ローマからAが帰ってきたので
晩ごはんに行った。
ダンナはまだローマで勤務中で、彼女だけひとあし早く帰国。

約束どおりバレエシューズをお土産にもらう。

プレーンなものってナオさんいっていたけれど
やっぱりやめてこれにしたー

といって彼女がバッグから出したのは
金色のバレエシューズだった。

いわく。すべてのポイントをおさえているのはこれしかなかった、これが最高だと思う。
今年はやりのゴールドである。
リボンをあしらっている(リボンがついているのは私のリクエストだ)。
先が割れている(先が割れているのもはやりなんだそうだ)。

そうしてなによりも。
これってナオさん自分じゃぜったい買わないでしょう?

うん、確かに。

ゴールドの靴はひとつも持っていなしきっと今後も持たなかっただろう。
でもその靴は。とてもきれいな色できらきらとしていて。
実際のところひとめで気に入ったのだった。

さすがA。
なんだかんだいって彼女は私の好みをとてもよく知っていて
そのうえでいつもそれとなく裏切るものを贈ってくれる。
でも完全に裏切るものでもないから
結局彼女からの贈り物はいつもお気に入りになる。

こういう贈り物のしかたって。
とても素敵だと思う。

shues