寒い夜。遅く帰った日。
家のあかりがついていること。
そのあかりを灯しているのがたいせつなひとであること。

とてもしあわせなことだと思う。
こんなふうにしあわせなことだと思う。

おかえり、今日さむかったやろ。
うんすごくさむかったー。

そんなささやかな会話でも。
私のこころはあたたかく満ちるのだ。こんなにも。

このちいさなしあわせを。
しあわせとずっと思えることが
たいせつなんじゃないかと思う。

惰性とか。慣れとかで。
忘れないようにしよう。
忘れたとしても。ちゃんと思い出そう。

ただそこにそのひとが
いるというそのことだけで
こんなにもあたたかい気持ちになった。
そんな夜のことを。