ちょっと前のことだけれど、上野の森にある国際こども図書館に行ってきた。
北欧からのおくりもの 」という展覧会を見に。

この展覧会は、国際こども図書館の蔵書である北欧各国の絵本を一堂に会するという素敵な企画で。
アンデルセンの童話はもとより、ニルスの不思議な旅とかムーミンとかスプーンおばさんとか、子どものころにとても好きだった絵本たちがたくさん展示されている。
サンタ・クロースとかトロルとか小人とか、北欧の伝説的なものとりあげた絵本の特集もある。
私はもう本当にくいいるようにじっくりじっくりと一冊ずつを見てまわった。

子どもの絵本はカラフルなものが多いけれど、北欧の色づかいはわけてもとても美しく、はっとするくらいきれいだ。
おとなになった目で見ても、おしゃれだなあと思う。
おしゃれですてきな絵本たち。

国際こども図書館は、子ども向けの図書館なので(国会図書館の分館なのだそうだ)、
子どものための閲覧室なんかもきちんとある。
ここは東京で、私がよく行っていた長野のはずれのほうのちいさな図書館とはぜんぜん違うのに。
しんとした空気。ちいさなまるい机とぐるりを囲む椅子。
そんな子どものためにあつらえられたものの雰囲気がとてもよく似ていて、もうなんともいえずに胸がきゅんとなる。

庭がある1階はちいさなカフェテラスになっていて、そこで少し本を読んだ。
大学のカフェみたいな雰囲気のなんてことないお店なのだけれど、なんだか好きな場所だった。
明るくて気持ちがよくて。日差しがさんさんと入って。

上野高校の近くにプリンのおいしい喫茶店があって、本当はそこまで足を伸ばそうと思っていたのだけれど、このカフェテラスでぼんやりしていたら短い秋の日が暮れてきてしまい。そのまま上野の森を辞す。

懐かしい絵本をたくさん見て。すてきな場所をまたひとつ見つけて。
こころがあたたまる。とてもいい一日。