友だちのこと。

友だちと会社を抜けて、ランチを食べに行った。
彼女は来週から暫くローマで暮らす。
ダンナの転勤についていく、という形で、ここ3年くらいは日本で暮らしていたけれども、その前はパリにやはり3年くらい住んでいた。
当時は恋人だったいまのダンナがパリに転勤になったから、というのがやはりそのときの理由だったと思う。

彼女とは10年近く仲良しで、でもしょっちゅう会うわけでもない。
しょっちゅう会っていた時期もあったけれども、それは彼女が学生で私が働きはじめたばかりのころだからずいぶんと昔のことで。
最近は2～3ヶ月に一度、食事をしたりする程度だ。

だから彼女がパリに住もうがローマにいようが。
ブエノスアイレスだろうがヘルシンキだろうが。
会う頻度はあまり変わらないのではないかと思えなくもない。
でもやっぱりどこかしら。日本にいないことといることはおおいに違うのだ。
淋しいというのとも違う気がするけれども。やっぱり淋しいのだろうとも思う。

今日はふたりで和食を食べた。
当分、日本にいないから。というわけでもないけれども。
なかなかにおいしい焼き魚定食を食べて、場所を変えてコーヒーを飲み。
ひとしきりいろいろな話をした。
明日からの彼女のこと。今日の私のこと。

もうすぐ誕生日の彼女に、ピンク色のハートモチーフのチョーカーをプレゼントしたら。
すごいかわいいぃーこれつけて行くねぇ、と。
すごくきれいな笑顔で言っていて嬉しくなった。

次に帰ってくるときまで、またね。
バイバイ。と手を振って銀座のひとごみにまじっていく彼女を、
私は見送る。
なんかこれ、パリに旅立ったときと一緒だな。
あのときも確か、銀座で手を振ったっけ。

そんなふうに思う。冬の金曜日。