清水にしようかと思ったのだけれども、私は繊細な扱い方ができないし(洗うときに、水道の蛇口に 誤ってあててしまうのが目に浮かぶ)、毎日使うごはん茶碗だし、恋人も私もふつうよりとても手が大きいので、持ちあまりのあるくらいにしっかりと厚みがあ る織部を選んだ。
白いごはんがきれいに映えそうな美しい焼き物だ。

昨日は入院前ということもあり、結局そとで食べてしまったので
お茶碗は退院後に初おろしすることになりそうだ。

それにしてもこのギャラリーは本当に素敵で、
お茶碗を選んでいる時に店主の女性と相談しながら決めたのだけれども、
この女性も品がよくて、こんな女性になりたいなあと思ってもなれない類の女性だった。
ああいいお店に出会えてよかった。
紹介してくれて本当にありがとう。

昨日の夜は、別の友だちからメールがきた。
彼女らしい気遣いで、あまりに直前にメールするのは悪いと思って、と
一日前にそっとメールをくれる。
そのこころづかいと彼女らしいつつましいやさしさに打たれた。

友だちはみんな。
それぞれがそれぞれらしいやりかたを持っていて
私はそのやりかたをそれぞれ好もしいと思う。

友だちと友だちでよかった。
だからきっと。友だちなんだよね。


oribe

黒織部のお茶碗。