昨晩、22時過ぎだろうか。
帰宅のためいつもの電車に乗っていたら、車内アナウンスが流れた。
ただいまの時間、お客さまどうしのトラブルが大変増えております。
トラブルを見かけたお客さまは、駅係員までお知らせください、云々。
携帯電話使用に関する注意は聞き飽きているとはいえ。
このアナウンスには正直驚いた。
だって乗客どうしの「トラブル」が、アナウンスしなければならないほど多いらしいのだ。
22時過ぎといえば、確かに酔客が乗っている時間ではある。
しかしそれはもっと以前からそうだろう。
そんなにみんな。いらいらしているのだろうか。
いらいらしている世の中。
先日、やはり同じくらいの時間帯に。
品川駅の構内でけんかの一部始終を見てしまった。
とても急いでいるらしい年配の男性が、ふつうに歩いていた男性にぶつかり。
ふつうに歩いていたほうの男性が転んでしまったのだ。
それもちょっと転ぶ、とかではなく、からだ全体が駅の床にうつぶせについてしまくらいの転び方だった。
ふつうに歩いていたほうの男性は、かっとなったのだろう。
年配の男性の胸ぐらをがっとつかんで、いまにも殴りかかろうとしたのだ。
もうなんというか、まさに一触即発というか。
空気全体がびりびりと音をたてそうで、一方でそのまわりだけが時間をとめてしまったかのようで。
私自身はというと。目の前で起こったそれらのことにが本当に怖くて足がすくんでしまった。
そのとき。
ひとりの若い男性が、ふりあげられたこぶしをさっととり、まさに殴り殴られようとするふたりの男性のあいだにさらっと入ったのだ。
気持ちはわかるけれど手を出してはだめですよ、
さあ、あなたのほうは、とりあえず謝って、
はいおしまい。
というやりとりがなされたかどうかはわからない。
遠くから気になって振り返ったら、どうもそんな雰囲気になっていた。
にこにことしながら、猛々しくふるまう男性をいさめている様子が見える。
なんだかとてもかっこうよかった。
けんかの仲裁に入るというのは、なかなかできるものではない。
とその場に居合わせた分、とても強く思ったし(だって本当に怖いものなのだ)、
そのときそのまわりには数十人のひとたちが行きかっていたけれども、
仲裁に入ったのはその男性と、あともうひとり「もうやめやめ」と声をかけていったご老人しかいなかったもの。
今後目の前でけんかが起こったりしたら、私はやっぱり仲裁には入れないと思う。
(怖くない感じのけんかなら仲裁に入れるだろうけれども、そんなの仲裁に入るまでもないだろうし)
けれども。なんだかいいもの見たなあ。
そんな気がする夜なのだった。
帰宅のためいつもの電車に乗っていたら、車内アナウンスが流れた。
ただいまの時間、お客さまどうしのトラブルが大変増えております。
トラブルを見かけたお客さまは、駅係員までお知らせください、云々。
携帯電話使用に関する注意は聞き飽きているとはいえ。
このアナウンスには正直驚いた。
だって乗客どうしの「トラブル」が、アナウンスしなければならないほど多いらしいのだ。
22時過ぎといえば、確かに酔客が乗っている時間ではある。
しかしそれはもっと以前からそうだろう。
そんなにみんな。いらいらしているのだろうか。
いらいらしている世の中。
先日、やはり同じくらいの時間帯に。
品川駅の構内でけんかの一部始終を見てしまった。
とても急いでいるらしい年配の男性が、ふつうに歩いていた男性にぶつかり。
ふつうに歩いていたほうの男性が転んでしまったのだ。
それもちょっと転ぶ、とかではなく、からだ全体が駅の床にうつぶせについてしまくらいの転び方だった。
ふつうに歩いていたほうの男性は、かっとなったのだろう。
年配の男性の胸ぐらをがっとつかんで、いまにも殴りかかろうとしたのだ。
もうなんというか、まさに一触即発というか。
空気全体がびりびりと音をたてそうで、一方でそのまわりだけが時間をとめてしまったかのようで。
私自身はというと。目の前で起こったそれらのことにが本当に怖くて足がすくんでしまった。
そのとき。
ひとりの若い男性が、ふりあげられたこぶしをさっととり、まさに殴り殴られようとするふたりの男性のあいだにさらっと入ったのだ。
気持ちはわかるけれど手を出してはだめですよ、
さあ、あなたのほうは、とりあえず謝って、
はいおしまい。
というやりとりがなされたかどうかはわからない。
遠くから気になって振り返ったら、どうもそんな雰囲気になっていた。
にこにことしながら、猛々しくふるまう男性をいさめている様子が見える。
なんだかとてもかっこうよかった。
けんかの仲裁に入るというのは、なかなかできるものではない。
とその場に居合わせた分、とても強く思ったし(だって本当に怖いものなのだ)、
そのときそのまわりには数十人のひとたちが行きかっていたけれども、
仲裁に入ったのはその男性と、あともうひとり「もうやめやめ」と声をかけていったご老人しかいなかったもの。
今後目の前でけんかが起こったりしたら、私はやっぱり仲裁には入れないと思う。
(怖くない感じのけんかなら仲裁に入れるだろうけれども、そんなの仲裁に入るまでもないだろうし)
けれども。なんだかいいもの見たなあ。
そんな気がする夜なのだった。