美容室へ行って髪の色を変えた。
ここのところわりと明るいトーンの茶色にしていたのだけれども
地毛に戻したいという気持ちもずっとあり。
今回は、地毛にとても近い色の、黒に近い茶色までトーンを落とした。

美容師さんから何度も、ホントにいいの?と聞かれた。
濃い目にしてしまうと、明るくするのが難しいし、それに見た目の印象が全然違ってしまうのだそうだ。
いいんです、ホントに。ときっぱりと答える。

新しい髪の色の私は。
決して別人みたいなのではなく、むしろこの色で生きた歴史のほうが長いから、どちらかというと「戻った」という印象のほうが強い。
私のことだからまたしばらくしたら、明るい色にしたくなるかも知れないけれども。
しばらくはこの色を楽しんでいようと思う。

美容室の前に、ラルテミスに寄る。
かんたんなランチではなく、きちんとしたコースのほうを選んだ。
ラルテミスでは、いかなるときもコースを食べたい。
メインひとさらで構成されたランチコースもあるのだけれど、前菜もメインもおいしいお店でメインしか選ばないのはストレスフルなのだ。

中田さんが厨房から出てきてくださって、今日食べられる料理の説明をしてくれた。
中田さんに会うとほっとする。
今日はどれにしますー?なんでもできますよーなんて気軽にいってくださって、ふたりでうんうんいいながらメニューを決める。
それ重くないかな?そんなことないですよ、それなら前菜はこっちかな。そんなふうに。

いろいろと悩んだ末に選んだ前菜は、牡蠣とキャベツとポロネギのクリームスープ風。メインは鳩のパイ包み。
前菜は冬から春にむけての気持ちが凝縮されているようで、牡蠣のほろ苦さとキャベツの甘さが絶妙にからみあっていて、これ以上ないよー!と思いながらぱくぱくと食べた。本当においしい。ため息が出る。
鳩のほうは、パイ生地がとてもとても美しい。絵画のようだとすら思う。
パイがきれいで、食べるのもったいなかったです、といったら、
今日のは特別きれいにできちゃったんですよねーいつもはあんなきれじゃないですよ、あはは、と笑っていた。

そんなこんなでランチを堪能した昼下がり。
これからはときどきゆったりランチをしにこよう。
そんな気持ちにになるのだった。