少しばかり理由があり
たいせつにしていたものを手放すことになった。
いろいろなものごとの優先順位をつけると
それはやはり仕方のないことだと思う。
それにその「もの」には
よい思い出ばかりがあるわけでもない。
「もの」に責任はないけれど。とはいえやっぱり。
そういう「もの」を身近においておくのは気が引ける部分もあった。
それを手放すことでようやく
いまわしい記憶や呪縛のようなものから
解放される可能性だってあるのだ。
そうなのだ。きっとそうなのだ。
そう考えると少しばかり気分は明るくなる。
とはいえ。愛着がないわけではないのだ。
「もの」そのものに対しては。
やっぱり手放すことにしたよ。
と恋人にいったら。
私のかなしい気持ちをたぶん理解してくれているので
もっとおおきい家に住めるようになったら、もっとおおきいものをそのときに買おうな。
といってくれた。
とはいえ。やっぱり。
それがばらばらに解体されて
いえから運び出されているのを見るのは
思っていた以上につらいものだった。
ぽっかりと空いたすきまが嫌で
折りたたみ式のテーブルや椅子をその場所に置いた。
それでもこころのぽっかりは消えない。まだ。
明日あさってその次の日くらいには。
だんだんと違うなにかでまた
こころも空間も埋まっていくにちがいないだろうけれど。
さよなら。さよなら。
もっとたいせつにしてくれるひとのもとにいって
やさしい毎日を奏でてね。
たいせつにしていたものを手放すことになった。
いろいろなものごとの優先順位をつけると
それはやはり仕方のないことだと思う。
それにその「もの」には
よい思い出ばかりがあるわけでもない。
「もの」に責任はないけれど。とはいえやっぱり。
そういう「もの」を身近においておくのは気が引ける部分もあった。
それを手放すことでようやく
いまわしい記憶や呪縛のようなものから
解放される可能性だってあるのだ。
そうなのだ。きっとそうなのだ。
そう考えると少しばかり気分は明るくなる。
とはいえ。愛着がないわけではないのだ。
「もの」そのものに対しては。
やっぱり手放すことにしたよ。
と恋人にいったら。
私のかなしい気持ちをたぶん理解してくれているので
もっとおおきい家に住めるようになったら、もっとおおきいものをそのときに買おうな。
といってくれた。
とはいえ。やっぱり。
それがばらばらに解体されて
いえから運び出されているのを見るのは
思っていた以上につらいものだった。
ぽっかりと空いたすきまが嫌で
折りたたみ式のテーブルや椅子をその場所に置いた。
それでもこころのぽっかりは消えない。まだ。
明日あさってその次の日くらいには。
だんだんと違うなにかでまた
こころも空間も埋まっていくにちがいないだろうけれど。
さよなら。さよなら。
もっとたいせつにしてくれるひとのもとにいって
やさしい毎日を奏でてね。